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【第二章スタート】アンタッチャブルな彼女  作者: ゆま
第一章 最後の夏休み
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07料理研究家で you tuber

 「いただいた山女はホイル焼きにしますね」

 ただ塩ふってホイルにくるんで焼くだけではない。

 スパイスと何やら葉っぱを載せて……粉チーズか?

 「ヤマメって川の魚なんですか?」

 身を乗り出して母と会話しようとするとさらに近いぞ桜田娘!

 「この辺の綺麗な川にもいるみたいだけど……これは養殖です」

 

 魚の次はどこぞの牛ひれ、もうお店で食べたらいくらすることやら。

 「美味しいー柔らかー最高ー」

 妹は大はしゃぎ。

 「赤身なので脂肪分が少なくて気兼ねなく食べられますよね」

 さらに身を乗り出して会話する桜田娘、近いぞ!なぜそんなに寄ってくる。

 

 「まだいけますか?いただいたお肉、焼きましょうか?」

 「まだいけまーす」

 妹にダイエットという言葉は無い。

 「せっかくおいしいお肉いただいた後で……あれかなり固いと思います」

 母はすっかり恐縮、萎縮、恥ずかしそう。

 「じゃあ席を変えてデザートタイムにしましょうか」

 いったん庭でのバーベキュー、いや鉄板焼きはお開きとなり家の中へ移動した。

 

 桜田娘が俺たちを家の中に案内してくれた。

 家の中もおしゃれである。

 すべての物があるべきところに違和感なく収まっている。

 二階に上がると木々の間からわずかに山が見えた。

 

 「母、美輝は料理研究家でyou tubeとかもやってるんですよ。ここでも撮ることがあるので。ほら桜田神酒の名前で」

 おお!フォロワー50万!


 「これ牛肉ですか……?」

 一階に戻ってくると桜田母が肉をみつめながつぶやいた。

 「子牛ですか?組織が緻密で、すごくしっかりした筋肉!こんなお肉初めて見ました。すごい興味がある。」

 どうする母よ料理研究家が見たこともない肉を提供してしまったぞ。

 「猟師の人にもらったので……詳しいことは……」

 「今度会わせてください!ジビエは未知の領域なんです。you tubeにも出てもらいたいくらい!」

 「ええ話しておきます……」

 「少し考えたいのでお時間もらってもいいですか?夕食にお出ししましょうか?お時間大丈夫ですか?」

 「はーい大丈夫です。きな子さんとお話ししてます。」

 「俺は今日当番なので……三時ぐらいには帰らないと……」

 「ああじゃあお母さんの車で行っていいわよ。で、また迎えに来て」

 

 葡萄の乗ったデザートをおいしくいたたいてほどなく俺は桜田家をあとにした。

 帰りがけ桜田娘がやってきて丁寧にお礼を言っていた。

 お礼を言うのほこっちのほうなのだが……

 それとなにかもじもじして言いたげだったがいっこうに話が始まらないので帰ってきてしまった。


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