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神々の箱庭  作者: チャーリー フール
第2章 はじまり
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38話 事件-妖精の守人の長-

今回もちょい長めです

戦闘シーンて、戦闘シーンて難しい……!

はい、拙い文です

それでも楽しんでいただけると何よりです

 あぁ、もう!

 完全に殺せたの10人位じゃん。

 これもうほんとにピンチだよ。

 折角こつこつ削ってたのに、1からやり直しだ。


 広場には、僕に対して殺気をぶつけてくる人で一杯。

 わぁ、迷惑。

 というかほんとにどうしよう。


「あぁ、お前等ストップ」


 は?

 え、何?喧嘩少年。

 今にも僕に攻撃してきそうな鬼達止めたよ。

 何がしたいの?


「オレが殺りたい」


 喧嘩少年は、そう言ってニッと笑った。


 喧嘩少年は実に好戦的な性格でした!

 あぁ、でも彼を殺っとけば、他の鬼達への牽制になるかな?

 実力主義は絶対的みたいで他の鬼達がスッゴい素直。


 喧嘩少年が自分の剣を召喚する。

 バスタードソードのような、柄が長く、左右に広がっている鍔には、蔦の彫刻が施してある。

 全体的に紫色をしたその剣の刃は、薄く広がっていて、淡い紫色の刀身は微かに光っているようで、薄暗くなった今でもはっきり見える。


 一目で見てわかるほど危険な剣だね。

 魔剣は初めて見たよ。

 ま、僕の刀もそう易々折れたりするような物じゃないけど。


 僕も、喧嘩少年も、武器を構える。

 切り込む隙を慎重にうかがう。


 呼吸のタイミング。

 視線の動き。

 心臓の音。

 体の軸。

 力の入り方。


 どれ1つ乱してはいけない。


 同時に地面を蹴り、剣を振る。

 僕は右から、喧嘩少年は上から斬る。

 体勢はできる限り低くして、向こうの剣が届く前に胴を薙ぐ!


 キィーンと金属のぶつかり合う音。


「──っ!」


 同時に手首に走る痛み。


 いつの間にか喧嘩少年の左手にはもう一本の、赤い剣が握られていた。


「魔剣は1つじゃ無いんでね」


 次々と飛んでくる斬撃を1つ1つ丁寧にさばいていく。

 ここで焦ったら確実に一撃もらうからね。


 これ嘗めてかかっちゃダメなやつだね。

 僕とここまで斬り合えるのって当主さんくらいだよ。


「へぇ、俺とここまで対等にやれるって。やっぱスゲェな」


 はいはい、お褒めいただき光栄だよ。

 バトルジャンキーめ。


 というか気になってたんだけど。


「僕を殺す気で殺っていいの?領主さんは僕が欲しいんでしょ?」

「そこんとこは心配無用だぜ。ルトの奴が蘇生の魔術具用意してっから」


 え、それほんと?

 魔術具って、今の魔道具より優れた古代の遺産なんだよ?


「わぁ、大奮発。全然嬉しくない」

「ま、これで遠慮なくやれるって訳だ。──召喚、属性魔剣─氷牙」


 魔剣3本目ー!

 絶対15属性コンプリートしてるでしょ。


 でも、氷属性は悪手だったね。

 氷は訓練の時に嫌ってほど見てるからね。


 僕ももう手加減なんてしないよ、ケンゴ。


「本気で行くよ【火壁】【火砲】【火弾】!」


 残りのMPほとんどつぎ込んでやる!

 【火壁】で回りを囲んで退路を無くし、【火砲】で目眩ましをして、本命の【火弾】を紛れ込ませる。


 うっわ、火を全部凍らせた!?

 シェイル並に力強いんだそれ!


 まぁ、問題は特になーし。

 【火弾】撃った後に、止めを刺すために走り出してたもん。


 ケンゴの反応速度は早い。

 でも、周囲の火を凍らせるために振り抜いた剣を防御に回すには時間だ足りないよね。

 そんな隙逃すわけなじゃん。


「げ、ヤベッ」


 ケンゴが気付いて体勢を建て直そうとする。

 でも、僕の方が速いっ。


 そのまま斬りつける。

 結果、ケンゴの腹部を軽く切り裂く。

 でも、それだけ。


 え?もっと深く切り込めたはずなのに。

 カクンッと体の力が抜ける感覚。


 あ、これ魔力が切れたときの感覚。

 嘘、まだ余裕はあったはずだよ。


 取り敢えず〈魔闘法〉をオフにする。

 HP吸われちゃたまんない。


 MPが空になったら、代わりにHPを消費して、HPが無くなったら当然死んじゃう。

 だからその辺は気を付けておかないといけないんだ。

 って、そんな事言ってられない。

 今戦闘中だよ。

 そう思うのに、力の抜けた体は簡単に地面の上に伏してしまう。


「トウヤッ、テメェ!」


 ケンゴの怒りに満ちた声。

 あ、納得。

 僕回復役君に逆回復させられたんだな。


 ドカッていう音がして、人の呻き声と倒れる音。

 ケンゴが回復役君を沈めた音だろうね。

 顔上げなくても想像が付く。


「あ~あ、冷めちまった。まぁ、これでゲームは終わりな」


 正面、上の方から声が降ってくる。

 次いで、ヒュッと剣の振り下ろされる短い音。


 あ、ダメだこれ。

 最後に一筋の夕日が消えていくのが霞んだ視界に映る。

 何か、今の状況と同じだ。


 あぁ、シェイルにおかえりなさいって言えなかったなぁ。


 いつまでたっても痛みが来ない事に違和感を感じていると、手に冷たい何かが触れる感覚がした。

 ……雪?

 こんな時に思い浮かべるのはたった1人の少女で。


「あら、残念ね。楽しそうだから私も混ぜてもらおうと思ったのに」


 ──え?

 え?いや、だって帰ってくるのはまだ後一週間近く後のはずじゃ……。


 ほとんど動かない体に鞭打って、やっとの思いで顔をあげる。


 真っ正面に、1番最初に目に映るのは、胸から血に濡れた氷の矢を生やすケンゴ。


 そして、僕が誰よりも会いたいと願う、白髪の少女。

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