終わりの始まり
ポチっていただき(まだあまり詳しくないのでわからない)ありがとうございます。読んでいただいた際には是非コメントを(これもイマイチわからない)お願いします。これからの制作の励みになります。
※学生が趣味で書いている物なのでクオリティ、更新頻度共にイマイチだと自負します
「また....なければ....ですね。」
空から美しい声が聞こえたような気がした。人々が首を傾げるのと同時に家が、街が、国が、一瞬にして炎の海に飲み込まれた。
そして、夜を越さないうちに一つの小王国が壊滅した。
「空を飛ぶ人たちが一瞬で町を焼き払ったんだよ!」
逃げ延びた人々は口を揃えてそう言った。中には小王国を滅ぼした後に空を飛ぶ人たちは光になって消えたという人もいた。僕もその1人だ。「僕」と言っているのには理由がある。端的に言うと僕には名前はない。いや、あったのかもしれないが今はない。が正しいのだろう。
「今はそんな事どうでもいいか。」
僕は小さく呟く。今はそんな事よりもこれからどうするかが重要だ。なんとか逃げ切ることはできたが食べ物や飲み物がないと、どのみち死んでしまう。せっかく助かった命を投げ捨てる訳にもいかない。そればかりが頭を過ぎる。歩いていれば何かあるかもしれないと考え、ずっと町を彷徨っていたがそんな事はなかったようだ。
「まあ、望み薄だったからな。」
と、自嘲気味に笑う。僕は路地裏の隅に腰をおろしゆっくりと目を閉じた。