27話 事件-ゲーム-
は?何?
て言うか誰?
いきなり何さ。
全くもって意味わかんないけど、殺気には殺気を返す。
これ鉄則。
重要な事だよ。
という訳ですぐさま戦闘体制に入る。
そうして僕が動く、よりも先に動く人がいた。
というより人達。
「エル!」
「わかっております。セクル様!」
「え?2人とも!?」
侍女さんと門兵君の2人。
侍女さんが声をかけるとほぼ同時に門兵君が声がした方に走り出す。
侍女さんの方は、僕の服を引っ張ってノアンティクに戻る。
「待っ──」
「待ちません!」
「でも門兵君が!」
待ち伏せしていたであろうあの声の主は強い。
僕もこの世界に慣れてきたから相手が強いか弱いかくらいわかる。
危険だよ!
「スバル様。エルはステラ邸の中でも実力者です。ご存じでしょう?ですから、エルを信じてください」
侍女さんのしっかりとした言葉にひとまず落ち着く。
ただ、不安が取り除かれた訳じゃない。
取り敢えず状況を確認しようと店の主を探す。
そして気付く。
「あれ?エディ婆は?」
「わかりません。気配が消えております」
「地下?」
「彼女は広場の方にいますよ」
また知らない第3者の声。
「いらっしゃいませ、にはならないと思うんだよねぇ」
だってドア壊されてるんだもの。
必然的にジト目になる。
「で、何の用?さっきの人とは違って話はできそうだよね」
「えぇ、先程のは彼女が一人突っ走っただけですから」
「侍女さんストップ。今は大丈夫がと思うよ」
今はだけどね。
警戒の姿勢を解かない侍女さんにそう言う。
その言葉を聞いて、侍女さんは一応手にしていた、手のひらサイズの小さなナイフをメイド服の袖に仕舞う。
……物騒な袖だね。
「話が早くて助かります」
「で、何でエディ婆が広場にいるの?」
「彼女の並列存在1体では防ぎきれない火力の魔法を撃ち込んだからですよ」
「な!?」
「あぁ、皆さん無事ですよ。彼女が守ったお陰でね」
はぁ、良かった。
「で、そんな事までして、何が目的?」
「では本題に入りましょうか。我が主からゲームの提案です」
「我が主?ゲーム?」
「我が主はこの地の領主、メカルト・マール様です」
ふーん、あの人。
やっぱシェイルの言う通り、ロクでもない人だなぁ。
あと僕の目の前にいる人怖い。
悦に入ったように笑って、大袈裟な身ぶりで〝我が主の素晴らしさ〟とやらを語っている。
もうマシンガンのように止まることなく称賛の言葉が続く。
「そういうの良いからゲームについて話して」
「仕方ありませんね。──ゲームは簡単な物です。かくれんぼと鬼ごっこのね」
物凄く嫌そうな顔で中断してゲームの説明に入った。
にしてもかくれんぼと鬼ごっこ?
一体何を考えてるの?領主さん。
「我が主はあなたとシェイル嬢を所望されました」
「物みたいに言わないでくれる?」
「おや失礼。鬼は我々妖精の守人。逃げるのはあなた。隠れるのも逃げるのもご自由に。我々があなたを捕まえることができたら、あなたは主の物となっていただきます」
だから人を物みたいに、て言っても無駄かな。
「僕が勝つ条件は?」
「とっても簡単なことです。鬼を退治すれば良い、それだけです」
そこまで言って目の前の男はニィっと笑う。
「ただし、100を越える鬼を全員退治することができれば、の話ですがね」




