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神々の箱庭  作者: チャーリー フール
第2章 はじまり
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閑話 ある領主の独り言

領主の視点です

 面白いですね。

 久々にステラ嬢と接触した最初の感想はこれに限りますね。


 私は最近退屈していました。

 60年程前、この土地の領主になってから、いえ、それよりもずっと前からですね。


 長命種である精霊と、人族とのハーフの妖精族である私にとっては、領主になったのもつい最近に感じますから、それほど長い退屈というわけではないのですかね。


 変わり始めたのは12年前から。

 真龍の襲撃には困りましたね。

 私の収入源が殺されるところでしたし、私の小飼を何人か使い捨てないと惨事になるところでした。


 私自身が動けば早かったのですが、私が動く必要性も感じませんでしたしね。

 ただ、どう対応するかは考えなければいけませんでした。


 そんな時に現れた2人の冒険者。

 私の小飼も何人かの犠牲無しには討伐できなかったであろう、あの真龍を苦もせず倒した2人。

 興味を引かれるのは当然でしょう?

 私の退屈しのぎになりそうなのですから。


 意外でしたよ。

 片方は平民、片方は大貴族。

 それぞれ戦闘からかけ離れた存在であったのにも関わらず、彼らの腕は超一流でした。


 手元に置いておきたいと思った私は、国王に掛け合いました。

 監視は必要でしたしね、難なく許可が降りました。


 彼らは私の館がある街、サンレイズに住まわせ、便宜を図っておきました。

 手元に置いておきたいのに逃げられたら意味がないのですから。


 退屈な生活に、若干の刺激を感じるようになってきました。

 それが一気に変わったのが10年前、ステラ嬢が生まれたときです。


 偵察させていた小飼からその情報を聞いたときは驚きました。

 白髪、赤い瞳、オッドアイ。


 不吉な象徴を並べられても、ちっとも不快な気持ちになりませんでした。

 むしろとてつもなく惹かれましたよ。

 彼女はずっと私を楽しませてくれる、そう直感しました。


 それは確実に正解だったでしょう。

 彼女は新しい技術を次々と考案してくれました。

 製紙、料理、魔法具、ギルドのシステム、学問の効率化と次から次へと新しいもので満たしてくれました。


 彼女の道は惚れ惚れとするものばかりでしたよ。

 例え私の主義からかけ離れていても、強く、綺麗だと思いました。

 まぁどんなに美しく見えようが関係ないかもしれないですね、私にとっては。


 彼女には今後どんな事をしてもらいましょうか。

 彼女の発明品を複数の領に下ろしてみましょうか。

 それぞれ商会が販売権をめぐって問題を起こしてくれるでしょう。

 自分の作ったものがいさかいの原因になったという事がわかったときの彼女の顔は楽しみです。


 隣の領からの技術支援の依頼が来ていましたね。

 これを利用するのも面白いかもしれないですね。


 とりあえずそれは後々考えることにしましょう。


 そんな彼女の周囲に再び変化が起きました。

 もう1人の異世界人が現れたのです。

 アキヤ・スバル。


 ステラ嬢が警戒していたからか、彼のステータスは未確認です。

 ですが、相当厳重な警戒だったそうなので、彼の異能は相当なものなのでしょうね。


 ステラ嬢が必死に隠そうとするもの。

 これを暴くのも一興ですね。


 そう考えた私は、早速接触を図りました。

 ボアナ様の庇護下にすでに入っていたとは思いませんでした。

 ですがまぁ、初日に会っていたようなので当然ですかね。


 ステラ嬢の反応を見るだけに止めておきましたが、どうやらかなり大切にされているようで。


 彼女は生まれながらの貴族です。

 齢10歳ながら、立派に感情を制御できている彼女を焦らせる存在のようですね。

 これは珍しい。


 ふむ、彼女は転生者でしたね。

 つまり、前世からの知り合いの可能性もありますね。

 転生先で再び会った、という感じでしょうか。


 面白い。

 非常に面白い。

 遊びがいがありますね。


 乾いた私の生活を完全に潤してくれる存在が現れるなんて。

 あぁ、本当に面白いですね。

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