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神々の箱庭  作者: チャーリー フール
第2章 はじまり
52/99

40話 事件-シェイルの力-

スバル視点です

 最初の魔術2つで兵士(ソルジャー)は片付いた。

 物凄く、簡単に。


「じゃあ、順番に行こうかしら。セクルを殺したのは誰?」

「…………」


 誰も答えない。

 隠そうとして答えないんじゃない。

 答えれないんだ。

 シェイルの気配に圧されて。

 僕が知っている誰よりも濃く、暗い、濃密な殺気。


 シェイルは終始、人形のような整った笑みを浮かべている。

 それが逆に怖い。

 恐怖を掻き立てる。


 侍女さんは、確か、あの弓使いが──。


「そう、貴女なの」


 シェイルはそう言うと、弓使いを氷像に変えた。

 多分、一瞬で絶命したと思う。


 でも、驚くのはそこじゃない。

 ()()()()()()使()()()()()()()()()()()

 勿論僕もだ。


 そんな疑問すら読み取ったように、いや、読み取ったのだろう。

 シェイルが口を開く。


「疑念が多いわね。じゃあ特別に教えてあげるわ。答えは簡単。貴方達の心を読んだだけよ」


 ざわり、と空気が揺れる。

 皆動揺しているんだろうね。


 そういえば前、心が読める、何て事言ってたっけ。


「次はエル。……そう、貴方ね。じゃあさよなら」


 また1つ、氷像が増える。


「店主さん達は……そこで倒れている人ね」


 また1つ。


 妖精の守人の構成員達は強い。

 僕や侍女さんや、門兵君が相手取る事はできる。

 でも、店主さん達や、侍女さんや門兵君すらも殺せる程度には。


 でも、シェイルの足元には全く及ばない。


 まるで、赤子の手を捻るように、いとも簡単に殺していく。

 次元が違う、というのはこういう事を表すんだ。


「終わり?つまらないのね」


 存外弱いのね、と煽るシェイル。

 安い挑発ではあるけど、それが感に触れた妖精の守人の構成員がシェイルに向かっていく。


 シェイルは、彼らを避けもせず、ただ凍らせていく。

 氷の攻撃を抜けた奴がいても、雷が落ちてきて、そいつを焼いた。


 誰1人、シェイルに触れることすらできていない。


対魔(バリアオブ)術結界(ウィッチクラフト)!」


 1人が叫ぶ、と同時に街が薄いシャボン玉のような半透明の膜に覆われた。


 対魔術?

 え、それって──!


「あなたは魔術とやらを使うのでしょう!主様の手掛けたこの結界の中であなたは無力です。大人しくしなさい!」


 シェイルの魔術を封じるって。

 しかもシェイルの得意な武器は弓。

 遠距離攻撃専門のシェイルは得意の分野を封じられたって事!?


「ふーん。確かにその術式厄介ね。簡単には解けなさそう」

「当然でしょう!いいから大人しく──」

「ねぇ、もしかして、の話なのだけど……私の戦闘スタイル、魔術と弓だけって思ってない?」

「それは──」

「思っていたようね。でも私、別に魔術封じられた位じゃ、ちっとも弱くならないのよ。残念だったわね」


 ニッコリと笑って、正面で手を組み合わせるシェイル。


「いろいろ手段はあるのだけど、時間がないからこの手を使おうかしら」


 そう言い、シェイルは目を閉じて、一言呟く。


「神力解放」


 僕が〈世界の図書館〉の“文書記録”を鑑定しても不明としかでなかった力。


 視界が真っ白の光で塗りつぶされた。




 そして、そこには、白く長い髪をたなびかせ、赤と青のオッドアイを持ち、背は伸び、純白の服を着て、幼さの消えた、圧倒的な雰囲気を持つ美女がいた。

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