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神々の箱庭  作者: チャーリー フール
第2章 はじまり
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51話 約束

前話との文字数の差がひどいです……

 生きていて欲しい。


 その言葉が、胸に染み渡る。


「当主さんや、エディ婆から、シェイルが侍女さんを蘇生させた後や、冒険者を救えなかった時に、自責の念に押し潰されかけてるって聞いたんだ」

「……」

「ねぇシェイル。シェイルは悪い方向に囚われすぎなんじゃない?」


 悪い方?

 首をかしげてしまう。


「侍女さんは言ってたよ。二度も助けてくれて嬉しいって。侍女さんは恐怖とかじゃなくて、心から仕えてくれてるんだよ」

「……」

戦乙女(ヴァルキリー)人造悪魔(キメラ)との戦闘の時の生き残りの冒険者達はこう言ってたそうだよ。シェイルがいなかったら、自分達は死んでいた。命の危険は冒険者には付き物だって」

「……ぁ」

「店主さん達は、自滅しにいったも同然の自分達が、また前までと同じように過ごせるのが奇跡みたいだって、喜んでいたよ」

「っ……ぁ」

「当主さんも奥さんも、侍女さんも門兵君も、エディ婆も、店主さん達も他の皆も。もちろん僕も、シェイルが目を覚ますのを待ってたんだよ」

「っ……」


 涙が、次から次へとこぼれ落ちてくる。

 忘れていた。


 4歳の時、力を暴走させた後、私とセクルはしっかり話し合った。

 ごめんなさいって、壊れた機械のように言っていたわ。

 セクルは許してくれた。

 主従であり、友人だ、と言ってくれたわ。


 戦乙女(ヴァルキリー)と戦った時、あそこにいた人員は全滅していたかもしれない。

 でも、大半が生き残れたのは私のお陰だ、ありがとうって言われたわ。


 人造悪魔(キメラ)と戦った時、その場にいたものは全滅し、あちこちに被害が出ていたかもしれなかった。

 討伐ができてよかったと、死んだ奴等も思ってる。

 安心して成仏させてやれって言われたわ。


 盗賊団を壊滅させた時、間に合わなくて救えなかった父を持つ子供達に、助けてくれてありがとうと言われたわ。

 盗賊団の頭に、最後に、殺し(助け)てくれてありがとうな、と言われたわ。


 奴隷達が、ダンジョンで盾役として使われていた時、生き残りの人達に、守ってくれてありがとうと言われたわ。



 全員、私を攻める事ができるのに、皆、そうじゃなくて感謝していた。

 確かに、私は悪い方しか見ていなかったのかもしれないわね。


 ずっと泣き続ける私に、スバルは困ったような顔をして、肩を貸してくれた。


 暖かい。

 ふっと体の力が抜けた気がしたわ。


 10分ほどそうしてたかしら。

 漸く情緒が安定した私は、スバルに謝り倒していたわ。

 服を濡らしてしまったんだもの。

 火と風の魔術で、急いで乾かしたわ。


「大分元のシェイルに戻ってきたね。じゃ、改めて、おはよう」


 スバルがにっこり笑って言う。

 私もそれに笑って答える。


「おはよう」


 2人で笑い合う。



「じゃあ、そろそろ話したい事話そうかな」


 話したいこと?


「僕の今後の事。僕ね、冒険者になって、修行の旅しに各地のダンジョン巡りをしようと思うんだ」

「どうしたの、急に」

「強くなりたいんだ」


 スバルの目には、強い意思が光っていた。


「そう。……スバルは十分強いと思うけれどね」

「もっと強くなりたいんだ。……だからさ……できれば、待っていて欲しいんだ」



 スバルには、綺麗な私を見ていて欲しかった。

 幻滅されたくなかったわ。


 ありのままの私を見せるのが怖かったの。


 でも、スバルは全部受け入れてくれる。

 それが、とても嬉しい。


「喜んで待っているわ」


 言葉に出して伝えようと、声を出さなくても良い。

 伝えなくても伝わる。


 私も貴方と同じ気持ちです、と。


 繋いだ手が、離しがたい温もりを持っていたわ。

はい、ハイスピードでくっつきました

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