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神々の箱庭  作者: チャーリー フール
第2章 はじまり
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閑話 ある父娘の会話

シェイル視点です

 私は父の執務室の扉をノックする。


「父様。失礼します」


 そう言って扉を開ける。


「あぁ来たか」


 父様は自分の机で書類を整理している。

 その中身が目に入って私はげんなりする。


「また送られてきたのですか?」

「あぁ、ほんとに懲りないな。こいつは」


 堂々とため息をつくわけにはいかないので、心の中で深くため息をつく。


 書類の中身は、求婚。

 まだ成人どころか、デビューもしていないのに。


 原因は私の容姿でしょう。

 白い髪、赤い瞳、オッドアイ。

 不吉の象徴ともいえる私の容姿を見た父様と母様は、すぐさま家中に箝口令を敷いた。

 強制しなくてもステラ邸の人たちが滅多にでない命令を破るとは思えないわね。


 事実、使用人たちから漏れることはなかった。

 が、噂は流れてしまった。

 貴族社会にほとんど広まらなかったのは本当に幸運ね。


 ある功績により、貴族となった父様と母様は、他の貴族たちに目をつけられやすかった。

 それは領主もしかり。


 私たちはこの土地の領主に見張られていたわ。

 元冒険者の父様と母様を出し抜いてこのステラ邸を見張れたことは誉めておくことでしょう。

 しかし、その事がきっかけで、私の本当の容姿はばれてしまった。


 今一番目だっているステラ邸を取り入れたかったのでしょうね。

 事あるごとに求婚をしでかしてくるようになったわ。


 私にはまだやりたい事も、やらなければいけない事も残っているわ。

 そのうちの1つである、スバルへの謝罪は……まぁ終わったのでしょうね。


 でも、本当にいいの?あれだけで。

 スバルは気づいていなかったみたいだけど、兄様の名前を出したとき、殺気立っていたわ。


 私は何度か戦闘したことがあるから知っている。

 あれは、確実に殺気だった。

 つまり、スバルは兄様の事を恨んでいるはずなのに。


 それでもそんな事はないって言うのだから、スバルらしい、と言うべきなのかしら。


 頭を振ってそういった思考を止める。


「報告します。基礎的な知識はほぼ伝えておきました。忘れることのないように対策を検討していきます。今後は言語を教えていく予定です。外出の場合はできる限り私が付き添います。こちらはスバルのステータスです」


 私が父様に渡した紙には、私が見ることのできる範囲でのステータス。

 スバルに見せたステータスに、追加事項を書いたものね。


 少し気になることがあったけれど、その辺りの采配は父様に任せておくべきでしょう。


「報告は以上です」

「あぁ、助かる。……シェイル、彼にはすまないが、しばらく監視を続けてくれ。あの男とは、絶対に接触させてはいけない」

「はい、重々承知しております」


 ごめんね、スバル。


 では、と言って退出する。

 パタン、と扉を閉めてゆっくり歩き出す。


「ねぇスバル。貴方は人の感情を理解するのが苦手だったわよね。兄様がそういっていたわ。私は逆に得意な方だと思う。でも私も兄様の本心はわからないわ。兄様は、貴方の事が嫌いだったのかしら?それとも好きだったのかしら」


 兄様の感情はわからないわ。

 でも“彼”の感情はしっかりわかるわ。

 それは悪意。悪意の固まりとも言えるような人。


 こんな願いは傲慢かもしれないわね。

 でも、願わずにはいられない。


「どうか、彼の……この土地の領主の悪意に触れないで」

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