竜の過去
シュゥゥゥ
ゥゥゥゥン
「よし。ついたぞ。・・・やっぱ魔力的にそろそろキツイな。」
俺は皆を連れて転移の竜言語魔法でサルパの屋敷に飛んだ。
だがライーザさんと西城にかなりの魔力を贈与したらしいな。かなりふらつく。
「ご主人様!あたちも修行してご主人様の負担を軽くするように頑張るのです!ワンワン!」
そういえばスララには竜言語魔法のスキルがあったな。魔法のスキルってのがいまいちぴんと来ないが。
ざわざわ
「なっ・・・!この一瞬でもうサルパ老の屋敷へだと!?」
「ほっほっほっほ。これはこれは・・・開いた口が塞がらんて。」
「どうだ!?父上!サルパ様!ギンさんの転移魔法は凄いだろ!」
「僕もこれが使えれば・・・」
レオンやサルパは初めての転移に驚きを隠せない様だ。
ハビナは自分の事の様にその大きな胸を張っているしガジュージは何か考え込んでいる。
「瞬間移動みたなもんか?どのぐらいの距離を移動したんや?」
「あら~。普通の獣人だったら3日はかかる距離よ~?」
「み、三日やて!?それを須藤、あんた、ふぅ。やれやれみたいな顔するだけで済ましてるんやないで!」
「あら~。カオリちゃんって面白いのね~。お姉さん気に入っちゃったわ~。私はミズホ、よろしく。」
「綺麗な人やなあとは思ってたんよ。よろしく!・・・ひゃあっ!ミズホさん!なにすんねん!尻を揉まんといてー!」
「あら~。この弾力、この張り・・・羨ましいわ~。ハビナちゃんもカオリちゃんも。」
ミズホと西城は何かじゃれあってるぞ。なんとなく気が合いそうな気がしていたが。
今までは西城が東雲さんをまさぐって遊んでいたな・・・いや、今は考えるのはよそう。
「お前ら。遊ぶのは後にしろ。俺も休まないと少し厳しい。」
「サルパ様?レオン様の所へ行かれたはずでは?それにギンジさん?あらまぁ獣老の皆様お揃いで・・・」
突然大人数の訪問客にサルパの侍女、ハナちゃんが目を丸くしながら出迎えてくれた。
「おお、ハナちゃんや。ただいまじゃ。これには色々あってのう。突然で悪いんじゃが食事の用意をしてほしいのじゃ。その間に儂らは露天風呂で一休みしてくるでの。」
「ハナちゃん!聞いてくれ!人間の男は胸だけじゃなく尻も大きい方がいいらしい!このままではギンさんがあの女勇者に取られてしまう!早く次の秘策をぶべっ。」
またもハビナが良くわからない理論で暴走を始めたようだからチョップしておいた。
ハナちゃんが尻・・・だと・・・?って小声で呟いているがあんたの恋愛観みたいなものはどうなっているんだ。
「やっぱうちの尻・・・大きいんか・・・」
西城がまたもへこんでいる。
「お前たち。ライーザさんが気を失ってるの忘れてないか?」
「そ、そうやった!早くライーザさんを横にさせてやらんと!お邪魔しま~す!」
全く疲れるな。今までこんな調子だったか?あの居酒屋で飲んでたのが遠い昔に感じるな。
俺たちはサルパの屋敷に入りまずは露天風呂を貰いに行くことにした。
「俺は先に入らせて貰ってから仮眠を取りたい。その後食事の時にでも今までの事、これからの事を話したいと思う。」
「ギンさんは頑張っているからな!先に入ってくれ!私が誰も入れないように見張っていよう!」
そう言うとハビナは露天風呂の入口に仁王立ちをした。
いや、先にとは言ったが誰も入れるなとは言っていないんだがな。まあいいか。女性陣が入ってきたら気まずいし。
「ふう。色々あって疲れた。ここまで疲れたのはリオウと契約してから初めてだ。」
(我は長い時の間あの場に封印されていたからな。銀次を通して色々な事を観察する事が出来て楽しいがな。)
「観察か。なぁリオウ、お前は元々なんで封印なんてされたんだ?話したくないのなら別に構わないけど。」
(ふむ・・・まあ奴らにとって我が邪魔だったのであろう。だが我を殺す事は難しいと思ったのだろう。そこで我の力を分散させて奪い封印する事にしたようだ。)
「だとするとよくリオウも黙って封印なんかされたな。抵抗ぐらいはしたんだろ?」
(我も封印されるなど疑いもしなかったからな。気づいた時には遅かった。)
疑いも・・・?って言う事はリオウも・・・?
(恐らく銀次の考えている通りだ。そうだ、我も信じていたものに裏切られたのだ。)
「・・・そうか。リオウ、お前も同じだったのか。だから俺に力を・・・」
(だから我は復讐を誓った。油断していたとはいえ我を封印する程のやつらだ。まずは奪われた力を取り戻すべきであろう。後一つでも取り戻せれば我も現界する事が出来るであろう。)
「あんなでかいのが現れるのか・・・それもな。」
(サイズは調節できるはずだ。)
「ならいいけどな。出来るだけ早く見つけないとな。もう俺の中にいるのも飽きただろう?」
(ここはここで居心地が良いのだがな。これからの事を考えるとそうもいっていられまい。)
「出来るだけ協力するよ。リオウに会っていなかったら・・・俺は・・・」
(少なくともあの二人の事も恨んだまま死んでいた、か?)
「・・・完全に信用したわけじゃない。が、あいつらも俺たちと同じように裏切られた口みたいだからな。」
(そうか。)
露天風呂を満喫した俺は仮眠を取るべく部屋へと向かった。
すでに敷いてくれてあった布団の上に横になると失った魔力を取り戻すように睡魔に襲われそのまま意識を沈めていった。
次話は月曜日か火曜日に更新の予定です!




