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最強な俺氏、色々と面倒です。

路地裏の方に案内されてしまった。

あー怖い怖い。ほんとに怖い怖い。


「おい小僧、悪いことは言わねぇその女おいてズラかれ。これはお願いじゃない。命令だ。」


「阿久斗くん…怖いよ…助けて…。でも無理なら一目散に逃げて。あなたに痛い思いはしてもらいたくないもの。」


「大丈夫だよ。俺に任せて。絶対に傷1つ付けないから。」


そう言ってニコッと笑顔を送る。


あーあ。ほんとに怖いよ。だって。


「手加減できねぇからな」


そう言ってメガネを西城さんに預けた。


「あん?なんだとゴラァ!死ねやぁ!!!」


見え透いた右ストレート。太い前腕、固い拳。確かに威力はありそうだ。が、しかし俺には素人の技だろうがプロの技だろうが通用しない。

阿久斗は紙一重のように体を半身にずらし避ける。

そしてその右ストレートを打った右腕を掴み、進行方向とは逆の方向に折り曲げ、足をかけ、容易く倒す。


「え?!うそっ?!阿久斗くん?!」


「雑魚にやられるお前は一体どうなんだよ。あーごめん、西城さん。怖いとこ見せて。でも大丈夫。もう終わらすから。」


「な、なんだ?何が起こったんだ?!雑魚のクセに調子に乗りやがって!!」


次は左右とワンツーだ。ボクシング初心者より酷いボクシングに失笑の笑みがこぼれる。

顔面を狙って放つその拳は俺の体を上手く捉えられていない。

半身をずらしているだけなのにな。

そして俺は刺青野郎の溝うちに拳を放つ。

すると刺青野郎は腹を抱えてうずくまってしまう。


「がはっ!!な、なん、なん、だ、てめぇわ。うぅ…」


「こっちのセリフだ。デートを邪魔するやつに答える義理はない。行こう、西城さん。」


「う、うん。」


俺たちは路地裏を後にした。



はぁーやっぱり視線が気になるなぁ。



そんなことを言いながら。




凄かった。凄いとしか言いようがなかった。

一瞬で自分より一回りデカい男の人を倒してしまった。言っては悪いけどこんなに弱そうなのに。

でもメガネを預けてもらい、前髪を1度あげた時、ほんとに私はこの人の為に生まれたんだなと思ってしまった。完璧に惚れてしまった。

彼の茶色の髪からうっすら見える白い光、完璧に整った顔立ち。そのどれも魅力的に見えた。


才能の差、体格の差全てが彼においては関係ないのだなと感じた。



人はこうやって人を好きになるんだろうなぁ。




「ごめんね、西城さん。怖い思いさせて。」


「いやいやいや!私が招いた事だもの。阿久斗くんが謝ることなんかじゃないわ。むしろ私が頭を下げるべきよ。ほんとにごめんなさい。」


そう言って彼女は頭を深深と下げる。


「いやいや!西城さんに謝られるとかほんとに俺の面目が立たないから。いや元々無いと言えば無いけど…」


「そんなことはないし、私が悪いのは事実よ。ほんとにごめんなさい。」


「まぁ…うん。そこまで言うなら。」


「うん!受け入れてくれてありがとう!と言うか元々結構オラオラしてるのね。阿久斗くんって」


「え?!オラオラしてる?!まじか…治します。」


「いや、そういう訳ではなくて、気を使わないようになってくれて嬉しいってことよ。ふふふっ」


「あ…はい。これでいいってことか?」


「ええ。それ『が』いいわ。」


「りょーかい。じゃあメガネ返してくれる?」


「もうちょっとそのままでいて欲しい…なんて言っちゃったりして…」


「ダメです」


「はい。仕方ないわね。もう、かっこいいのに。」


「サンキュ、そうは言われてもこの顔のせいで中学の時大変な目にあったんだよ。だからメガネは必需品なんだ。」


「謎に包まれた中学生時代の時ねぇ…ってことは伊達メガネなの?」


「もちろんだ。」


「伊達なんかい!!」


そんなことを言いながらも俺たちはもう一度なんちゃってデートを楽しむことにした。


え?お前惚れてるだろ、だって?


なわけないだろ…多分。





刺青野郎の一件から俺たちは商店街を満喫することにした。

俺の言い損ねたクレープも食べ、服を見たりして今日の晩飯もしっかりと買い揃えた。


そうして日も暮れそうになってきた所で解散する事に。


「じゃあまた明日ね!阿久斗くん!」


「おうーまたなーー。西城ーー」


あれからというもの下の名前でいいと何度も言われたがなんか西城の方が呼びやすく、西城で済ましている。


西城は左の道へ、俺は右の道へ。それぞれが別れて帰る。西城の家も近いとの事なので送るのはやめておいた。流石に同級生と言えども家バレは阻止せねばと俺が勝手に別れて帰ることにした。


たった一日で絶世の美女とデートしてしまう俺氏、やっぱり天才だわ。



なんてことを考えながら家に帰るのだったそこで。



「おい、出てこいよ。なぎ。」


「さっすがー。やっぱり『最高天』様は違うなぁ。久しぶり、あーくちん。」


背後の物陰から出てきたのは身長170前後の金髪男。服のボタンが第二ボタンまで空いており、耳にはピアス、指には銀の指輪が3つほど通してある。

整った顔立ちで大変素晴らしい男だ。

ズボンのポッケに手を突っ込んで佇んでいる。


「ほんとだな、久しぶり。『第弐天』様…とか言った方がいいのか?」


「あーやめやめ、そんな堅苦しいの好きじゃねぇだろ?お互い。」


「そうだな。と言うかていうか『帝条』の制服じゃねぇか。てことは入学式の時の視線もやっぱりお前か。」


「あったりー。いやぁーあくちんには敵わねぇや。俺も今年『帝条学園』に入るんだよ。これからよろしくな?」


「おう。よろしく。てかお前何組なんだ?」


()()E組だぜ。容姿とか別に俺自身はなんとも思ってないんだがな。」


「いや、十分女ウケしそうな顔してるがな。でも容姿で入学決めるのはどうかと…とは思うよな。てかお前容姿組とか(笑)ぷぷぷ」


「うっせぇな!あん時みたいにやんのか??あぁーん?!」


「いいのか?コテンパンにしてやるけどよ」


天人には位がある。

俺は筆頭なため『最高天』として君臨していた。

次に凪。俺より少し能力が劣っていたため『第弐天」として君臨していた。

後の3人はなんだかまた会うような気がするからまたその時に紹介しよう。


って誰にだ?


「ちぇ!おもんねぇよなぁ!あくちんはよぉ。強すぎてつまらねぇぜ。手抜いても腹立つし、負けても腹立つしうぜったらありゃしねぇ。」


「まぁそれはすまん。」


「謝んなよ!まぁでも仲間で良かったって本気で今は思ってるよ。色んな意味で。」


「そうだな。楽しかった、あの時は。」


「だよなぁ。そうだ!今日あくちんの家泊めてくれよ!いいだろ?」


「ああ、いつでも来いよ。」


もちろん彼も俺と同じで孤児扱いなため一人暮らしだ。1人増えた所で構わない。


「サンキュー。つかさ、神楽のやつマジでうぜぇんだって。先週あいつがさ_____」


話に浸りながら家を目指す俺たちだった。




お、なんか学校が楽しくなりそうだぞ。














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