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神々の箱庭  作者: チャーリー フール
第1章  出会い
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7話 ありがとう

ブクマ、ポイント、感想、誤字報告お待ちしています

 そう言われたシェイルは、動揺して視線をさ迷わせ、スバルを困惑した表情で見る。


『今の君には一番やりにくいことなんじゃないかな?だから立派に罰にはなる。僕はそうしてくれたら嬉しい。Win―Winだし、なんの問題もないでしょ?』


 どやっといった感じに言うスバル。


 結局、シェイルは謝った後に、スバルにどう対応してほしかったのか考えていなかったのだろう。

 ストンと納得したように、コクリと小さく頷いた。


 ホッとしたような、緩やかな空気が流れる。


『って、え!?ど、どうしたの?』


 安心したからか、シェイルはポタポタと涙を流していた。


 許されなかったらどうしよう。

 どう償えばいいんだろう。

 会えなくて、謝ることすらできなかったらどうしよう。


 そういった心配が、無意識にシェイルの心を追い詰めていたのだろう。


 ただ、それは本人も気づいていなかったようで、あれ?と子首をかしげていた。


 しかし、こぼれた涙をぬぐって、


『ありがとう』


と言い、微笑んだ。


 許してくれてありがとう。

 罰をくれてありがとう。

 気遣ってくれてありがとう。


 色々な意味のつまったありがとうだった。


『では、お礼としてこの世界の事を教えさせて』


 右も左もわからないこの異世界について教えてくれると言うので、スバルは喜んでその話にのる。


『それは助かるよ。えっと……じゃあ、よろしく。シェイル』

『こちらこそ、よろしくね。スバル』




 空気が明るくなり、2人で笑い合う。


 と、その時、ドドドドドッという風に、廊下を走る音が聞こえてきた。

 次の瞬間、スバルとシェイルのいる部屋の扉が、バンッと音をたてて開けられた。


 ついで、異国語が聞こえる。


「シェイルぅ~!!」


 そこには、1人の青年がいた。

 緑の騎士服を着て、赤いマントを羽織った青年だった。

 そんな騎士服の似合う美形だった。


「父様……」


 スバルの隣でシェイルの呆れたような声がした。

 つまり、この人物はシェイルの父であると。


『へぇ~……若いね』


 ちなみにその青年は二十代半ばに見える。


『ちなみに28歳よ』

『シェイル、君いくつ?』


 この世界で、何歳の時に結婚できるのかは知らないけど、20歳って考えると8才で、15歳だと13歳で……。あと、結婚してすぐにシェイルが生まれたわけではない可能性もあって。

 ぐるぐると考えるスバル。


 ちなみにシェイルの見た目は、10才前後、落ち着いている様子からして十数歳である。


『10歳よ』

『10歳、かぁ~』


 この落ち着き様はこの世界の標準なのか、転生者ゆえの貫禄のようなものなか。

 この世界を知らないスバルには、判断の難しいところである。


 その心情を察してか、シェイルが補足してくる。


『ちなみにこの世界での成人は15歳。貴族社会で10歳は、社交界デビューの準備を始める時期ね』

『せつめいありがとうね、シェイル』


 つまり、シェイルが大人びている、ということであった。

 デビュー準備期の貴族令嬢がこんなに落ち着いているわけがない、と考えるスバルであった。


 シェイルは前世の記憶持ちだから落ち着いているのは普通なのだが、そういうことを思い出せないほどには混乱しているスバルであった。

 まぁ、ほんわかしている部屋に行きなり乱入者が来れば、普通は大なり小なり驚くだろう。


「それで、どうされました?父様?」

「シェイルが見知らぬ男を部屋に連れ込んだと、エルから報告があって!」

「…………」

『……連れ込んだって……』


 あの門番からの報告には語弊があるようだ、と考えるスバル。

 そのスバルの前では、無言で頭痛をこらえるシェイルが、額に手を当てていた。


 ため息を飲み込んだシェイルは


「父様……。少しお話ししましょうか……」


と言った。


「そうだな」


 鷹揚に頷いたシェイルの父はスバルを睨んでから、背を向け部屋から出ていく。


 「ん?」とシェイルが呟き眉を潜める。


「父様?まだお昼過ぎなのですが……。まさかとは思いますが、報告を受けてすぐに、仕事を放り出してギルドから帰ってきたりなどしておりませんよね?」

「あ……いや。その……」


 綺麗な顔に般若を従えた笑みを浮かべて聞くシェイル。

 放り出してきました、という答えにステラ邸に雷が落ちた。


 そんな中、ギルドっていかにもファンタジーだな、と呑気に思うスバルであった。

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