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その他エッセイ・童話・短編

心に残る二冊の童話+1

作者:

子供の頃読んで今でも思い出せる本。

「かいじゅうムズング」うわコワッ

「三丁目が戦争です」筒井康隆・作 永井 豪・絵  お ま え ら だ っ た の か。

「鉄腕アトム デッドクロス殿下」残酷・差別表現に関する強烈な思い出。


 小学生のころ、たまたま図書館の近所に住んでいたので、しょっちゅう入り浸っていました。

 そのころ読んだ絵本・童話で、今でも心に残っているものがあります。



かいじゅうムズング


 アフリカの平和な村に「かいじゅうムズング」がやってきて、臭い匂いを吐きながら森を切り開いて道らしきものを作り、渡れなくなり、村の平和がこわれる、というような話だったかと。

 何かよくわからないが怖い、と


 その後何かで、「ムズング」がアフリカ(スワヒリ語)で「白人」を意味することを知りました。

 つまり「臭い匂い」とはアスファルトで、白人が道路を作っていたんだ、それを風刺か警鐘を鳴らすかしてるんだ、と理解しました。


 思い出して調べてみると


かいじゅうムズング 寺村 輝夫・作 井上 洋介・画 1971(1989版は表紙が違う)

挿絵(By みてみん)


 うわこわッ。これはトラウマになるかも。


 寺村 輝夫。なにか凄い沢山、絵本を出している方のようです。


 ”1928年東京生まれ。早稲田大学卒業。『ぼくは王さま』で第15回毎日出版文化賞受賞。1984年「独特のナンセンステールズで、子どもの文学の世界を広げた」功績により第17回巌谷小波文芸賞を受賞。2006年没(「BOOK著者紹介情報」より”

 - amazon


 ”1968年にインド・ヨーロッパ・アフリカ28日間旅行に参加。これまでの作品でもアフリカの動物を登場させていた寺村だが、アフリカの魅力に取り付かれ、以後ブラックアフリカの代表国であるケニアを中心に、毎年アフリカを訪問することになる。


 1973年には一人旅。童話作家である神戸淳吉の息子と行動を共にしたり、倒れた子ゾウの前でいきり立つ母ゾウに直面、命からがら脱出するなどの体験をする。この時ひげをそる余裕がなく、伸ばしたままで帰国。あごひげが子どもたちから「格好いい」と言われたので、以後たくわえ続け、自らのトレードマークとなった。


 この他にアフリカ旅行では、アパルトヘイトの真っ只中であった南アフリカ共和国のスタンプがパスポートに押してあるため、ガボンに入れない白人の体験談や、アルベルト・シュヴァイツァーがブラックアフリカ諸国で嫌われているという事実の発見と調査などに直面する。"


 この本の出版前後にアフリカへ行き、現地を肌で感じてきたようです。


 子育てママ風のブログに、「子供が何度も読んでとせがむが、どんなふうに理解しているんだろう」、みたいなこと書いてました。

 さすが今どきのママは、著者のアフリカエピソードなんかも調べて? 押さえてるようです。


挿絵(By みてみん)

 現在はこちらのフォア文庫版が入手/図書館で借りやすそう。

(フォア文庫って、こういうのもあれば、今どきの絵柄のどう見てもラノベ、ってのもあるようです)




三丁目が戦争です


 子供のケンカだか何かの口論だかがきっかけで、確か団地と住宅だったか、町と町だったかが殺し合いになります。お父さんは普通に(たぶん町外の)会社に行き、帰ってきたら戦争参加してたような。日常の中の非日常のような、変な本でした。


 1990年、ユーゴスラビアが社会主義から政党政治になり、1991年、クロアチアの独立宣言をきっかけに多数の勢力に分裂。クロアチア紛争、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争が起こります。

 軽々に語れませんが、セルビア人・クロアチア人・スロベニア人が三つ巴で、民族・文化・宗教の争いです。

 それまで仲良く付き合っていた隣近所の人と殺し合いです。互いが互いを民族浄化・虐殺します。

 当時、そういった証言がニュースになっていました。

 1984年のサラエボ「平和の祭典」オリンピックの記憶も新しいころです。


 この時、この絵本のことを思い出しました。現実(リアル)の殺し合い。トラウマってものじゃありません。


 で、改めて調べてみると


三丁目が戦争です 筒井康隆・作 永井 豪・絵

挿絵(By みてみん)

(読んだのはコレのはず)

挿絵(By みてみん)

(〇んちんのない表紙のバージョンもあった)


 お ま え ら だ っ た の か。 ある意味ゴールデンコンビです。講談社の創作童話、とあります。

 多分、デビルマンとかすさノ王とか、永井豪がノってた頃です。

 さすがにデビルマン(漫画版)のように生首ゴロリはなかったとおもいますが、となりのおばさんの死体がごろり、はあったような気がします。


 話自体は、筒井康隆の短編集や全集に収められています。子供向け文庫だと、絵が変わっておとなしくなってるような。


挿絵(By みてみん)

熊倉隆敏・絵 青い鳥文庫




 図書館には、絵本や本の他に漫画もありました。その中のコレ。


鉄腕アトム デッドクロス殿下 手塚治虫

挿絵(By みてみん)

手塚マンガが悪書だったころ 手塚プロ

https://tezukaosamu.net/jp/mushi/201005/column.html


挿絵(By みてみん)挿絵(By みてみん)


 アトムはシリーズ何巻か置いてあり、ジャングル大帝とかもありました。しかしどのストーリーよりも、この見開きが強烈に心に残りました。

 当時の印象では、アトムシリーズ全体で、人間によるロボットへの差別、ロボットの人権や独立などがテーマで、ロボットを通して人間の間の差別を暗喩あんゆしていると思いました。


 それが、何十年後かに、「黒人差別者」と呼ばれることになろうとは。


"黒人差別をなくす会

- 1988年(昭和63年)12月、絵本『ちびくろサンボ』に抗議、一時絶版[3]。

- 「黒人」が登場する作品を総点検。1990年下旬、各出版社に期限付きの手紙を送り善処を求める。その中に『ジャングル大帝』などがあり、手塚プロは『手塚治 虫漫画全集』(当時全300巻)を始めとする、1コマでも黒人が描かれている作品を収録した300数十冊の出版を一時停止[6]。

 手塚治虫漫画全集には、こうした抗議を反映して、巻末に編集者の断り文が掲載されている。

- 1990年(平成2年)7月、黒人をイメージさせるオバケを登場させた『オバケのQ太郎』の「国際オバケ連合」に抗議し、一部回収・絶版させる(『ジャングル黒べえ』も同時期に回収・絶版となったが、これに対し直接に会が抗議したかどうかは不明[7])。”

- wikipedia


 これらの他にも乱読してたので、その後も、マンガも小説もノンフィクションも読む乱読型に育ちました。



 もちろん、「バーバパパ」や「ぐりとぐら」とか普通の?絵本も読みましたが、何かホットケーキ(カステラかも)作ってたくらいしか覚えてません。


”openBDプロジェクト(カーリル・版元ドットコム)は書誌情報・書影を、だれでも自由に使える、高速なAPIで提供します。

openBD APIが提供する書誌・書影・内容紹介・書評情報などすべての情報は、本の販促・紹介目的に限り使用できます。個人・団体・企業を問いません。”

https://openbd.jp/


著作権法

https://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=345AC0000000048

”第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。”


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― 新着の感想 ―
[一言] 私の心に残る童話は、ウィリアム・ニコルソン『かしこいビル』(ペンギン社)と、舟崎克彦『ぽっぺん先生物語』全9冊(筑摩書房。1巻~3巻は岩波少年文庫に入っています)です。 『かしこいビル』は、…
2020/01/26 17:26 退会済み
管理
[良い点] 図書館にこんな絵本があるんですねー これは記憶に残りそうだw かいじゅうムズングはぜひよんでみたい、さがしてみよう わたしも幼いころによんだ絵本で忘れられない教訓をくれたものがたくさんあ…
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