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クールなアイドルはマネージャーへの独占欲が止まらない!深夜の胸キュン現場  作者: はなたろう


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4/4

昼の12時にとける魔法

明け方近くまで続いた甘い熱。


カーテンの隙間から射し込む柔らかな光が、乱れたシーツと、絡み合った僕たちの身体をほんのりと照らす。



ベッドサイドの時計は8時半。


僕は伊勢くんの腕の中で目を覚ました。


最近は、アラームよりも早く目が覚めるようになった。

それは、多忙な伊勢くんを少しでも、長く寝かせてあげたいから。


だけど……。



「……おはよう、直矢」



寝起きとは思えない、甘く低い声。



「おはようございます。まだ、もう少し寝てていいですよ」



彼の長い睫毛がゆっくりと持ち上がり、美しい瞳が僕を捉える。



「じゃあ、朝からしようか?」


「もう、いっぱいしました」


「1週間分には、まだ足りたないだろ」



夜の熱がまだ、身体中に残っているのに。



「ダメです。だって30分で終わらないもん」



伊勢くんが僕の鎖骨に頬を擦りつける。



「それに、寝不足ではいいパフォーマンスができませんよ」


「うちのマネージャーは厳しいな」



僕の髪を優しく撫でた。



「ああ。もう、直矢のおかげで充電は満タンだよ」


「もう少し、休んでてください。お願いです」


「キスだけ、それでがまんする」



軽く触れるだけのキスに、満足そうに微笑んだ。



「洗濯機、回しておきますね」


「うん……、ありがと」




昨日、羽田空港に行くまえに、美味しいと評判の食パンを買っておいた。ヨーグルトとコーンスープ、コーヒーを淹れて簡単な朝ごはん完成。



「あれ、今朝は焦げてない」



トーストを見て、からかうように笑う。



「僕だって成長するんです。毎回焦がしてたら、優くんの健康に悪いでしょう」


「そんなに急いで成長するなよ、寂しさから」


「そうやって、僕を甘やかすと、蒼真くんに怒られますよ」


「はは、そうだな」



こうして、2人だけの朝食を楽しんだ。


「そろそろ出発の時間です。情報番組の打ち合わせに間に合いません」


「わかったよ、《《湊さん》》」



伊勢くんは深く息を吐き、プロの笑顔を完成させた。その切り替えの速さに、僕はいつも胸を掴まれる


僕も、マネージャーとしての自分を取り戻さないと。



玄関に飾られた姿見で、身なりのチェックをする。仕上げに、お気に入りの香水をひと吹き。爽やかで、少しだけスパイシーな香水。



「変なところはないかな?」



伊勢くんは僕を振り返り、両手を広げる。まるで、ファッション雑誌の表紙から出てきたみたいだ。



「はい、とってもカッコいいです」



僕の言葉に嘘偽りなんてない。


優くんは意地悪な笑みを浮かべた。



「アイドルとして?恋人として?」


「どっちもです。僕にとって、優くんは、最高のアイドルで、最高の恋人ですよ」


「最高の褒め言葉だ」



ぎゅっと抱きしめられた。香水の香りが僕の身体にも移る。



「これで、今日は同じ香り」



優くんは僕の耳元で囁いた。



「もう、みんなに怪しまれちゃうでしょう」


「今さらだろ」



鍵を閉めて、エレベーターに乗り込むと、優くんがふいに呟いた。



「やっぱり、1階に引っ越すのはやめよう」


「え、どうしてですか?」



僕の質問には応えず、優くんは僕の頬に手を添え、不意打ちのようにキスをされた。



「15階から1階に行くまで、俺の恋人でいて」



優くんの目が、僕の動揺を愉しんでいる。



「だから!防犯カメラは付いているんです!誰かに見られたらどうするんですか!」



伊勢くんは、楽しそうに笑った。彼の止められない独占欲が愛おしくて、僕もつられて笑ってしまう。



今日はとてもいい天気だ。

昼の12時。僕らはアイドルとマネージャーという仮面を被り、外の世界へ踏み出した。





◆お読みいただきありがとうございました!


アルファポリスでは、ふたりの出会い編、おなじTOMARIGIのシリーズ作品集も、ぜひよろしくお願いいたします。


今後のためにも、ご意見、感想、叱咤激励、お待ちしております♡


【完結】ドジな新人マネージャー♂に振り回される、クールなアイドルの胸キュン現場

https://www.alphapolis.co.jp/novel/411579529/772992683

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