シロ。
「お客様。我々が消すことができるのは記憶ではなく 感情 ですよ。」
男が答える。
「も、もうこの際なんでもいいんだ!あいつを、あいつを忘れることができれば.....!!!!!!!」
男性がすごい剣幕でつめよってきた
男は冷たい目でそれを見下ろしながら
「では、お客様にお約束してもらわなければいけないことがあります。」
1つ その感情にまつわるもの全てを処分すること
2つ 無くすことができる感情は一生に一つだけです
3つ その後のことは我々は一切責任を負いません
「わ、わかった.......。」
男性はおそるおそる頷いた
「では、ものの処分と心の準備ができたらもう一度来店ください。」
華麗なほどの営業スマイルで男は男性を見送った
「感情をなくすことができるって どういうことなんですか......?」
あの男性がいなくなったあと男に尋ねる
「そのまんまの意味だよ。俺らはそういう職種なんだよ。」
男は説明するように話はじめた
星守り人
俺らはそう呼ばれている
人の感情を無くすことができるといわれているが
実際には人の感情を プリズム という石にこめることによってその感情独自の色をもった 宝石 になったものを
空に 飾る のが俺らの仕事だ
お前らがみている星っていうのは
実際には人間の感情の 結晶 なんだよ
負の感情ばかりにならないように
また綺麗な感情ばかりにならないように
空を飾る
「それが俺らの仕事だ。」
「そんなのいきなり言われても.....信じられるわけ ないじゃないですか。」
正直頭がついていかない
「信じられないっつてもなあ。お前は俺の跡継ぎになんだから、信じなくちゃいけないんだよ。」
は!!!!?????
「星守り人になる条件は 今まで経験してきた全てのものに対する感情を無くす ことだ。」
心臓がはね、冷や汗がでてきた。
「お前が繰り返し見てる夢っていうのは。俺が一番無くしてしまいたかった感情なんだよ。」
え.......?
「あの「だーかーらー夢のことは言うなって言っただろ。」
また口を塞がれた
「な なんでなんですか?」
「なくしたものっていうのはな。そんな簡単に取り戻していいもんじゃねえんだよ。」
「どういう意味なんですか??」
《消えてしまうんじゃよ。》
え..........?
「ま そういうことだ。だから言うんじゃねーぞ。」
「ちょっと!そんな簡単に納得できないですよ!」
消えるってなに どういうことなの
もうパニックだ
「そんな今全部納得する必要なんてねーよ。」
?
「というわけで、明日から俺の店手伝ってくれ!」
満面の笑みで言われた
は!?!?!
「ちょっと!なに言ってるんですか!!?」
「近くで俺の仕事みて見極めりゃいいだろうが。それから跡継ぐのかつがねえのかきめりゃいいし。」
そんなこと言っても.........
「それに明日から世間は夏休みなんだろ?いい暇潰しだと思ってさ。」
お 押しが強い........
「俺のことはマスターってよんでくれ。よろしくな。」
満面の笑みで握手を求められる
「大塚唯です.....よろしくお願いします。」
しぶしぶ握手をした
「よっしゃあこれで明日から楽できんぞー!」
《わしのシャンプーもよろしくな。》
なんか 先が思いやられるんだけど.......
夜
自分の部屋の窓をあけて夜空をみてみた
赤 青 黄 緑
さまざまな色が空を彩っている
これら全部が人間の感情なのだろうか
こんなにも無くしたい感情があるのか
っていうかまず
明日からどうなんだろ.........
とりあえず寝よう....
明日への若干の不安を抱きつつ眠りについた