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神々の箱庭  作者: チャーリー フール
第3章 再会
77/99

5話 把握

シェイル視点です

「嬢ちゃん!この間言ってた試作品、納品されたぜ!」

「後で確認に行くわ!──それで、この資料はあそこの棚に置いておいて」

「はい!」

「シェイル~!ギルドから注文依頼!」

「読み上げて!」

「了解!

 初級ポーション100本

 中級ポーション20本

 上級ポーション5本

 付加剣(エンチャントソード)火、風、雷1本ずつ!

 範囲回復魔道具2つ!

 後、長距離移動用の魔導車1台だよ!」

「ポーションは専門外だと言ったはずよ!」

「でもできるだろって~!」

「あぁ、もう」


 小さく息をついて指示を出す。


「ポーションは明日中に納品するわ。ストックを出しておいて。補充分は私が創るわ。

 倉庫から剣と馬車を出しておいて。今日中に改造をしておくわ」

「剣は持ち主の物に付加(エンチャント)して欲しいって!」

「納品は?」

「もうきてる~」

「わかったわ。確認と一緒に取りに行くわ。今日1日、私の作業は凍結。ひとまず……」


 冷たく部屋にいる全員を睥倪し、一言。


「片付けなさい」

「「「はい!!」」」


 これで漸く散らかった部屋が片付くわね、と私、シェイルは一息つく。


 2年前にスバルと別れてプログレス市に移住した私は、研究をし、片手間にギルドの備品の納入を担っているわ。

 便利な魔道具を研究・開発・改良をしているから、色々注文が入るようになったのよ。

 お陰でこの忙しさ。


 さて、まずは納品された試作品を見に行きますか。

 この2年間でいろんな物を創ったわね。


 車両、家電類は相当種類が増えてきたと思うわ。

 水準としては中世から近世の辺りかしら?


 今開発しようとしているのはIC系。

 パソコンはもう完成して、タブレットも回路はできているわ。

 スマホはまだ設計図の段階ね。


 それとは別に、今創っているのは銃と火薬。

 火薬は割合を知っていたから比較的簡単にできたわ。

 弾と本体は知っているモデルを片っ端から描いたわ。

 そこから弾の装填、反動、音、速度、威力を調べるために試作品の作製を知り合いに依頼したの。

 原型は私が創って改良を頼んだだけだけどね。


 受け取った目録と納品された物を照らし合わせていく。

 銃本体は改良が何パターンかあったから全部で10丁。

 全部あるわね。〈空間収納〉へ。

 後で倉庫に入れなきゃ。実験できるのは明日以降だもの。


 弾は……


「シェイル~、王子さん達来てる」

「忙しいから面会謝絶」

「もう無理、来てる」


 ぐしゃっと目録が手の中で潰れる音がする。

 あっ、しわをのばさなきゃ。


「シェイル!来てやったぞ!」


 お呼びでないわ。


 弾は12個1ケースで10ケース、と。


「シェイル、今日こそ」

「無理よ」

「まだ何もいってない!」

「今日も1日手が空かないわ」

「シェイルの手を煩わせる奴等等消滅させてくれる」

「やめなさい」


 10ケース、全部あるわね。これも〈空間収納〉に仕舞って。

 後は剣ね。

 置いているのは……


「シェイル、主の願いだ、頼む」

「だから無理」

「はいはい、判りましたか~?王子さん方。シェイル今忙しいの~」

「頼むから!寝てくれぇ~!」


 因みに絶賛五徹目よ。


 人物紹介をしておきましょうか。

 最初に声をかけてきたのが、ルーカス・ベルンハルト・リペイズドラン。

 リペイズドラン、でお察しの通り、この国の第1王子よ。

 燃え盛る、という比喩が正しく似合う赤い短髪に、紺色の瞳を持つ、俺様のイメージを体現した青年。


 その次に呼び掛けたのが、ノア・ミィシェーレ。

 この国の神殿をを統括する神殿長の息子で、時期神殿長よ。

 ふわふわの銀髪に、薄い水色の瞳は、小柄な体躯にしては年不相応の落ち着きがあるわね。


 その次の危険発言をしたのが、ニコラ・デュボア。

 歳少年魔術師長よ。要職についているのだから落ち着きを持って欲しいわ。

 異世界人ではないけれど、漆黒の黒髪に、レモン色の瞳を持つ、この4人の中で最年少の少年よ。


 で、最後に頼んできたのは、アラン・マーティン。

 ルーカスの騎士であり、騎士副団長で、この中で最も常識人よ。特筆すべき点ね。

 淡い色の金髪に碧いろの瞳を持つ最年長のお目付け役よ。


 うん、権力の塊ね。

 後、彼らは私の求婚者っていう話もあったりするけれど、あれはデマね。

 正確に言うなら……あれは信者ね。自分で言うのも恥ずかしいけど。


「ポーション作りと付加(エンチャント)が終わったら仮眠は取るわよ」

「シェイル!寝ろ!」

「暫く無理ね」


 ルーカスの言葉をスッパリ切って立ち上がる。

 うちの研究所の問題児が片付けとかの身の回りの事をできるようになればねぇ。


 流石にあの部屋はひどかったわ。

 と、私は書類や実験道具が散らかった先程の部屋を思い出す。


 ……あの人達に片付けできるかしら?

 前させた時は──。

 だ、大丈夫、きっと大丈夫よ。

 前に片付けのマニュアルは渡したもの。


 ふっと、足の踏み場のないほど散らばった紙と、机の上を占領する乱雑なガラス器具、溶液のこびりついた流しが頭に浮かぶ。


 …………さっさと作業を終わらせて研究室へ戻るべきね。


 じゃあポーションを作っていきましょう。

 普通のポーションは薬草を煮詰めて作るのと、錬金術、錬金魔法で作る方法との2種類があるわ。

 私の場合はユニークスキルを使って作るけど。


 私のユニークスキル〈創主〉は、”武器創造””武具創造””薬品創造””異世界物品再現””属性付加””魔法付加”の6つの機能があるわ。


 ”薬品創造”メニューからポーション類を選択。

 初級ポーション100本、中級ポーション20本、上級ポーション5本だったわね。

 初級は在庫が多いから追加は50本で良いでしょう。

 中級も10本ね。

 上級は高級品だからストック分は滅多に作らないのよね。これは5本、と。


 このスキル、自分で言うのも何だけど、とんでもないチートよね。

 何の材料を用意せずとも作ろうと思えば作れるもの。

 まぁ流石にエリクサーとかは材料が必要だけど。

 後はもう自動でできるわね。


 じゃあ付加剣(エンチャントソード)の方に移りましょう。

 こちらも簡単。

 〈創主〉で”属性付加”すれば完成。

 ”属性付加”メニューから火を選択。

 次いで、風と雷もスタンバイ。


 こちらも自動。

 一度創った事がある物は全部自動でできるのよね。

 その分最初は自分で創らないといけないし、技術も向上は中々しないわ。


 ポーションが全部できるのは30分後くらいね。

 メニューから作製を設定した時に表れた、モニターを見て確認する。

 付加剣(エンチャントソード)は1本1時間。

 3時間は仮眠がとれるわね。


 連日の実験作業や論文確認で疲れていたのか、気付いたらもう3時間経っていたわ。


 ポーション、初級50本、中級10本、上級5本。

 しっかりと小瓶の数の確認をする。

 よくイメージであるような、手のひらサイズの透明なガラス瓶を〈空間収納〉に仕舞っていく。


 付加剣(エンチャントソード)は回路確認も必須ね。

 魔力を少し込めて、しっかり機能する事を確認する。

 よし、これもOKね。


 さて、さっさと研究室に行かないとね。

 心配だわ。

 そう思いながら扉を開ける。


 …………。

 ……察していたとはいえ、はぁ。


 そこには先程よりもさらに足の踏み場のない。床が紙で白くなった研究室。

 そして片付けを放り出して、思い思いに研究にいそしむ研究員(バカたち)


 彼らに雷が落ちた。

 と言うより落としたわ。

 比喩なんかじゃなく、物理で。


「全く。片付けをしなさいと言ったのに」

「ごめんね~」

「つい」

「スマン」


 結局、私の監修の下で片付けをする事になったわ。

 私がこの研究室を離れたらここがゴミ屋敷になりそうだわ。


「もうすぐ約束の2年になるのに、どうするつもりなの」


 研究員の内の1人が溜め込んだ新聞を綺麗にたたんで重ねていく。


「やっぱ行っちゃうの?」

「残らない?」


 その1つの記事に目が止まる。

 今日の日付が1番上に刷られている紙面。

 それの1枚丸ごとを使ったページ。

 このページは私が貰おうかしら。


「先約だもの」


 その見出しには、大きく『アキヤ・スバル独占特集!』とあった。


 ふふ、と私は笑う。

 有名になったわね、スバル。

冬季特別更新をします!

今回は3日に1度の更新にします

次回の投稿は12/27の予定です

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