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神々の箱庭  作者: チャーリー フール
第2章 はじまり
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45話 事件-最後の一人-

ブクマ25件ありがとうございます!

──あと1人。そろそろゲームも閉めましょう、マール公。


 そう言いながら、おばあちゃんの結界の中にいる人物に話しかける。


「それには賛同ですね。では、妖精の守人の最後の1人、創始者(ファウンダー)も参加させていただきましょうか」


 私の呼び掛けに応える声。

 これで最後。

 彼さえ倒せばゲームは終わり。


 そう考えながら身体中に込めていた力を抜き、神力を霧散させる。

 神力が抜けた事により痛みが主張してくる腕を抑える。

 筋が何本かイッてるだけね。


 「光の癒し」を施して回復させる。

 それでも体の怠さは抜けない。

 さっさと終わらせるべきね。


「アンジェ。下がってて」

「ちょっとシェイル!?」

「大丈夫よ。それに干渉の際に負荷を大分肩代わりしてくれたでしょう?アンジェの方が休憩が必要よ」

「……わかったよ」

「後で大仕事手伝ってもらうから、しっかり回復しておいてね」

「うん、いってらっしゃい」


 1つ息を吐いて意識を切り替える。


 メカルト・マール。

 彼は魔法と精霊術を使った戦闘のはず。

 そこは私の得意分野でもあるわ。


 静かに体中に力を込めなおす。

 青白い光の放電が走り、耳元で弾けるような音を鳴らす。

 空気は急速に冷えて、氷の世界が顕現する。


 対して彼は、白い光を纏い、光球を幾つも宙に浮かべている。

 その付近には、赤、黄、青など、様々な色の小球。

 そういえば、彼は非常に珍しい全属性適正持ちだったわね。

 相対するならステータスも調べておきましょうか。


 名前:メカルト・マール

 年齢:600歳

 HP:6000/6000

 MP:8000/8000

 戦闘スキル:〈片手剣の鬼才〉〈探索〉〈五感強化〉〈魔闘法〉〈統率の鬼才〉〈物理攻撃耐性〉〈魔法攻撃無効〉

 演算スキル:〈HP自動回復〉〈MP高速回復〉〈思考加速〉〈並列思考〉〈魔力制御〉〈魔法付与〉

 生活スキル:〈全言語理解〉〈火炎耐性〉〈大地耐性〉〈疾風耐性〉〈流水耐性〉〈雷光耐性〉〈氷結耐性〉〈樹木耐性〉〈重圧耐性〉〈呪耐性〉〈鍛冶耐性〉〈大空耐性〉〈奇跡耐性〉〈濃闇耐性〉〈魅了耐性〉〈静寂耐性〉〈痛覚無効〉〈交渉〉〈範囲多重結界〉〈空間収納〉

 固有スキル:〈精霊眼〉〈領主〉

 ユニークスキル:〈精霊術─光の子〉

 習得魔法:火:【火】【火炎】

      土:【土】【大地】

      風:【風】【疾風】

      水:【水】【流水】

      雷:【雷】【雷光】

      氷:【氷】【氷結】

      木:【木】【樹木】

      重:【重】【重圧】

      毒:【毒】【呪】

      芸:【芸】【鍛冶】

      空間:【空間】【大空】

      光:【光】【聖光】【奇跡】

      闇:【闇】【濃闇】

      心:【心】【魅了】

      無:【無】【静寂】


 何ともまぁ、綺麗なステータスね。

 完全に魔法特化型。

 魔法に関しては舐めてかかれなさそうね。




 別に、合図があったわけではない。

 誰かが声をあげたわけでもない。

 ただ、呼吸があったのかのように、同時に魔術と魔法を放つ。


 私の氷と、彼の光球がぶつかり、真昼のように空を明るく照らす。

 私は続けて準備していた魔術を使う。


「氷龍、雷龍」


 氷と雷の龍が、両脇の魔法陣から現れ、マール公に向かう。


「氷弾、雷閃」


 それに続くのが氷の礫と雷の刃。

 息をつかせる間も与えず放つ。


 これに耐えられる魔物はほとんどいないわ。

 なのだけど、


「やれやれ、()()痛かったですかね」


 マール公はあっさり煙の中から出てくる。

 傷一つないわね。

 それと少々と言うのは嫌みかしら?

 〈魔法攻撃無効〉は伊達じゃないわね。


「では、次はこちらからです」


 空中に浮かんだ光球が目にも止まらぬ速さで迫ってくる。

 私の目には止まって見えるけれどね。


 〈範囲多重結界〉の“魔法結界”に神力を加えてパワーアップさせる。

 私の半径2mにできた結界に当たり、次々に爆散していく。


 元々光属性は癒しの属性で、破壊は闇属性なのだけど?

 結界がガリガリと削られているから、逆回復効果ね。


 結界を解除し、羽根を使って上空にふわりと避ける。


「小手調べはこれくらいで良いでしょう」

「賛成ね」


 幾つもの魔術と魔法の乱舞。


 それは空を照らし、石畳の上で爆ぜ、数多の瓦礫を生産し、地を抉り、空気を焦がし、街を白く染めたわ。

 止まらぬ魔の応酬。

 でも、長期戦では私の方が有利だわ。


 魔術、魔法。

 それは共にMPを消費するもの。


 でも、私は決してMPを消費しないわ。

 それが私のMPが∞の理由。


 MPは、魔力を放出し、体外に出すことで消費とする。

 体外に放出して魔法を放った後に、魔力は空気中に霧散してしまうもの。


 でも、私は違うわ。

 術式と回路を組み合わせた物を、体に埋め込んでいるから、放出した魔力を体内に還元できるの。

 術式というのは回路、つまり魔法陣が文字列化したようなものよ。


 魔力が体内に還元されるのであれば、MPは減る事がない。

 そして、空気中を漂う魔力さえ吸収できるからこその∞。


 彼の魔法すらも利用できる無限の私と、有限のマール公。

 経験という圧倒的な差があっても、長期戦に持ち込めば、私の方が優位なのよ。


「そろそろ終わりかしら?」


 最後の彼の切り札。

 それの対策も完璧だもの。

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