2-1 告白の夜
週末の夜、大輝は紗月と共に再び星空を見に行くことになった。
前回と同じ草原。
風は少し冷たく、秋の気配が漂い始めていた。
紗月はいつものように笑顔で、大輝の隣に座った。
だが、今夜の彼女には、どこか普段とは違う静けさがあった。
大輝はそのことに気づきながらも、言葉を探せずにいた。
空は澄み渡り、無数の星が瞬いている。
流星がひとつ、夜空を横切った。
その一瞬の光を見ながら、大輝は心を決めた。
「紗月……俺、君に話したいことがあるんだ。」
その言葉に、紗月はゆっくりとこちらを向いた。
彼女の瞳は月明かりに反射して、潤んでいるように見えた。
「何?」
大輝は胸の高鳴りを抑えながら、紗月をまっすぐに見つめた。
「俺、君のことが好きだ。」
その瞬間、時間が止まったような気がした。
紗月は驚いた表情を見せ、少しの間何も言わなかった。
冷たい風が二人の間を通り抜ける。
「ありがとう……でも……」
紗月の口から出てきた言葉は、大輝が予想していたものとは違っていた。
彼女は小さく息を吸い込むと、ゆっくりと続けた。
「私、大輝君に隠していることがあるの。」
その言葉に、大輝は動揺した。
隠していること――それが何なのか、今までの彼女の言動を思い返しても、はっきりとした答えは浮かばない。
「隠してることって……?」
紗月は視線を落とし、草を指で触れながら、重い口調で話し始めた。
「私ね、病気なの。大輝君には言えなかったけど……もう、長くないって言われてる。」
その瞬間、大輝の胸がぎゅっと締め付けられるような感覚に襲われた。
信じたくない現実だった。
紗月が目の前で微笑んでいるのに、その言葉の意味がどうしても結びつかない。
「……冗談だよね?」
大輝は声を震わせながら問いかけた。
しかし、紗月は小さく首を振った。
「本当だよ。だから、星が好きなの。星は、遠くから私たちを見守ってくれるでしょ?いつか私も、星になれるのかなって思うの。」
彼女の言葉が重く胸に突き刺さる。
それでも、大輝はすぐに彼女の手を握った。
「そんなの関係ない。紗月が何を抱えていようと、俺は君が好きなんだ。一緒にいよう。どんなことがあっても、俺が君を支える。」
紗月の瞳から涙がこぼれた。
彼女は大輝の手をぎゅっと握り返す。
「ありがとう。でも……そんな風に優しくされたら、もっと離れたくなくなるよ。」
その夜、二人は星空の下で長い間話し続けた。
未来がどうなるか分からない。
それでも、大輝は紗月を支える決意を胸に刻んだ。
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