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神々の箱庭  作者: チャーリー フール
第2章 はじまり
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17話 エンカウント

シェイル視点です

「何かあったの?」


 エルの相当焦った声に嫌な予感がして、足を速める。


「領主の小飼、妖精の守人の1人が接触してきました」

「!!」


 妖精の守人。

 それは領主──メカルト・マールが、優れた者を集めた結果できた組織。

 1人1人が、単体で魔物を蹂躙することができる頭脳や体術、ステータスにスキルを持ち合わせている。


「用件は何と?」

「本日中に挨拶に参じると」


 迷惑ね。

 とりあえず、スバルと接触させてはいけないわね。

 さて、着替えましょう、とスバルを客室の方へ押す。


「門兵君はなんて?」

「父様が急にここに戻ろうとしているのよ」

「え゛?今王都に行ってるんじゃ……」

「それの対応をとるのよ」


 そのままエルに、通信用の魔道具で父様に伝えるように、と目で言う。

 理解したエルはすぐ父様の執務室に走っていった。


 スバルは門兵君と言ってるけど、彼はステラ邸で1、2を争う優秀な騎士。

 緊急時に執務室に入れるくらいの権限は持ってるわ。


 スバルを客室の前まで連れていった時、私が作った警備装置の1つに、ある気配が引っ掛かった。

 随分と早いお越しね。


「セクル」


 となりに控えていたメイドに、スバルを出さないようにお願いして。

 空間魔術を応用して接客用のドレスに着替えて、歩き出す。


 おぉ、早着替え、と驚くスバルの声に、少し安心するわね。

 足音も気配も隠さず、玄関へと急ぐ。


 応接室に通す気も起きないわね。

 用事は何かしら?


「我が家に何か御用で?マール公」


 玄関を見下ろせる階段の上から、そう話しかける。


「ギルドからの至急依頼を届けに参ったのですよ」

「ギルドの者を通せば良いのでは?」

「極秘任務ですから」


 ……たまに本当に重要案件を持ってくるから厄介なのよね。

 領主がわざわざ持ってくるような依頼。

 他領からの物の可能性が高いわね。

 技術支援の要請かしら?


「そうでしたか。それはありがとうございました」


 そう言って封書を受けとる。


「返事はお早めにお願いしますよ」

「わかりました」


 案外普通の案件だったわね。

 まぁ、なにも起こらなかったのは良かったけど。

 こんな人でも、領主の仕事は真面目にしているものね。

 あの悪意に満ち満ちた性格がなければ最良なのだけど。


 背を向けて帰るマール公を見ながら考える。

 入り口に着いたところで、ふとこちらを振り替える。

 ……こちらじゃない?

 見ているのはもう少し上のような……。


「あぁ、やはりここに居ましたか」


 しまった!

 慌てて後ろを見ると、案の定スバルがいた。

 2人が会わないようにしていたのに!


「はじめまして。ここイザデラの領主をしています、メカルト・マールと申します。以後お見知りおきを」


 見知る必要はない、と言いたいわね。

 言えないけど、そんな事。


「え?あ、あぁ。アキヤ・スバルです。こちらこそよろしくお願いします」


 よろしくしなくて良いのよ、スバル。

 と言っても無駄ね。


 エンカウントしてしまったからには、私も腹をくくって彼の事を話すべきね。


 とりあえずお願いだからニコニコしながら見送らないで、スバル!

 あの人はいい人なんかじゃなくて悪の見本市よ!

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