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イクスアルディア戦記~俺とピエロと暗黒剣~  作者: 斎藤秋 & 弧滓 歩之雄 & 林集一 & 魔王さん
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幕間その2 ミレイとトルト♥

()はジョン。

「」はミレイかトルトかジョン。後半にヘリミアがちょっと出てくる。

幕間その2 ミレイとトルト

 

 やあ、俺はジョン。広陵遺跡内で俺達の代わりに探し物をしている妖精の帰りを待っている間、ぶっちゃけ暇なので、頭の中でナレーションの練習をしている。今日はミレイとトルトを観察してみたいと思う。

 

 その時の性格によって、とは制限がつくもののミレイとトルトは案外に仲が良い。極端に怯えてる時はミレイの方から「大丈夫、死にはしない」とか一言声を掛けて慰めたりなんかしている。今日も俺の隣で漫才みたいな事をしているのでそれを覗き見してみよう。

 

「ミレイさんは何故その刺激的な格好をしているんですか?」

 

(おっと!初撃から爆弾をブッ込んだ!トルト氏は勇者!)

 

「これと同じ」

 

 足下に転がっている暗黒剣を踏みつける。

 

(ビキニアーマーは何とあの暗黒剣とペアと言うかパートナーだったぁぁぁ!) 

 

「呪いですか?」

 

 無言で頷く。

 

(呪われてんのかい!) 

 

「外せないんですか?」

 

「外せる。但し呼吸が出来ない」

 

(地味にヤバい) 

 

「外したら息が出来ない呪いなんてあるんですか?」

 

「ある。でも問題ない。息を止めて水浴びする」

 

(凄い肺活量だな) 

 

 トルトは無言でミレイの身体を眺める。ピエロメイクの上からではあるが、表情は緩んでいる。下から登ってきたトルトの視線がミレイの目迄到達すると、ミレイ渾身のレバーブローがトルトに突き刺さる。

 

「へぶぅ」

 

(※おおっと※1hitぉ!) 

 

「見ても良いけどジロジロは見ないで」 


「はい」

 

「あと、トルトはタフ。あのパンチはゴブリン位は殺せる」

 

(だよな。殺せる。しかも急所に入ってる) 

 

「慣れてますから」

 

「覗きの方? 殴られる方?」

 

「覗いてはいませんよ。見ただけです。まぁ、どっちもですかね…へぶぅ!」

 

 会話の途中でも容赦なくレバーブローが突き刺さる。

 

(※おおっと※2hitぉ!) 

 

「ごめん、つい」

 

「……」

 

「痛かった?」

 

「いや、私が鎧鍛冶士なら確かに呪うな、と思いまし(へぶぅ!」

 

 トルトの肝臓に三本目の串が突き刺さる。

 

(※おおっと※3hitぉ!しかし、懲りないな) 

 

「あ、ごめん。来ちゃったみたい。後でね」

 

 (来ちゃったみたいって生○かよ)

 

「はい、また後で」

 

 ミレイは暗黒剣を抜いてマウントで取る。先程トルトに向けた拳を一旦開いてギリギリと力を込めて握り直し、闘気を込めて右ストレートを放つ。続く左ストレート。リズム良くガンガンと鳴り響くBGMはパーティーの日常となっていた。

 

 

「トルト、お前よくあんなボディーブロー食らって生きてるな」

 

「まぁ、手加減してくれてますからね。それに脂肪はそれなりに溜めてますから」

 

「かなり本気で殴ってると言ってたぞ」

 

「多分暗黒剣を殴るように殴ってたら多分反対側に拳が突き出してます」

 

「違うのか?」

 

「多少魔法的な効果が付与されてると思います。ヘリミアさん程ではありませんが鍛えれば多少の魔法は使えるんじゃないでしょうか?」

 

「はー、凄いんだな。ミレイって」

 

「知っててスカウトしたのでは?」

 

「あー、まぁ面白そうだったし、強そうだったし、何より俺にOKしてくれた人がミレイとトルトしか居なかったんだよ」

 

「成る程ですね」

 

「そう言えばトルトは何でOKしてくれたんだ?」

 

「まぁ、格好つければ楽しそうでしたから。本心はおっぱいですかね」

 

 また余計な事を…と思った矢先に早目の『お花摘み』を終えたミレイが帰ってくる。ダメだ、これは4発目が炸裂するな。

 

「誰の何が何だって?」

 

「あ、私はこれで失礼します」

 

「逃げるの?」

 

「逃がさないですわ」

 

 突如背後から表れたヘリミアに羽交い締めにされるトルト。憐れ、こうなっては止められる者は居ない。

 

「また!?遠くまでは逃げまへぶぅ!」

 

 トルトの鳩尾にミレイの愛を込めた右ストレートが炸裂する。その後もしょうもない理由で美女2人からリンチを受けていた。この状況にある意味羨ましいと思う御仁も居るかもしれないが、隣の芝が青く感じるだけで、実際に受けたら考えを改めるだろう。

 

 あ、ナレーションの練習のはずが会話に入ってしまった……のは反省だな。

 

 爽やかな風が一陣頬を撫でていった。

 

 


                

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