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神々の箱庭  作者: チャーリー フール
第2章 はじまり
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34話 事件-警戒-

エディ婆視点です

 嫌な予感がするのぅ、と我エディは考える。

 バカ領主がスバルを捕らえるためだけに始めたゲームの開始から、20時間は経ったのだからな。


 はっきり言って、化け物じみた体力と戦闘力を持つあやつ等じゃが、1日中戦い続けられるわけがなかろうて。

 そろそろ限界のはずじゃ。


 そしてもう1つ。

 我が足止めされているこの広場に、ぽつぽつと妖精の守人の構成員共が集まってきている事じゃ。

 ここで何かしようとでも言うのか?


 我が拠点にするように言っておいた我の店も爆破されたようだしの。

 あやつ等は今後鎧なしで戦うようなものじゃ。


 1人で行動しているエルの方も気になるのぅ。

 我が単独で結界を張り続けなければならぬから、待ちの様子を探る余裕すらないのじゃ。

 情報は一切入ってこないのだからな。


 1つ息を吐いて昨日の事を回想する。


 昨日、いつも通り露店の店番をしておったら、巨大な魔の動きを感じたのじゃ。

 慌てて上空の魔方陣から広場を守るように結界を張ったのじゃが、威力が異常なまでに強く、並列存在の全エネルギーを吸い尽くしてようやく中和させる事ができたのだからのう。


 あのまま魔法を打ち消す事ができなかったら、広場に居た住民の骨すら残らなかっただろうのぅ。

 それ程の大火力だったのじゃ。


 ノアンティクにいる我が転移でそちらに向かい、広場や周辺に居た住民をある程度広場の中心に避難させていると、我にも襲撃があったのじゃ。

 もちろん秒で沈めてくれたがの。


 そして、我に個人念話が入ったのじゃ。

 あやつも器用なことをやりおる。

 その者が言うには、ゲームをする、と。


 狙いはスバル。

 そして、我は参加するな、とも。


 ゲームになりませんから、とそやつは笑っておった。

 当然じゃろう。

 我がそんなことを許すものか。


 しかし、状況が芳しくなかったのも事実。

 止む無く条件を飲んだのじゃ。

 拒否したら折角避難させた住民が焼かれていたであろうからな。

 すまんのぅ、スバル。


 唯一助かっている事と言えば、暴動が起きてないことくらいかのぅ。

 不安は極めて伝染しやすいのじゃ。

 いつそれが爆発するか、わかったもんじゃないからのぅ。


「婆さん」

「何じゃ」


 後ろから声をかけられる。

 人影は3人。

 有名な店主3人組共じゃな。


「俺も参加するぜ」

「おぅ。スバルだけに迷惑かけるわけにゃいかねぇからな」

「腕には自身がある」


 ちらりと後ろを見ると、真剣な目をした3人と目があった。

 決心した目じゃな。

 だが


「だめじゃ」

「何でだ!」

「お主等は確かに強い。だが、それは普通の住民と比べて、じゃ。戦闘の本職であるあやつ等とは天と地程違う」


 お主等を無駄死にさせるわけがなかろうて。


「そう言うと思ったぜ」

「わかったならさっさと……」

「なぁ、婆さん。これ何だかわかるか?」


 後ろを振り返りそれを視界に納める。

 店主の手にあるのは、ビー玉ほどの石。


 見覚えがあるのぅっ。


「よさんか!」

「やっぱわかったみてぇだな」

「シェイル嬢ちゃん特製、魔法無効の魔道具」

「止めぬか!」


 慌てて制止するも遅く、3人は結界の外に足を踏み出してしまった。

 我が守れるのは結界の中の住民だけ。

 結界の外に出てしまっては過干渉になる。


 苦肉の策で、自らの〈空間収納〉から、ある白い羽根を3枚取り出す。

 それを3人に向かって投げる構えをして。


「天使の加「だめですよ」…っ!」


 しかし、後ろからひょい、と羽根を奪われてしまう。

 犯人はわかってはいるが、反射的に振り返ってしまう。


「ルール違反は認められませんよ」


 キッと睨むも相手にされぬ。

 楽しげに笑いながら流されてしまう。


「バカ領主が……」

「おや、酷い言われようですね」


 犯人はメカルト・マール。

 つまり、広場にいる住民は、領主に見張られているという事なのだ。

 そして、同様に我も見張られている。

 余計な手助けをしないように、と。


「随分と目立つ愚策をとったの」

「愚策も上手く隠せば良策になる物ですよ」

「どうであろうな。──お主はいったい何が目的なのじゃ」


 ふとした疑問。

 それを問いかけた事を少し後悔してしまう。


「……さぁ、どうしてでしょうね」


 終始浮かべていた笑みが消えおった。

 冷たい、何もない表情。

 ゾッとする瞳。

 何を考えているのか全くわからぬ。


「それより良いのですか?彼らの頑張りをご覧にならなくて」


 緊迫感は一瞬で崩れる。

 こやつ、目的を見失っておるのか?


 いや、それどころではないな。

 店主共の様……子。


「あ……」


 ……終わっておった。

 3人の近くには倒れた妖精の守人の構成員が1人。

 そして、同様に3人も倒れ伏しておる。


 大方、3人がかりで何とか1人は倒せたが、その後袋叩きに合ったといった所だろう。


 1人が苛立ち紛れに店主達を蹴りつける。

 他の物も追随する。


 結界の中からでは、止せ、止めろ、と声をかける事も、いたぶるのを妨害させる事もできない。


 止めのように、エルやセクルが引きずられてきた。

 全員、負けてしまったか。


 戦況は最悪の一言じゃな。

 今のスバル陣営は、スバルただ1人。

 味方が1人もおらぬ。


 お主ならこの状況をも一変させれるのかのぅ。

 のぅ、シェイル。

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