04バーベキューのお誘い
夕食時、おやじがしゃべりだした。
「今日来た桜田さん、お詫びに遊びに来てと言ってたぞ。バーベキューしようって」
「いいね!それ。肉食いたい、肉肉。オニー行くら~」
いつもの妹に戻っていた。
「きな子ちゃんとまたお喋りしたいし、オニーも東京の綺麗なJKに会いたいら~」
ここらには生息していない生物なのは認める、でもなんか違和感があるんだよなあのジョシ。
「袋掛けが終わったらかあさんと行ってくるといい。俺はかたずけや色々あるから」
「サトシさんのとこの山女持ってこうかしら~松茸はまだ出てこないし~鹿肉もある時にしかないしね~」
母も乗り気だ、三人で行くことが決定した。
そうだ妹には言っておかないとなるまい。
夕食後妹の部屋に向かった。
「入るぞー」
「いけませんわ、お兄様!いくら実の妹だからと言ってこんな遅い時間に」
「そのお兄様っていうのなんなんだ?このへんが痒くなるのだが」
「かいて差し上げましょうか、お兄様」
「おまえな~」
「だってオニーが土臭い悪ガキだと思われたらやだら~品のいい兄妹に見えるように演技よ演技」
ん~それも一理あるかな。
「あんなにきれいな人、言っちゃー悪いけどオニーの学校におらんら?この出会いは夏浦家最大のチャンスよ」
「大げさな奴だな~お前が東京の友達ができるチャンスなだけだろ」
「そりゃまあ、こんな田舎に埋もれたくないもん……」
まあいい付き合ってやるか。
「で、俺はなんと言って返せばいいんだ?」
「それはもう、いつまでも中二病が抜けない気取った兄みたいな?しっかりしろ妹よ敵はこの兄が必ず必ずー、みたいな」
「妹よ今日はもう遅い。早く寝るがよい」
「そうそう」
「心芽ー風呂できているわよー」
演技指導中に母の邪魔が入った。