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【第二章スタート】アンタッチャブルな彼女  作者: ゆま
第一章 最後の夏休み
8/19

08デートのお誘い

 学校の当番を終えて夕方帰宅すると妹からLINEが来た。

 「オニーに貸し作ったぜ!この貸しはでかい‼詳しくは続報を待て。あ、それから今日は泊っていくことになったから、あとよろー」

 いつも大げさな奴だ。

 「おやじー今日かあさんたち泊りだって」

 「何か食うもんあったか~俺はビールとつまみがあればいいけど」


 ◇

 

 少し前、桜田家では。

 「ということで夏樹さんに協力してほしいんです」

 桜田美輝の真剣な表情、もじもじしてるきな子。

 「そういうことでしたら……でも夏樹に務まるかしら」

 「ああ見えてお兄様、女性にとっても優しいんですよ、私が常日頃指導してますので」

 いつも言い争っているのに、と母:夏浦洋子に吹き出しが出ていた。

 やがて謎肉のディナーが始まった。


 ◇

 

 次の日俺は母妹を迎えに行った。

 妹と桜田娘はむっちゃ抱き合って別れを惜しんでいる。

 男女平等の世の中、俺だって久しぶりの再会に桜田娘と抱き合う権利はある。

 しかし今日の桜田娘は俺と目を合わせることもなく引っ込んでしまった。


 ~~~~ 佐野元春:週末の恋人たち ~~~~

 

 車中で、妹が言い出した。

「お母さん、昨日の肉ってもしかして」

 妹よそれから先は言ってはいけないー

「熊?」

 ふ〜よい、それでよい。

 十五のお前の味覚はそれで良い。

 

 「夏樹、明後日時間ある?天気もいいみたいだしこの辺の観光スポットを案内してあげたら、と思って」

 「コースはデートマスターの心芽さまがばっちり指導してあげるから」

 え?デート?きな子さんと二人で行けということか?

 「え、そんなこと……桜田さんちが……」

 「大丈夫、大丈夫、きな子ちゃんもちょーっと恥ずかしそうだったけど頑張るって」

 「そんな頑張ってするもんじゃないだろ」

 「夏休み中に……何とかしたいんですって」

 なんとかって、俺を何とかしたいってこと?

 「なんかよくわからん」

 「ま~ま~いい機会じゃない?いい子よきな子さん」

 母よ息子に彼女がいないのを憂うことはない。

 「オニーにもついに彼女ができるのか~。あ、夏休み限定かもね」

 俺は以降口をつぐんだ。


 ◇

 

 「聞いたぞ夏樹」

 畑から帰ってきたおやじが寄ってきた。

 「今回特別だ、あれ貸してやる、絶対事故るなよ!」

 「え!貸してくれるの⁈絶対だめだと言っていたのに」

 「軽トラやかーさんの車じゃ様にならんだろー、ここは一肌脱ぐしかあるまい」

 おやじが大事にしている旧車フェアレディZ32、今まで助手席にしか乗らせてもらえなかった。

 「明日特訓をするぞ、乱暴に扱われたらたまらんからな」

 あれに乗れるのならば悪くない話だ。

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