表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
イクスアルディア戦記~俺とピエロと暗黒剣~  作者: 斎藤秋 & 弧滓 歩之雄 & 林集一 & 魔王さん
29/55

第27話 胡蝶の夢 湖上の夢

 

 ◇ ◇ ◇ ◇

 

「ラストクア副団長、このミレイとやらは副団長の娘なのか?年があまり離れてない感じがするが?」

 

「グリマルド、ミレイの夢の中のチャンネルを俺にも欲しい。俺は死んでるか?」

 

「ふむ、繋ぎますよ。初めから再生する。まず俺が死んで、ラストクア副団長様々も聖剣折られて……今死にんだ。ただの人間にしてはとんでもない強さですね。ミレイとやらも死んだ。自爆技ですねアレ」

 

 ラストクアとグリマルドが倒れたミレイを見下ろして会話をしている。

 

「お前が死ぬ所を見るとはな。干からびて崩れ落ちる様の何とリアルな事か……。そうか、私をも上回るのか。この暗黒剣とやらは」

 

 ラストクアはミレイの持っている暗黒剣を蹴り飛ばす。ミレイも暗黒剣も反応はない。

 

「自身の血を差し出して暗黒剣に身体の権利を譲るか……。しかし、意識を保っているのは何故だ?」

 

「このミレイちゃんは『暴食』の暗黒剣だけでなく『嫉妬』の黒鎧も装備してますからね。嫉妬がミレイちゃんの意識を肉体に繋ぎ止めてるんでしょうな。多分彼女は死んだらアンデッドになると思いますよ。一生『嫉妬の黒鎧』と『暴食の暗黒剣』の玩具になるんじゃないでしょうか」    

 

「この聖剣なら楽に殺してやる事は出来るか?」

 

「さぁ、『七星鬼罪武具』自体が我々にも良く分かっていない武具ですので、何とも。団長とやらが持っている聖盾があれば可能かもしれませんね」

 

「団長は早めに死んでもらわないと困るな」

 

「怖い怖い。しかし、このままだと団長はおろかユニコーンも始末出来そうに無いですね。さっさと逃げましょうか。わかってますか?(・・・・・・・・)副団長?」

 

「ああ、タイミングは任せるぞ、グリマルド……」     

 

「…………」 

 

◇ ◇ ◇ ◇ 

 

 《ユニコーンさん、この人達、悪い人かな?》

 

 ミレイとラストクアとグリマルドの3人が倒れている。それを見下ろすように立っているのはチグリスと角が二股になったユニコーンだった。ユニコーンはチグリスの言いたい事が思考を読む能力で分かるらしく、会話をしていた。

 

「さぁ、わからない。少なくとも、このラストクア副団長とやらとグリマルドとやらは我を殺害せんと神秘の湖を汚した張本人だ。良い悪いはともかく生かしては置けん。

 

 あとは、ミレイと呼ばれているビキニアーマーだが、装備が凶悪過ぎる。『七星鬼罪武具』なんて何処から持ってきたんだ。湖の呪いを吸ってくれたのはありがたいが、あまり積極的に姿を現す気にはなれない。万が一先程の「夢の中」で見た様に斬られてしまっては困るからな。まぁ、ラストクアとやらとは因縁があるから斬った様だが……」

 

《つまり?さっきの聖騎士団団長さんとジョンさん達を総合して最終的な答えは?》

 

「ジョン・トルト・トラヴィスとやらは問題ない。多少呪われているが、あの程度なら我に攻撃は通らない。ジョンは処女みたいだしな。しかし、聖騎士団の団長……フロネシスと言ったか、奴は別だ。聖盾を持っていたので幻覚催眠も効かないし、読心も効かない。ただ、副団長とやらとグリマルドとやらとは違って邪悪な意図は感じなかった。見た感じ神秘の湖を血で汚した連中とは同じ所属であっても別な意図をもっている様だからな。会ってやっても良いが、聖盾を一時的に預かる条件付きだな」

 

《じゃあ、ジョン・トルト・トラヴィスの3人はそのまま謁見の広間に、聖騎士団団長とミレイは武装解除と言う条件付きで謁見。ラクトクア副団長とグリマルドはどうする?生かしてはおけないって事は殺すの?》  

 

「残念ながらもう逃げたみたいだな」

 

《えっ?》

 

 チグリスが倒れているラストクア副団長とグリマルドを見ると、顔が煙を上げて溶けていくところだった。

 

「我の幻覚催眠を突破して死体を偽装すると言う事は、高いレベルで(ユニコーン)の対策は済んでいると言う事か。深追いは出来ない。代わりに聖騎士団団長とやらに話を聞く必要があるみたいだがな」

 

 

「それはどうも、先ずは話といきましょうか」

 

 大木程の図体で気配を悟られずに、どうやって表れたのか、先程神秘の湖に居た筈のソフィア聖騎士団団長フロネシスがユニコーン達の真後ろに立っていた。

 

「聖盾か、気配も無効化するとは余程聖具の扱いに慣れているようだな」

 

《聖盾で気配の無効化!?》

 

「チグリス、聖盾の表面は毒や呪いや一切の物理攻撃を無効化出来るのはお前も知る所だろう。これは使い方だ。盾を内向きに構えて持つ事によって自身の足音やにおいと言った気配を無効化したのだ」

 

《はへー、知らなかった。後で出版しよう》

 

「話し合いをしていたジョン達が急に倒れたと思ったら子どもが居なくなっていた。まぁ、異常事態だ。故に失礼させて頂いた。私はソフィア聖騎士団団長フロネシスだ。話がしたい」

 

「盾を置けば話し合いに応じよう。でなければ、不本意ながらこの場で殺す」

 

「これでいいか?」

 

 フロネシスは盾を地面に置き、3歩程後ろに下がった。即座にユニコーンの両目が光る。

  

「………………ふむ。貴様も被害者か。あの副団長とやらに騙されたと言う事だな?」

 

「恥ずかしながら、ハメられてしまったようだな。おかげで部下をかなりの数失ってしまった。それに、ユニコーン殿にも迷惑をかけてしまった様だ。二股ユニコーンがアンデッドを呼び寄せていると言う通報は俺とユニコーン殿を同士討ちさせて討ち取ろうとしたラクトクアの虚言だったと言う訳か」

 

「そのようだな」

 

「こんなことを頼むのは筋違いだとは理解している。だが、その上でもし宜しければ、ラストクアを討つ手助けをして欲しい」 

 

「人間同士のいさかいには興味がないが、実害があるのならば無視する訳には行くまい。聞き受けた」

 

「かたじけない」

 

「この少年を連れていけ。水属性の魔法が使える。事情により口がきけないが、役に立つだろう」

 

《え?僕!?》   

 

「私の角を1本やろう。これを使えば5分間は口が聞ける筈だ」 


「頼んだぞ、少年」


   

 

 イヤーそれほどでも

林 ´∀`)σ)∀`)》ダブルキンクリと言う荒業だよ。

 ユニコーンが処女かどうかを見極めるのはこの夢の中に入る能力を使うんだよ。 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ