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神々の箱庭  作者: チャーリー フール
第3章 再会
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10話 機密事項盛り沢山

『で?実際どこまで言って良いの?』


 久々の日本語でシェイルに聞く。


『私が貴族だった事はできるだけ伏せておきたいわ。おばあちゃんのお店でお世話になってた町民って設定にしてるわ』

『当然神力の事は秘密だよね。ユニークスキルは?』

『〈創主〉だけ明かしているけどそれ以外は秘匿しているわ』

『了解。ところで氷と雷の魔術使う戦い方って珍しいと思うけど、バレてないの?』

『父様が私の名を伏せていたから、氷雷の戦姫がシェイルという名前だって事は殆ど知らないわ。……まぁ何人か気付いてそうな人とか知ってる人はいるけど、黙ってもらってるわ』

『バレてるって誰に?』

『ここの領主とプログレス市長と私のいたところの研究員は知っているわ』

「え?いやいや、え?この人達知ってるの?」


 思わず日本語じゃなくなっちゃった。

 大分この世界の言語に慣れてきたみたいだね。

 それは嬉しいけど今はそれそどころじゃない。


『ギルマスは知らないわ』

『あ、気を付ける。他は?』

『後は──』

「わからない言語で話すんじゃな~い!」

「東和国語だよねぇ。2人共ペラペラだぁ」

「聞き取れなかった……」

「設定、機密、貴族。あぁシェイル・ス「ストップ」……っわかった」


 黙っていなさいね、という無言のオーラを感じる。


「貴族?あぁ、シェイルが貴族だってことは知ってるよぉ」

「!!??」


 あ、シェイルが凄いビックリしてる。


「サンレイズのギルマスに聞いたんだよぉ」


 父様……と頭を抱えるシェイル。可愛い。


「これ、東和国語で話す必要ある?」

「……無いかもね」


 こめかみを押さえながら言うシェイル。

 情報が漏れないように気を張っていたのに、相手はとっくの昔に真実を知ってたんだもんね。


「ちなみに、どこまで知ってるの?」

「えっとぉ、シェイルが元貴族で氷雷の戦姫だって事とぉ、人間じゃない事とぉ、転生者だって事」


 シェイルが沈む。

 何て重要な事話してんの当主さん!


「後ぉ、シェイルが王子さん達に自ら接触してる理由も知ってるぅ」


 シェイルから?王子達からじゃなくて。

 頭痛がする、という風な顔からスッと表情が消える。


「そうなの?」

「えぇ、まぁね」


 あっさりと肯定するシェイル。

 身元がバレる危険性があるから権力者に簡単に近付くとは思えないから、高位貴族とかじゃないと知らないこと?

 うーん、わからん。

 というか単純にジェラシー。


「ふふふふふ。シェイルは心配性なんだよぉ」

「心配。……あ、もしかしてルト?」

「正解。罪人を収容する牢獄は教会の管理下にあるのよ。神殿長には簡単に接触できないから、様子を聞くのに次期神殿長に接触したのよ」


 それから地獄の始まりだったわ……、と黄昏るシェイル。

 シェイルも信者達に苦労してきたんだね。


「自分から牢に入れておいて心配するんだねぇ」

「シェイル。どうどう、落ち着いて」


 両手に思いっきり魔力を込め始めたシェイルを止める。


「竜車が壊れるだけじゃすまないよ」

「……そうね、自然破壊は止めておくわ」

「あれ!?私の心配はぁ?」

「する必要がどこにあるのかしら?」

「ひっどぉいぃ~!」


 心配しないのは多分ギルマスさんの実力信頼してるのもあると思うけど、言わないでおこう、と。

 だから睨まないで。

 可愛いだけで怖くないけど。



「…………長い時をたった1人で過ごして、同じ記憶を分かち合う事ができない。それがきっと、とてつもなく辛い事って予想だけがつく。……未来の私かもしれない。ちょっとだけそう思ったのよ」


 後半の言葉は聞き取れなかったけど、悪とは言えない背景の事を考えているんだろうな。


「じゃあ2人はシェイルが貴族だった頃に会ったんだ~」

「口外したら消すわよ?」

「魔力だけじゃなく殺気も感じるんだけど?」


 私殺されちゃうの?と呟く研究員(女)さん。

 記憶消去で勘弁してくれると思うよ。

 ……多分。


 他の研究員にも、良いわね?と視線を向けるシェイル。

 2人共コクコクと壊れた機械みたいに頷いていた。

 研究室の力関係がよく分かる。


「ミッドストリームに着くのにまだ時間があるから黒騎士さんが何してたか教えてよぉ」

「何やっても目立っちゃったから大抵は世間で扱われてるよ」

「そっかぁ」

「2年間一度も会わなかったの?」

「うん」

「えぇ、会ってないわ」


 物静かな研究員(男)さんがしてきた質問に答える。

 律儀に答えたことに視界の隅でショックを受けたような顔をする女性陣がいるけどスルーしておく。


「ニアミスはあったよね」

「あぁ、王都のダンジョンの時の事?」

「そう、それ」

「王都って事は……あぁ、シェイルが創った回復セットを売りに行った時の事~?」

「そう言えば、1度消えてた」

「良い顧客になりそうな黒騎士に接触していなかったな」

「シェイル……。解ってて行った?」

「スバルがダンジョンにいたのは想定外よ。まぁ苦戦する事は想定内だけど」

「想定されてたんだ……」


 僕が修行を始めてから1年くらい経った時の事だね。

 この国最難関とも言われている王都のダンジョンに挑戦したんだよね。

 その時、Bランクになっていて、一応ソロ攻略の許可が降りたんだ。


 王都のダンジョンは多フィールド型の200階構造。

 世界的にも最大規模のダンジョンの1つだったんだよね。

 僕がこけたのは61~70階層に広がる昆虫系ゾーン。

 あそこはどんな冒険者でも躓くよ。


「シェイルもやっぱり苦戦したの?」

「私はそこまで潜ってないわ。王都のダンジョンに入ったのは7歳の1回きりだし、7階層で標的(ターゲット)は討伐できたのよね」

戦乙女(ヴァルキリー)の時?」

「えぇ、あの時よ。

 その時に冒険者殺しの存在は聞いていたから、対策を練らないとスバルでも一筋縄ではいかないと思っていたわ」

「待って、待って、待って!!戦乙女(ヴァルキリー)!?」

「嘘!?」

「災害級の魔物なんだよぉ~!?」

「あぁ、そう言えば氷雷の戦姫が討っていたな……」


 皆一様に驚いてる。

 具体的に言うと、研究員(女)さんは語尾が伸びなくなった。

 物静かな研究員(男)さんはいつもより大きな声を出していた。

 ギルマスは語尾がいつもより伸びていた。

 寡黙な研究員(男)さんは黄昏ていた。

 と言うかこの反応を見る限り……


「言っちゃマズかった?」

「まぁマズいわね。討ったのはシェイル・ステラであってシェイルじゃないから」

「違う!そもそも戦乙女(ヴァルキリー)でしょ!?会ったらあの死のみのあの化け物を討ったぁ!?」

「そんな化け物だったんだ」

次から隔週更新に戻します

次は1/7の予定です

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