幕間 狐と狸
先に投稿します。
ソフィア聖騎士団の中でのみ使はれる名前がある。“フォックス”と“ラクーンドッグ”と言えば大体の人が彼等を思い浮かべる。
“ラクーンドッグ”こと狸親父のフロネシス。彼は政治も戦闘技術も卓越しており、国内に並ぶ者の居ない豪傑として名を馳せている。貸与されている国宝の聖盾も彼の名に箔を付けている。そして、何より主従関係のあるソフィア家の分家でもあるのだ。正式名称はフロネシス・ツー・フロネシス。伯爵家の当主でもある。
彼はソフィア聖騎士団の人間同士の戦争への介入には反対の意見を持っていた。彼は公爵の立場もある特殊な立場のため、聖騎士団を動かす立場にある元老院も王も疎く思っている所があった。
“フォックス”こと狐野郎のラストクア。姑息な手段で相手を陥れる能力に長け、歴史あるソフィア聖騎士団の副団長まで登り詰めた。武器は国から貸与されている国宝の聖剣。しかし、剣術の腕は上の下を出る事はなく、完全に持て余していた。フロネシスはラストクアの何としても勝利をもぎ取る姿勢を気に入っていたが、迷いの森でアンデッドモンスターを呼んでいると言うユニコーンの討伐時に行方不明になった。一緒に任務にフロネシスも行方には見当がつかないと言う。
ラストクアの失踪を“元老院からフロネシスに差し向けられたラストクアをフロネシスが撃退して密かに処分された”また“ラストクアは国外に逃亡した”と言う者が居るが、定かではない。
この情報を皮切りに十の王国に切り分けられた大陸の国々は戦乱の渦に巻き込まれていく。その中で2番目の武力をもつソフィア公国には逃れようのない戦の手が伸び始めていた。
十王国は主に2つの地域に分けられる。2つの角を下にしたクロワッサンのような形をした大陸は中央に行くに従って高い山が聳え立ち、東西を真っ二つに轢断する。西側の国はクロワッサンの端から言えば主人公の活躍するムードラスチ公国・ソフィア公国・アレス公国・ヘルメス公国・バッカス公国となる。
ムードラスチ公国とソフィア公国は王家同士の交流もあり、比較的友好関係の深い間柄だったが、それに対抗するアレス公国・ヘルメス公国・バッカス公国の三大連盟が戦争を起こさんと対立してきているのだ。
軍事力で言うなれば、
「ムードラスチ6」「ソフィア9」
「アレス5」「ヘルメス3」「バッカス4」
……と言う所で、ソフィア公国が断然有利なのだが、経済力と言うくくりで言うのであれば、すべての国が団子状になるため、2国と3国ではかなりの差が開く。持久戦ともなれば兵たんを維持できないだろう。
フロネシスはアレス・ヘルメス・バッカスの三大連盟に対して侵攻の意図を持たない旨の説明をしていたが、このままでは戦争が起きるだろう。
東側では既に大乱戦になっていると情報が入る。十王国は、どの国も港を持つ為に各国々とも連絡網を持っている。このままでは再び千年前の混沌とした時代がやって来るだろう。世界はゆっくりと陰謀に巻き込まれていく……。
林 ´∀`)σ)∀`) ソフィアもフロネシスもムードラスチも知恵を指す言葉でございますわ。アレス・ヘルメス・ バッカスは言わずもがな!




