君への詩
朝、目が覚める。
君は居ない。その事が何より辛くて僕は何度も枕を濡らした。
一週間前
朝、目が覚めると、君が部屋に居なくて何処に行ったんだろう?と思っている所に君からの突然のメール。
『さようなら』
何のことだか分からなくて2、3秒携帯の画面とにらめっこ。
君とは付き合って1ヶ月。丁度1ヶ月。
僕はメールを返信する。
『何で』
精一杯のメールを送信した。
『好きな人が出来たんだ。ごめん』
僕は君の幸せを願って、君がその方が幸せなら…
『分かったよ。元気でね』
強がった。本当は一緒に居て欲しかった。そういえば部屋の彼女の荷物が片付いていた
5日前
彼女が事故にあったという知らせが届いた。
彼女は即死だった。
病院に行き彼女と2日ぶりの再開。たったこれだけの時間なのに君はもう冷たくなっていた。
君の顔を撫でてみる。君が今にでも起きてくるんじゃないかと思って撫でてみる。
やっぱり動かない。
次の日に彼女の親友に聞いた。彼女は好きな人が出来たんじゃなかった。
癌だった。もう手遅れの末期でいつ死ぬか分からないと言われていたらしい。
そういえば僕の前から居なくなる少し前、体が痛いと言って病院に行っていた事があった。
そこで発見されたのだろう。
彼女は僕に知られたくなかったのだそうだ。
だから僕に嘘をつき、僕の前から居なくなった。でも言って欲しかった。何でも相談して欲しかった。
でも気づいてあげられなかった。僕の責任なんだ。
僕がちゃんと気づいてあげられれば良かった。
何で…。
僕は自分を一生恨むだろう。彼女の事をしっかり気づいてやれなかった。こんな気持ちは味わった事のない絶望と孤独。僕は自分の頭を何回も叩いた。壁にぶつけたりもした。
力なくドン、と。何回も何回も。
そんな事を毎日繰り返していた。
そんな時一本の電話。彼女の車にあったいわば遺留品を取りに来て欲しいという事だった。
すぐに遺留品を取りに行った。
だけど渡されたのは彼女の携帯電話1つ、それだけ。
車内にはこれしか無かったと言う。
携帯を受け取り彼女の思い出が詰まった待ち受けを見る。
僕の写真が待ち受けになっていた。
見ては悪いと思いながらメールボックスを見てみる。
フォルダは僕の名、男、女に別れていた。一番下のフォルダの名前が
『一番愛した人へ』
だった。それを見つけゆっくりと中に目を通す。
『見られちゃったね。これを見てるって事は私はもうこの世に居ないのかな?最初に謝っておくね。ごめん。嘘ついちゃった。好きな人何か出来てないんだ。人生で愛した人は貴方だけだよ。
私、癌でね。
もう手の施しようがないって言われた。
もちろん貴方に言おうか迷ったの。
でもね、貴方の事を信用してなかった訳じゃないよ。
本当だよ。言わなかったのは貴方を悲しませたくないから。結果的には悲しませちゃうんだけどね。でも余計な心配はかけさせたくなかったの。本当にごめんね。貴方には色々な思い出を貰いました。夏には海に遊びにも行ったし、冬には雪合戦とかしたり、まぁ後はドライブに連れて行って貰ったり。楽しかったなぁ。私は貴方に会えて幸せでした。だから自分を責めないで。そんな人生楽しくないよ。
でも1つだけお願い。私との思い出は忘れないで。それだけ。
天国に行くんだか地獄に行くんだか分からないけどずっと貴方の事見守ってるから。
本当にありがとう。
ありがとう』
ここでメールは終わっていた。僕は涙がとまらなかった。こんなにも彼女が僕の事を思ってくれていたなんて。
愛って大きくなればなるほど分かりにくい物何だね。失って初めて失ったものの大切さに気付くんだ。
人間ってそんな生き物だ。どうしようもなく哀れで悲しい、でも温かみがある。
それが人間なのかもしれない。
僕も君に言おう。自分が出せる精一杯の大きな声で。
ありがとう
最後まで読んで頂きありがとうございます。
思いつきで書いた物なので多少文章が雑ですがお許し下さい。