#6
どうも!ミカって言います!
18才の高校生です!
少し前から、ハラジュクにある『何でも屋』で働いています!
雇い主のシドさんも優しくて、とっても素敵な職場です!
まだまだ慣れないことも沢山あるけど、ここなら頑張れそうです!
さて…話は変わりますが…この間、実の父親を殺しました。
良くないことだとは分かっていますが、お母さんの仇だったんです…
私は自らの手で…全てを終わらせることが出来たんです…
後悔はしていません!
それで、死体なんですけど…
なんと、シドさんが『ツテ』を使って処理してくれました…!
詳しいことは教えてくれませんでしたが…
やっぱり『何でも屋』って危ない仕事もあるのかな?
とにかく、あれから数日が経ちました。
私は基本的に『事務員』として働く様に言われています。
なので、事務所の掃除や食事の準備を主にしながら、毎日を過ごしています。
そして、寝泊りは事務所の奥にある、客間を好きに使わせて頂いてます。
これまで窮屈な生活をしてきたので、新しい生活は新鮮で楽しいです!
でも…本当は『何でも屋』の『依頼』のお手伝いもしたいのです…
シドさんは私を救ってくれた恩人ですし、これからもお世話になりたいので…
少しでも力になれれば…良いのですが…
そんなことを考えながらコーヒーを淹れていると、事務所のチャイムが鳴りました。
シドさんが席を立とうとしてます。
「シドさん、いいですよ!私が!」
「あ、すいません。ありがとうございます」
ドアを開けると、そこには若い男性が立っていました。
金髪にカジュアルな格好…『ザ・若者』って感じでしょうか?
「いらっしゃいませ!」
「こ、ここが『何でも屋』か!?」
少し焦っている様子です…
事件のニオイがします!
「はい、そうです!お話は奥でお聞きしますね!」
「お、おお。わかった…」
シドさんは既に応接スペースに移動しており、立ってお客さんをお出迎えしました。
「いらっしゃいませ、どうぞお座りください」
私はお客さんを席にご案内した後、シドさんの横に座りました。
この前、シドさんの後ろに立ったら、座って良いと言われましたので…お言葉に甘えて。
「僕は『何でも屋』のシドと申します。宜しくお願い致します」
「おお、アンタが『何でも屋』か。早速なんだが、依頼をしたい」
やはり、焦っていますね…緊急の要件でしょうか…
「お伺いします」
「…いないんだよ…」
「いない?」
「彼女がいなくなっちゃったんだよ!ここ数日連絡すら取れなくて!あちこち探してるんだけど全然見つからなくて…!警察にも行ったんだが、アイツら探してるのかどうかも分からないし、全然頼りにならないんだ!そしたら何でも出来る『何でも屋』の噂を聞いて、来たんだ!」
「なるほど、人探しですね。出来ますが、報酬は頂きます。もちろん見つかった場合で大丈夫です。宜しいですか?」
「あ、ああ!どれくらいだ…?」
「そうですね…捜索にどれくらい手間がかかるか次第なのですが、大体これくらいかと…」
シドさんは電卓に数字を打ち込み、お客さんに見せました。
数字が反射して見えない…!いくらか気になるが見損ねました…
「わ…わかった。それなら何とか用意できる。」
「ありがとうございます」
シドさんは深くお辞儀をしました。
「それでは、事情を詳しくお聞かせ頂けますでしょうか?」
「あ、ああ…今付き合ってる彼女なんだけど…5日前から全く連絡が取れなくなってしまって…それでおかしいなと思って、彼女の実家や友達に聞いてみても、誰も何も分からないんだ…」
「なるほど…自らの意志で身を隠した可能性はありそうですか?」
「…いや…考えづらいな…彼女とは何でも話し合う仲だし…何も言わずどっか行っちゃう可能性はゼロに近いと思う…」
「なるほど…警察はなんと?」
「事件に巻き込まれた可能性もあるから、その線も含めて捜索すると…」
「…まあ、そうですよね…最後に会った時の状況を教えてもらえますか?」
「彼女の家だ。一人暮らしなんだが、よく遊びに行くんだ」
「その時の彼女の様子は?」
「特に変わった様子はなかった…」
「なるほどですね…」
その後もシドさんは色々な情報を聞き出していました。
かなり人探しに慣れている様な印象を受けました。
そして、シドさんはしばらく黙り込み、こう言いました。
「彼女さんの家に連れて行って頂けますか?何か手がかりがあるかもしれないですので」




