怖い高森家
「ゆみたん。一緒に帰ろ!」
「ごめん。ちょっとムリ。」
「何かあったの?」
「違うのリコちゃん。これは私、個人のやりたい事で・・・」
「分かったよ。でも早く帰ってね。京君も心配するから。」
「はい!」
そう言って私は高森 千早の家にむかった。
千早ちゃんは元気で可愛い女のコだったんだけど。急に静かな子になったんだよね。突然・・・。
早く帰って来てね、と言われたので走る。
たったったった。
たったったった。
「はあはあ。着いた。」
赤い普通のポストの横に高森と書いてある。
そして担任の先生にかしてもらった先生のサイン入りの地図を広げて高森(千)を探している。
しかし有ったのは高森(千)と書いてあったと思われるあとのみ。
「なんで大河先生、千早ちゃんの家の位置を消してるんだろう。」
インターホンを鳴らしてる。
「あの、千早さんと同じクラスの栗山 ゆみです。バレンタインデーのチョコレートを千早さんに渡したいんですけど・・・あれ?」
返事も声も無い。
「はいれ。はいれ。はいれ。はいれ。はいれ。」
暗く怖くかすれた声。怨霊のような。
「っひ。あっあっはっはっはい」
ビビっているのもあるがアタマに一瞬赤くダラダラと流れている字で入れと書かれているように見えたから震えた。
ドアを開ける。
「お邪魔します。ってうぎゃ!」
真っ暗で灯りがない。
「そうだ携帯。」
ホラーゲームでは使えなかったりするけど使えた。まあ街中の一軒家ですし。
携帯の光を当てる。
そう言えば遅くなりそうだな。京に知らせようか。
「もしもし京?」
「おっお姉ちゃん今どこにいるの。」
「落ち着いて」
「落ち着けるわけないよ。今何時だと思ってるの?」
「っえ6時?じゃない七時だ!・・・ごめん。」
「もう皆大騒ぎだよ。」
「・・・」
「いまどこ?そっちに行くから。」
「千早ちゃんのお家。でもなんか変なの。」
「千早って菜奈子の隣?」
「そうよ。」
「取り合いず家から出ていて。行くから皆と」
「はい。」
京は頼もしいなあ。
さっさと家からでる。緊急事態だしまた今度チョコレート渡そうか。
さっさっ
ざっざっ
「姉ちゃん!!」
「ゆみたん!」
「京姉!」
「ゆっちゃん!」
「ゆみちゃん。」
一番最初から順番に言うと京、リコ、京の親友俊、麻里、陸先輩が来た。
「皆ありがとう。」
「ところでどうしたの?」
「・・・こことても怖くて。」
「どうして来たの?」
「バレンタイン渡そうと思って来たら誰もいなくて入れって血文字で書かれてて。京、陸先輩、助けて怖いよ悲しいよ」
「悲しいって?」
「何だかヒクヒクって泣いてる声がしたような。怖くて無視してたけど。」
「怪しいな入ってみるか。」
「やめといた方がいいよとっても悲しくて怖い目にきっと合う気がしてならないの。」
「気がするだけなら大丈夫だ!さっいこ!」
「「「「うん行こ!」」」」
嫌な予感がするのとても。
行っちゃダメ!