第一章人物紹介兼備忘録
第一章『魔性の森の錬金術師』が終わった時点での(作者本人の備忘録としても役に立つので)登場人物紹介です。
容姿の設定、ちょっとしたデータ、簡単な来歴等に加え、一部人物は武装や特殊能力の記載もあります。
気分転換程度にチャクっと書きしたためようと思ってたら、思いの外字数が増えました。
まさか一万文字に迫る勢いになるとは……二章が終わった時が怖いです。
ストーリー関係の裏話もあったりするので、良かったら読んでみてね。
◆ヘルメス・トリスメギストス
「俺こそ魔性の森に住まう錬金術師――改めてはじめまして、ヘルメス・トリスメギストスだ」
種族……亜人族?人間種?
性別……女性(中身は男性)
年齢……278歳(中身は20歳)
身長・体重……178cm・65kg(筋肉ほぼ皆無、胸のサイズは推定でJ)
諸島連合国家、東のアークヴァイン王国が北東部、ルベドの森の中央部に住む伝説の錬金術師。
人狼の従者「フェンリル」と番竜「ミストルティン」と共に暮らしながら、時折森に来る者たちの依頼をこなしたり、追い返したり、騒動に巻き込まれたりしている。
夢は「おにゃのこのハーレムを作る」ことらしい。
・容姿と服装
薄い金がかった腰まで届くロングヘアに深い蒼の瞳が特徴の妖艶な美貌の持ち主。絹のようにと自称する綺麗な肌や、化粧気が無いのに整いすぎている顔立ちは、傾国の美女とも形容されるほど。
男性から邪な目で見られることもしばしば。本人はあまり気に止めてはいない。
平時は黒の下着姿で日がな過ごしていることもあれば、青ジーンズと白ワイシャツにもなるし、白衣も着たりする。胸の大きさを喧伝することを割と好んでいるのか、胸元をはだける姿でいることが多数。
錬金術師としてふるまう際は黒い外套で身を覆い、その中に黒のコルセットスカート、フリルの付いた白ブラウス、ニーソックスとロングブーツを履いている。さらに魔女風のとんがり帽子を被るが、被っている意味はファッションである。また特に十字架に信仰があるわけではないが、黒銀製の十字架を首から下げている。
・性格や好みなど
欲望に忠実でどうでもいいことに関してはひどくものぐさになる。
そのくせ自分が一度決めたことやハマった物事、大事だと思っていることに関しては、かなりのこだわりを発揮する。特に食事にはうるさく、栄養や味の研究に余念がない。
男には辛辣で基本嫌っている姿勢だが、女の子は大好きで対応も激アマ。
己が見た目の良さを全面に生かし、種族問わずに女の子にアタックをかける。
一度親しくなった人(主に女性)への思い入れはかなり深く、有事の際には損得勘定や危険を省みず事件に首を突っ込むこともしばしば。
・簡単な来歴
物語序盤で異世界転生を果たしたただの人間。見た目は女性だが中身は男性。
異世界転生前の名前は「間桐蓮也」。日本の北の某所で生まれ育った高校生。
突如として授業中に意識を失い死亡し、何の因果か「ヘルメス・トリスメギストス」へと転生及び転性を果たした。
見た目とは裏腹な男勝りな話し方も、ハーレム作りを企む思考回路も、転生前の本人の性格に準拠している。
「世界を救って」的な風に体を託されるも、本人はあまり事の重大さは分かっていないようだ。
時々思い出したかのように冒険に出かけたり、少女にホイホイついていって『聖天教』が起こした騒動に巻き込まれたりと、面白いように渦中に飛び込んでいくことが常である。
彼女(?)の行く先々で知ってか知らずか、良くも悪くも物語は風雲急を告げるように進み始めるのだ。
・錬金術
ヘルメス・トリスメギストスが操る特殊な能力の総称。
両手の掌から迸る謎の黒い雷を通わせた物質を変質させ自由自在に形作る。
黒雷が瞬時に物質へと影響する射程距離は五メートルだが、時間をかけて伝播させれば視界の範囲内の物全てを錬金術の影響下に置ける。
‣〈想像錬金〉
黒雷を奔らせた物体をヘルメスの思考の通り、自由自在に変形させる。
物体の硬度や材質のため現実的には実現させることが難しい形にもできる。
最たる例が鞭みたいにしなる剣『グレイプニール』だろう。
元のヘルメスが培った知識のおかげで、現存するだいたいの物質は錬成可能だが、舞台となる諸島連合国家に現状存在していない物の中で、現在のヘルメスが造りも何も知らない物は錬成不可能。
とはいえ魔力の含有量で性質が変わったりする異世界特有の謎鉱石があるから、そこまで再現は難しくなかったりする。
ちなみにとある話で「投げたら相手の所まですっ飛んでいく紙飛行機」が登場したが、あれは魔力を込めることで強力な磁力を放つ砂を混ぜた紙で折っている特殊な代物。
ヘルメスの黒雷を帯びさせた時点でクモを乗せて飛んで行ったが、指定した人物に届くとかそういう機能は無い。ただ単に送り主(魔女小隊の拠点)へ向けて飛ばしていただけであるため、ワンチャン依頼が届いていなかった可能性もあったりする。
‣〈変換錬金〉
物体の元素の構成を操り、違う物質に変換する。
炭素を同素体のダイヤに変えたり、また別の物質から元素を取り出して足すことで全く別の物質に変えることも出来る。
もっぱら〈想像錬金〉との併用で用いられる。たぶん地頭がいい人なら非常に上手い使い方ができるのだろうが、蓮也はそこまで上手いこと使えてるかは不明である。
‣〈薬事錬金〉
既知の傷病に対する特効薬を作り出す錬金術。応用として呪術によって受けた身体異常や症状にも対応した薬も錬成できる。何故かこの錬金術で錬成された薬は、極彩色だったり妙に黄土色の錠剤になったりと、視覚的に飲む意欲を減退させる色になるとか。
理論上はどんな病気、怪我、呪術を癒す万能薬すらも錬成できるが、蓮也の知識では到底不可能なようだ。
そもそも現状錬成できる特効薬についても元のヘルメスが学んだ知識がベースになっているので、それが無かったら豚に真珠もいいとこな錬金術だったりする。
‣権能『魅了の魔眼』
ヘルメスの両目に備わった(?)特殊な能力の一つ。これをヘルメスは「権能」と呼称している。
男性を魔力を込めた瞳で見ることで、対象の精神を乗っ取って意のままに支配することができる。
識別機能……というより普段からオフの状態にしているため、誰彼構わず魅了しているわけではないらしい。
ちなみに女性にも実は多少なりとも効果があったりする。
‣〈遍く虚構〉
両手の掌から迸る黒い雷を放ち、物体を自由自在に組み替える錬金術の一種。
普段操っている錬金術との明確な差は不明だが、『聖天教』騒動では過去に本体のヘルメスから「いずれ、大事な人の命を、尊厳を。そして世界を守るために『この力』を使うことになるわ」などと言われていたらしく、これを戦うための錬金術として行使している。
周囲の構造物を利用して巨大な女神像を作り出す〈女神の鉄槌〉と、事前に用意した神銀を使用した〈戦姫の宝剣〉及び〈戦姫の宝槍〉が登場している。
余談……というか今更書き直す気も無いから白状するんだが、〈女神の鉄槌〉を叩きつけるシーンが某有名錬金術バトル漫画の初っ端のエピソードに酷似、っていうよりモロ同じ感じなってたことを、作者は全く知らなかった。
言い訳するなら、「勘のいいガキ」とかそこら辺のコラで有名なシーンしか知らなかったのです。
まあ作品作ってたらそんなこともあるよね……あるよね……?
◆――◆
◆フェンリル
「『人狼』フェンリル。魔性の森の錬金術師の従者だ」
種族……亜人族人狼種
性別……女性
年齢……15歳
身長・体重……162cm・54kg(胸はCぐらい。細身で少し筋肉質)
人狼種と呼ばれる獣人……だけど亜人族の一種。ケモミミもあるがちゃんとヒトミミもある。
人狼の里から放逐された子であり、偶然出会ったヘルメスの家に住むことになる。
フェンリルとはヘルメスが名付けたものであり、本名は「ルリア・ロウ」。今はその名を捨てている。
愛称は「リル」。ヘルメスや親しくなった後のリュノアたちからもそう呼ばれている。
・容姿と服装
黒髪のショートヘアに狼の耳を頭に生やしている。一般的ケモミミ美少女。
年相応に幼い顔立ちだが、体中に森で生きてきた証の傷がある。顔にできた傷や、最低限見えそうな場所の傷は化粧や薬などでケアしたりと、偉大なる錬金術師の従者としていろいろ頑張っているようだ。
黒基調のメイド服を着ている。ヘルメスの趣味である。
白のニーソックスとローファーを履いている。
暖かくなると半袖シャツとミニスカートの略装になる。
常に武器を携帯しており、最低でも一つ、最多で現在は四つ装備している。
・性格や好み
冷静沈着で澄ました表情でいることが多いが、捨てられたという過去の出来事もあってか結構な人見知り。対外的にはかなり冷淡な印象を受けるのも人見知りな性格が起因している。
懐くまでに時間がかかるものの、慣れればかなり積極的に人に関わるようになる。
同年代の友人が増えてから、多少人見知りはマシになった感もある。
行き倒れていたところを救われ、三年の歳月を共にしたヘルメスにはしっかりと好意を抱いている。
主従関係として締めるところは締め、家ではべたべたに甘えるタイプ。
成り行きで家で飼うことにしたミストルティンにはある種のシンパシーを覚えているようで、日々かいがいしく世話をしている。
ちなみに男勝りな喋り方はヘルメスに影響されたというよりも元かららしい。
・簡単な来歴
人に化ける『人化』の能力が不完全なため人狼の里から放逐された際、力尽きて倒れてる所をヘルメスに保護される。
当初は捨てられた事実に意気消沈して自虐気味だったものの、ヘルメスのよく分からない説得(説教?)で生きる意志を取り戻す。
以後三年間、錬金術師の従者として、ヘルメスの錬金工房での家事全般を担うようになる。
ちなみに食事に関しては自給自足。調味料や酒など、購入する必要があるものは、たまにヘルメスが『魔術小隊』に頼んで買い物に行ってもらってる模様。
何故かヘルメス宅にある謎技術の冷蔵庫に、日々たくさんの料理を作って入れているものの、数日たたずに全て無くなることもしばしば。
なお「転生者」であること自体は理解しているが、「転性している」ことについては知らない。
また「転生」そのものについてもそこまで詳しく理解していないのか、あるいは本人がそこまで詳しく教えてないのか、ヘルメスが披露する現代知識には疎い一面を見せる。
竜種の討伐(ありていに言えばモンスターハンター)、『聖天教』騒動の折には、直接戦闘が不得手な主に代わって一騎当千の働きを見せる。
・武装と能力
‣ウルミベルト『グレイプニール』
ヘルメス謹製、薄くしなやかで、そして異常なまでにしなる鞭のような剣。長さは五メートル弱あるが重さは3kg程度と圧倒的なほどに軽量。
『神銀』と呼ばれるごく軽量ながら非常に強靭かつ鋭く仕上がる金属をふんだんに用いており、研ぎ澄まされた刃は鉄板並みの薄さでありながら鉄板に軽々穴を開ける。
リルはこれを胸元から腹部に至るまで巻き付けて携帯して鎧の代わりなんかにもしている。
独特且つ特殊な形状のため扱いはごく難しい……はずだが、リルはこれを手足のように操作し、針の穴を通すコントロールで攻撃を仕掛ける。
なお名前の元ネタは北欧神話に伝わる、フェンリルを拘束した紐の『グレイプニール』のこと。
神話雑談をしている折に名前を気に入り名付けたのが由来。
武器の元ネタはインド武術カラリパヤットに伝わる実在の武器、ウルミ。
実際のところお腹に巻き付くぐらいには曲がるらしいが、鞭のように変化することはさすがにないようだ。
というかイメージはるろうに剣心の薄刃乃太刀……割とまんまっちゃあまんまである。
‣ククリナイフ
ドラゴンハンティングの折にヘルメスが造った神銀製のククリナイフ。意外と気に入っているのか、その後の『聖天教』の騒動以降も使い続けている。陶器に描かれていそうな精緻な文様を刻んであり、二刀流での運用されている。
一本の全長75cm、重量は1kg程度。二刀合わせても非常に軽量で、筋力お化けのリルなら楽々振り回せる。切れ味は当然のように名刀さながらでありながら、沿った形状に合わせて前方に重量を寄せているため物理的な破壊力も高い。
‣投げナイフ
リルがポシェットの中に大量に入れ、非常時用に二本スカートの内側に仕込んでいる投擲用のナイフ。これまた当然の如く神銀製。
けん制、威嚇、遠距離攻撃、隠し武器と幅広い用途で運用される。
‣大太刀『一閃撃滅』
ヘルメスの〈想像錬金〉で即興錬成された、長さ1.8m、鞘を含めて重さ10kg越えの大太刀。
選び抜かれた大量の鋼鉄で造られており、重量も相まってか樹木さえなぎ倒す威力を持つ。もちろん抜群の切れ味で、獣の肉くらいなら軽々斬り裂ける。
‣『人化能力』
亜人族人狼種が生来保有する人に化ける能力のこと。
存在感の希釈とも称される。
耳や牙、尻尾といった人狼の特徴たる部位を、意識できないようジャミングをかけ、普通の人間種のように振舞うことができる。応用で自分の気配を弱い生物としてごく小さくすることや、逆に強調することで強い危険な生物と威圧にも転用できる。
魔力の操作によって行うものかは不明であり、メカニズムに関しては未だ解明されていない。
リルはこの能力が不完全なため放逐された経験があるため、行使することを極端に嫌っている。
◆――◆
◆ミストルティン
「――うん……これなら悠久の時を与えられるのも、存外悪くない」
種族……古竜種
性別……女性
年齢……117歳
全長・体重……推定10m・推定10t以上
ヘルメスとリルがルベドの森で見つけた、エンシェントドラゴンの子供。子供とはいえ百年以上の年月を生きている。
名付け親はリルであり、由来は北欧神話のヤドリギ。愛称は「ミスト」。
・容姿
純粋な竜種。イメージは岩の身体を持つドラゴン。
四足の竜で翼は独立している。爪も牙も相応に鋭く強固で、作中で登場した棘甲竜のやたらと硬い甲殻をボリボリとスナック感覚で食い破ったりもしている。
鋭い鱗が幾重にも生えた岩のような甲殻は苔むしている。こちらに浴びた日光から、光合成の要領で魔力を産生する性質がある。
・性格や好み
見た目のいかつさとは似ても似つかぬほどに温和な性格。
少なくとも制御不能の魔力を放出し続けるヘルメス(喧嘩をめっちゃ売ってると考えていただきたい)が隣に立っても臨戦態勢にすらならない。ヘルメス曰く「自分より強い」説。
知能は極めて高く、ヘルメスたちの言葉の意味をしっかりと理解している。
魔力感知も鋭く、家の中にいる二人の状態を、魔力の移動や大小で判断して過ごしている。
◆――◆
◆リュノア・リュカティエル
種族……亜人族人間種
性別……女性
年齢……16歳
身長・体重……156cm・49kg(胸はB程度。かなり細身)
商業都市ラブレスに住む、リュカティエル家長女。
Prologueの際は呪術『黒毒呪』にて生死の境を彷徨っていたところをヘルメスに救われる。
救われた報酬にと貰われそうになったときから、ヘルメスのことは気になっているようだ。
・容姿と服装
よく手入れされた長い金髪と、日焼けや傷一つない綺麗な白い肌を持つ可憐な顔立ちの少女。
麦わら帽子と白のワンピースにヒールのついたサンダルという、鬱蒼とした森林地帯のルベドの森の中でも結構防御性能を捨てたような服装である。
・性格
箱入り娘という表現が似合う、ご令嬢あるいはお嬢様。
優しい性格だが、一度決めたことは決して曲げない強い芯がある。
長女だからか、年下の子にはお姉さんらしくあろうとする。
世俗に疎い一面があり、自分が与える影響力がどれほどのものかをあまり考えていない節がある。
また男女の仲は一般基準程度で知っているものの、上述した通り自分の持つ影響力を知らないため、よく「自分に気がある」と勘違いした男子を作り出すこともしばしば。
・簡単な来歴
Prologue以前から呪術の影響で一か月床に臥せっていたが、ヘルメスが〈薬事錬金〉で錬成した治療薬で回復。以後、療養生活のため学園も休むことになる。
ちなみに快復祝いにと、ヘルメス自ら作った十字架の暗器を受け取ってから、順調過ぎる勢いで回復したそうな。物語で描かれていないところで、何度かリュノアはヘルメスの錬金工房に訪れている。
『聖天教』騒動の折に、ヘルメスのことをラフィーゼに語ってしまい、なし崩し的に巻き込まれることになる。その際にラフィーゼとはちょっとした姉妹のような間柄になる。本人はもちろん、ラフィーゼも結構良い気なようだ。
◆――◆
◆ガドルノス・リュカティエル
種族……亜人族人間種
性別……男性
年齢……58歳
身長・体重……172cm・71kg
現商業都市ラブレスの市長。元は商会を経営していた。愛妻家で子供と妻に頭が上がらないらしい。
質実剛健な手腕を持ち、彼が市長に就任してからラブレスの貧富の格差は大きく減ったとされている。
その一方、目的の為なら手段を選ばない一面もあり、時には競合相手を非情な手段で消していたこともある。
・容姿と服装
深い彫りが目立つ顔立ち。額に刻まれた深いしわと、白髪交じりの金髪のオールバックが特徴。
仕事柄黒のスーツを着用することが大半。
・性格や好み
商会や市長の業務を務めていたからか、真面目で人の話をよく聞くタイプ。
冷静な判断力で物事を判断し、活かして部下に指示を出すことも多いが、自分から現地に赴くことも多い。
しかし自分の家族が絡むと途端に急変し、娘や妻に対してはでれっでれのベタぼれになる。
最近は一番下の娘が反抗期らしく、ちょっと距離を置かれて傷ついているとかなんとか。
また自分の家族と同じように、リュノア直属の侍女、リーリエには愛情を注いでいる。
・簡単な来歴
娘リュノアを襲った奇病の治療をすべく、アークヴァイン王国の医者や魔法使いたちの元を奔走するも、原因の究明も根治にも至らなかった。
藁にも縋る思いで錬金術師ヘルメスの元を訪ねて治療してもらうことになる。
その一件からヘルメスは甚くリュノアを気に入り、それから何度となく会いに来る関係が続く。
「君が欲しい」と真っ向から言われたのが命の恩人であるため、嫁がせたい気持ちといやいやちょっと待てという気持ちに挟まれているようだ。
また、娘を襲われたことにより、今までの強硬手段も辞さない己のスタイルを鑑みることにもなる。
第一章エピローグにて、死体のそばで拾ったブローチになにやら見覚えがあるようだが……?
◆――◆
◆リーリエ・ミリエール
種族……亜人族人間種
性別……女性
年齢……23歳
身長・体重……161cm・52kg
リュカティエル家の長女リュノア専属の侍女。
ガドルノスの仕事の補佐役として北へ南へと奔走することもしばしば。
リュノアが幼い頃から仕えているため、リュノアからはお姉さんとして慕われている。
・容姿と服装
手入れのなされた長い黒髪をポニーテールにしている。
そのままだったら正統派な侍女といったものだが、特徴的な三白眼に不愛想な表情は、特に矯正しようとは思っていないらしい。
リュカティエル家で支給される黒基調の侍女服を平時から身に着けている。
・性格
見た目の冷たい印象とは裏腹に、侍女として完璧な仕事を果たす実直な性格。
人に尽くし、忠を尽くすタイプであり、ガドルノスにも信頼を寄せられている。
リュノアの性格は危ない人を寄せ付けやすく、リーリエの手を煩わすことも多かったため、特にリュノアに対しては過保護になっているようだ。
見た目通りというかだが、実はかなり激しめの音楽が好きだったりする。
・簡単な来歴
リュカティエル家に彼女が幼い頃から仕えており、正式な侍従の関係になったのはリュノアが3歳、リーリエが10歳の時である。
Prologueではガドルノスと雇った兵隊と共にルベドの森へと挑むことになるなど、ハードな人生を送っている。それ以外にも屋敷内での襲撃事件に巻き込まれたり、人質に誘拐されたことがあったり、リュノアの周りに付きまとう人間に警戒したりと、わりかし気苦労が絶えない人生をしている。
ヘルメスに対しては当然ながら警戒心を抱いているものの、リュノアの命を救ってくれた恩人でもあるため、どういう応対をしようかと悩んでいる様子。
◆――◆
◆レジーナ・フラメクス
「アタシたち傭兵はこの国が大好きなの。誇りと自負を持って、この国に住まう土地や人々を守っているつもりよ」
亜人族人間種
性別……女性
年齢……65歳
身長・体重……184cm・82kg
ルベドの森を根城にする傭兵集団『魔術小隊』を組織する魔女。
魔女でありながら傭兵であり、その実力はアークヴァイン王国で最も重用されるほどである。
・容姿と服装
長い銀髪をポニーテールにまとめた、健康的な褐色の肌が特徴のボーイッシュな女性。
作中ではまだ戦闘描写は無いが、肉弾戦闘を好んでいるためかなり筋肉質。
ヘルメスよりも長身で、体重は重めながらスラリとしたボディラインを持つ。
黒い皮革のロングコートに、ショートパンツとシャツを着ている。腹筋を喧伝するように縛ってへそ出しスタイルである。
耳に光る竜を模した精緻な銀細工のピアスを付けているが、割と少年が好むようなデザイン(中二的)なものが好きなのだろうか?
・性格や好み
快活でさばさばした性格。どんな人物にも好意的に接する一方で、依頼であればどんな者でも殺しにかかる非情さも持ち合わせている。
傭兵活動をしているためか、請け負った依頼には誠実に対応し、忠実に遂行する。しかし重要度や依頼主の信頼度如何では、勝手に破棄してそのことを無かったことにすることもある。
割と享楽的な性質を持っているようで、作中で特段描いてはいないが普通の人間との交流も盛ん。
誰かと呑む酒が何よりの好物で、一緒にグビグビ飲んでは知らん人の家でグースカ寝ていることもしばしば。
・簡単な来歴
アークヴァイン王国で『魔術小隊』を率いて傭兵活動を行っている。
国王の依頼以外にもヘルメスの依頼を数多く受けているが、基本的にはどんな者からでも金さえもらえば依頼を受けるスタンスである。そのためリュノアが呪術の毒牙にかかったりした。
ヘルメスが犯人捜索の依頼をした以外にも彼女自身が懇意にしていることもあり、簡単にルストを裏切ったり、そのことをヘルメスたちに明かしたり、「信頼を重きに置いている」と発言したにしてはテキトーな行動を取っている。
◆――◆
◆ルスト・クレイトン
亜人族人間種
性別……男性
年齢……16歳
身長・体重……179cm・50kg
リュノアと同じ学園に通う男子生徒。両親は商業都市ラブレスで診療所を営んでおり、彼もその技術と知識を確かに受け継いでいる。
奇妙な病にかかったリュノアを救うべく奔走する……予定だった。
その病気自体が自身が仕向けたものであり、自作自演で彼女の気を引こうとしていた。
・容姿と服装
両目を隠す長いぼさぼさの黒髪に隠れた黒い目は、常に深いクマで縁取られている。
リュノアと同じ学園に通っているため服は基本紺色の制服。裏路地にいる間も制服だった。身元バレバレである。
・性格
とにかく暗い。陰湿で粘着質。物事がうまくいかないと苛立ちやすく、爪を噛み周りに当たる癖がある。そのくせ割と周囲の人間とは感情を押し殺して上手くやっていけてる、意外なタイプである。
タチが悪いことにそれを全て自覚をした上で今回の騒動を起こしている。
証拠もしっかり残している(怪文書をレジーナに回収されてる)辺り、本当に場当たり的に考え付いたのだろう。
・簡単な来歴
レジーナに依頼してリュノアへ呪術をかけるよう仕向けた。
だが生き延びるように毒性を弱めざるを得ない計画のためか、自分があれこれする前にヘルメスが治療してしまう。
その事実を知らぬままリュノアが助かったことを知り、レジーナを呼び出したところ、ヘルメスの契約に従ったレジーナに首を締め落とされ気絶。そのまま監獄送りとなった。
第一章エピローグで自分の房内で惨殺体で見つかった。
凶行に走ったにしては手酷い方法で殺害されたが、誰がやったか、またその理由は不明である。
少なくとも、リュノアの父、ガドルノスの犯行で無いことは確かだろう。
◆――◆
◆ラフィーゼ・エリュシオン
亜人族人間種
性別……女性
年齢……16歳
身長・体重……149cm・45kg
諸島連合国家オルテンシス帝国からやってきた宗教組織『聖天教』の『聖女』を名乗る少女。
生まれてから『聖天教』を信じ続けて育ったせいか、やや妄信的な一面もあったが、ヘルメスとの交流と事件によってその考え方は大きく変わっていく。
・容姿と服装
鮮やかな水色の髪色と同じ色の瞳を輝かせる美少女。当然美少女である。
修道院の質素な生活の為かやや瘦せ型で、同年代のリュノアたちと比べても成長に陰りがあるような体系をしている。
『聖天教』で指定されている白地の修道服と、同宗教内で基本とされる銀製の十字架を首から下げている。
・性格
自分を『聖天教』の『聖女』と信じてやまない心から、かなり尊大な性格をしている……が、やはり年相応に子供らしい面もある。というよりも、「『聖女』であろう」という重責から自分を優秀な人物だと取り繕っている気持ちの方が強い。
生まれてから親とは死別しており、身寄りが無かったため、実は相当の甘えん坊。
リュノアには表立って口に出さないものの、姉のような存在として見ている。
リルに対しては妹的存在として振舞っているものの、逆に意地悪をされていからかわれていることが多い。
・簡単な来歴
『聖天教』で広まる『堕天』なる病気について、その原因が錬金術師及び魔女のものであるとそそのかされ、ヘルメスの錬金工房へとリュノアと共に出向く。彼女のまくしたてるような弁舌に圧倒されながらも、騒動の中心人物で無いと言い張るヘルメスに同行する。
その結果、信じていた主教ことソロウに裏切られるも、『聖天教』に対する信心は揺らがず、商業都市ラブレス内で宗教を広めるべく精力的に活動するようになる。
◆――◆
◆ソロウ・アルゴ―
亜人族人間種
性別……男性
年齢……69歳
身長・体重……157cm・80kg
商業都市ラブレスに物語が始まって半年ほど前から着任した『聖天教』の主教。
ラフィーゼ・リキエルらと『聖天教』を魔女国家に広めるべく奔走していた……はずの男である。
・容姿と服装
修道服を着た、ふくよかな体型の老人。
白髪を後ろに流したヘアスタイルと、白い髭をもさりと蓄えている。
・性格
温厚で信心深い性格で、信者たちに広がる『堕天』なる病状に真摯に向き合う、主教の鏡である。
……が、その一方で『堕天』と嘯いて信者の女性と性的な関係を持つなど、性に偏った生臭坊主である。
・簡単な来歴
『聖天教』の主教として商業都市ラブレスに教会を持つ。
日々信者たちを相手取り業務に追われる中、『堕天』という偽の病気の存在を公表し、信者たちを性的に食い物にするようになる。
その行為を聖堂騎士たちにも随伴させていた発言もある。
聖堂騎士長のリキエルは『堕天』という謎の病気について、「なぜ主教しか治療できないか」と疑問を抱いてはいたようだ。
最後はヘルメスの権能『魅了の魔眼』で自分から全てを吐き、そして〈遍く虚構・女神の鉄槌〉にて瀕死になりかけるほどの重傷を負って監獄棟に収監されることになる。
第一章エピローグで何者かの手により姿を消す。
他の囚人と違い手傷などを受けた痕跡が一切無い辺り、何かしらの目的で脱走を手引きされたのだろうか?
◆――◆
◆リキエル・ジンドラーク
亜人族人間種
性別……男性
年齢……35歳
身長・体重……196cm・98kg
『聖天教』を生まれてから信仰している聖堂騎士の一人。
十字槍を軽々扱う膂力と、この地にいるどの信者よりも深い信仰心から、聖堂騎士長としてその名を連ねている。
・容姿と服装
短く刈り上げた黒髪に精悍な顔立ちをした筋骨隆々の男。
盛り上がった筋肉を覆い隠す修道服の下にはチェインメイルを仕込んでいる。
その上で胸筋とか大腿四頭筋とかが目立つのだから相当な筋力である。
・性格
実直で直情的な、信仰に全てを捧げたタイプの人間。
敵対者には躊躇なく刃を向ける一方、一度信頼した相手には忠実に仕える。
過去には主教という立場からソロウに仕えていたものの、今は義を見せたラフィーゼに忠を尽くしている。
・簡単な来歴
『聖天教』の騒動の折から、『堕天』という謎の病気あるいは呪術が主教のソロウ、聖女のラフィーゼを狙わないことに不信感を抱いていた。
当初は襲撃してきたヘルメスとリルに刃を向けるが、魔眼の影響で全てを白状したソロウと、その光景を見た上で『聖天教』を立て直して率いる決意を示したラフィーゼを見て刃を下げる。
以降はラフィーゼの右腕として彼女に仕えているようだ。
最後までお読みいただきありがとうございました。
最新話までお読みいただいている方、あるいは最初からお読みいただいている方にもわかりやすいよう、改めて作中での動向や性格などについて記載してみました。
ちょっとした補足と備忘録も兼ね備えて書いていたら、何時の間にやら一万文字を超えていました。普通に驚きです。




