4-1 別れの朝
あの星空の夜から数日後、紗月は静かに息を引き取った。
家族に見守られ、大輝に手を握られながら、まるで眠るように旅立っていった。
その最期の瞬間まで、紗月は微笑みを絶やさなかった。
「ありがとう、大輝君……私、とても幸せだった。」
それが紗月の最後の言葉だった。
涙を堪えながらも、大輝は彼女の手を握りしめ、ただ「俺もだ」と答えることしかできなかった。
紗月の葬儀の日、空は晴れていた。
澄み渡る青空の下、彼女の小さな棺が静かに見送られた。
大輝は最後まで彼女の側に立ち続け、彼女との思い出を胸に刻み込んだ。
紗月の母親が、大輝にそっと声をかけた。
「大輝君、本当にありがとう。紗月の最後の時間をこんなにも幸せにしてくれて……。きっと、紗月も感謝していると思うわ。」
大輝は黙って深く頭を下げた。
彼女の笑顔、彼女の声、そして彼女が星空の下で語ってくれた全ての言葉が、今も鮮明に思い出される。
葬儀の後、大輝は一人で紗月との思い出の公園へ向かった。
夜空には満天の星が広がっている。
その中には、あの日二人で見た流れ星もどこかで瞬いているように思えた。
ベンチに座り、空を見上げながら、大輝は紗月との日々を振り返った。
紗月が教えてくれた星の美しさ。
そして、どんなに短い時間でも、それを共有することがどれだけ特別なことか。
「紗月……君は今も、この空のどこかで見守ってくれてるのかな?」
大輝はそう呟くと、空に向かって小さく微笑んだ。
その時、空に一筋の流れ星が走った。
思わず大輝は手を合わせ、心の中で願った。
「紗月、君が幸せでありますように。そして、俺がこれからも君との思い出を胸に前に進めるように……。」
流れ星は静かに夜空の中に消えていった。
それはまるで紗月からの返事のようで、大輝の心に不思議な安らぎをもたらした。
帰り道、大輝は紗月との約束を思い出していた。
「星を見続けて」と言った彼女の言葉。
その願いを胸に、大輝は星を見るたび、彼女の存在を感じ続けることを誓った。
「君がくれたこの光は、俺の中でずっと生き続ける。ありがとう、紗月。」
その言葉は静かな夜風に乗り、星空へと消えていった。
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