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アマデウスの謎  作者: 伊吹 由
第4章 世界の命運をかけて
128/147

第127話  決着の時

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


  慎吾のスピリチュアル事件簿 シーズン2


       「アマデウスの謎」 


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

前回までのあらすじ


2008年。

リナ、そして父親の魁斗かいとが、謎の組織に狙われた。


イギリス諜報機関に属するヒロは、リナを守るために命を落とす。さらに、リナの父親・魁斗も遺体で発見された。


2012年、女子大生となったリナ。誘拐された妹を追って、1つ下の後輩・慎吾と共に実家へ戻る。誘拐犯が警視庁捜査官の藤岡だと突きとめるも、彼等のアジトで捕まってしまった。


しかし殺されたはずの魁斗が現れ、皆を救出。


藤岡の属する秘密組織【Unknown】。彼等は、宇宙から降り注ぐ宇宙線に、特定の周波数をあて・・・地球上の人間のほとんどを抹殺する、恐ろしい計画を遂行しようとしていた。


リナとリゼットはモーツァルトの楽曲をピアノで演奏する事で、特定の周波数を遮断しようとしたが・・・ グランドマスターと宇宙服姿の藤岡が現れ、慎吾達は宇宙線を浴びてしまう。


グランドマスターの攻撃に対し、リナは光の音を奏でる。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


   第127話  決着の時


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

2012年12月22日(土)、午前0時25分。

東京タワー東側、とある建物の地下150m。

(慎吾達が宇宙線を浴びて・・・ 17分)



ズキューン!!


藤岡「・・・ ・・・」


パンパン!!


安田「・・・ ・・・」


藤岡は、部屋の扉側から中の連中を狙うが・・・宇宙線を防ぐために着用している宇宙服のせいで、なかなか狙いが定まらない。


(藤岡「放っておいても・・・ 勝手に死ぬ連中だが・・・」)


どうしても自分の手で、殺したい。裏切り者の安田・・・そして魁斗を。


宇宙服・・・地上では必要のない電子機器等を取り外しているとはいえ、総重量30kgを超える。それゆえ思うような動きが出来ず、一級品と言われる射撃能力を発揮できない。


(藤岡「武器を持ってるのは安田だけだが・・・」)


安田さえ倒せばと思うが、相手も簡単には引き下がらない。


藤岡「・・・ ・・・」


部屋の中では、グランドマスターと慎吾が霊能バトルを続けている。


そして・・・


もうすぐその戦いに終止符がうたれようとしていた。



・・・ ・・・。


グランドマスターの攻撃・・・5mもあろうかという大きな円月刀を振り下ろすと、その刃先が慎吾とリナに向かい襲ってきた。


慎吾「・・・ ・・・」


ティリララティリララ・・・


慎吾の背後からピアノの音が聞こえてくる。


慎吾「スゥ・・・」


その音は慎吾にエネルギーを与え・・・


慎吾「唵!!!」


グランドマスターの攻撃に対し、光の剣を横に振りきると・・・


ズザァア!!!


敵の攻撃を一撃で消滅させた。


老人「何!?」


ティララティララ・・・ ダリラリラララ・・・


慎吾「スゥ・・・」


リナのピアノ・・・【光の音】は、慎吾に力を与える。


老人「・・・ ・・・」


慎吾の持つ光の剣が・・・


(老人「大きくなっている・・・?」)


慎吾「・・・ ・・・」


間合いを取ったまま、グランドマスターに向けて・・・


慎吾「せい!!」


思い切り剣を振り切ると、ブーメランのような光の波が標的に向かって飛んでいった。


老人「ふんぬ!!」


それを円月刀で受け止める。


老人「奔!!」


気合一閃。慎吾の攻撃を消滅させた。


老人「死にかけていた若造・・・どこにそんな力が・・・」


ティリララティリララ・・・


慎吾「・・・ ・・・」


グランドマスターを睨み付けると、慎吾は再び光の剣を振りかぶる。


老人「・・・ ・・・」


グランドマスターもまた、慎吾を睨み付けると・・・円月刀を振りかぶった。


慎吾「唵!!!」


老人「奔!!!」


同時に2人は、それぞれの武器を相手に向けて振り切る。


ブーメランのような慎吾の光の波と、グランドマスターの鋭い円月刀の刃先が、お互いの中心でぶつかり合う。


ズッシャーーン!!


同時にそれらは、水がはじけるようにして消滅した。


慎吾「唵!!!」


老人「奔!!!」


間髪入れず、お互い次の攻撃を繰り出す。


ダリラリラァラアーーーン!!!


リナの【光の音】が、慎吾の攻撃を援護。ブーメランのような光の波は、光の音の後押しを受け・・・


グランドマスターの円月刀を切り裂いた。


老人「ぬ!?」


円月刀の刃先は消滅したのに、ブーメランの波は襲ってくる。


老人「ぐぅ!!!」


左手の杖で受け止めるが・・・


ダリラリラァラアーーーン!!!


そのエネルギーの大きさが増してくる。


ダリラリビャリラリダリラリダララーーン!!!


さらにその力が増すと・・・


老人「ぐぁあ!!」


グランドマスターは後方へ吹っ飛ばされた。


すかさず慎吾が間合いを詰める。


老人「くっ!」


思わず落とした杖をすぐに拾い・・・


慎吾「せい!!!」


光の剣を、鉛直に振り下ろす慎吾の攻撃に対し・・・


老人「ふん!!!」


左手の杖で受け止める。


ダリラリラァラアーーーン!!!


老人「ぬぅ・・・」


慎吾は力で押してきた。


老人「ぐ・・・ っく・・・」


力負けしていくグランドマスターは・・・ 再び後方へ吹き飛ばされる。


老人「ぐはぁ・・・」


壁にぶつかり、背中を強打。


(慎吾「いける!」)


壁際に追い詰めたグランドマスターに対し、さらに間合いを詰める慎吾。


(慎吾「時間がない。ここで決める!!」)


光の剣を右手に、慎吾はグランドマスターにとどめを刺そうとしたが・・・


(「4時の方向、銃で狙われている。剣をその方向に!!」)


慎吾は右やや後方に剣を振りかざす。


ズキューン!!


藤岡「・・・ ・・・」


グランドマスターがピンチと見た藤岡が援護射撃。しかし・・・


キン!!!


(藤岡「まさか・・・」)


慎吾はその銃弾を、剣で振り払った。


(藤岡「銃弾に・・・反応したのか!?」)


信じられない光景を見て、目を丸くする。


老人「奔!!!」


形勢が不利と感じたグランドマスターは、さらに大きな霊能力を使い・・・円月刀を強く握り直した。


ズキューン!!  ズキューン!!  


藤岡は慎吾に向けて発砲を続ける。慎吾はまるで予知しているかのように、それらを光の剣ではじき返した。


老人「・・・ ・・・」


藤岡の攻撃に対応する慎吾に


(老人「スキあり・・・」)


攻撃ポイントを見いだしたグランドマスターは・・・


老人「イスラエルのメシアよ、死ねぃ!!」


円月刀を慎吾に突き刺した・・・その時!


(「今だ!!」)


ダリラリビャリラリダリラリダララーーン!!!


慎吾はくるりと身を回転させつつ・・・


ズキューン!!


藤岡の銃弾をはじき返す。はじき返された銃弾は方向をわずかに変え・・・


老人「ぬ!?」


グランドマスターの左腕を直撃した。


ガラカララーン・・・


そして杖を手放してしまう。慌ててそれを拾おうとするが・・・


慎吾「唵!!」


慎吾はかけ声と共に、杖のど真ん中に光の剣を突き刺した。


バキャーーーン・・・


老人「・・・ ・・・」


杖は、真ん中から真っ二つに折れる。


藤岡「グラ・・・」


自分の銃弾がグランドマスターに当たるとは予想外だった藤岡。思わず銃を引っ込めると・・・


(「今だ!! 守護霊をて!!」)


慎吾「・・・」


慎吾はグランドマスターに向けてジャンプ! そして・・・


(「心臓の位置だ!!」)


慎吾「唵!!!」


老人「・・・ ・・・」


武器を失ったグランドマスターの・・・右肩のやや上に向けて慎吾は、光の剣を突き刺した。


老人「・・・ ・・・」


慎吾はグランドマスターの背後にいる・・・クムランの英雄・・・その心臓を確実に貫く。


慎吾「・・・ ・・・」


剣を握る手に力が入る。


(慎吾「感じる・・・ 霊核を貫いたはず・・・」)


確かな手応えが、剣を通して伝わってきた。


慎吾「唵!!!」


とどめとばかりに、自らの霊力を剣に流し込む。


老人「ぐ・・・ くぅ・・・」


直接攻撃を受けたわけではないが・・・ 体中のエネルギーが奪われていく。


老人「お・・・ おぉ・・・」


そして・・・


慎吾「や・・・ やった・・・」


グランドマスターの背後にいた、黒装束の男は・・・慎吾をじっと睨み付けたまま、表情を変えることなく砂のような粒子となっていく。


やがて小さな竜巻のように粒子は舞い上がり・・・天井を突き破って消えていった。


慎吾「・・・ ・・・」


上を向き、天に昇るそれを見守った慎吾は・・・


慎吾「・・・ ・・・」


再びグランドマスターを見た。



           (第128話へ続く)

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

次回予告


グランドマスターを倒した慎吾とリナ。


意識の戻ったリナは、慎吾から衝撃の事実を告げられる。



次回 「 第128話  もう1つのスコア 」

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