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第9話 初めての犯罪

 登場人物

 栗田聖羅くりたせいら  15歳 鈴鹿と静は高校での出会い 

 性格:???? 犯罪歴????

 

 青森静あおもりしずか  15歳 鈴鹿とは幼馴染 

 性格:天然女子 犯罪歴????


 山並鈴鹿やまなみすずか 15歳 静の世話係        

 性格:ドジっ子 犯罪歴????


 ジョン・セロ  年齢????   性格:クズ 職業????


 突然、鼓膜が痛くなるような激しい爆発音とともに、建物が揺れた。

「!?」

 聖羅はバランスを崩し、床に倒れる。


 電機が落ち、真っ暗になった。

 悲鳴と動揺の声が聞こえ、その次に聞こえて来たのが激しい銃声だった。


「くそ!! ここで待ってろ!」

 警察官は直ぐに体勢を立て直し、倒れているセロを置き去りにして出て行った。

 ドアが閉まり、鍵がかかる音がした後、足音は小さくなっていった。


 セロは立ち上がった後、手錠を鳴らしながら

 薄暗く見えるドアノブを回す。

 しかし、開く様子はなかった。


 ガラス越しに、机の上に黒い本が置いてあるのが見える。


「くそ!」

 ガラスを手錠で何度も何度も叩く。

 しかし、金属を叩いているの様な音がし、傷一つ付かない。


「何が起きているの!? 戦争!?」

 聖羅は壁に手を当てながら立ち上がる。


「銃撃戦!! 外からだね! 多分音からしてここから近い!」

 静は銃声に負けない声で叫ぶ。


 セロはガラス越しに見える本を見ながらため息を吐く。


 この騒ぎで、俺の尋問は当分先になるだろう。それに、本を入手した所で帰れるとは限らない……なら……

「おい! 今から作戦を言う! 助かりたければ俺の言う事を聞け!」

 セロは大きな声を出す。


「ええ……」

 聖羅達は蔑んだ眼でセロを見る。


「裏切者をどうやって信用しろと?」

 聖羅は冷たく言う。


「チッ! だったら、俺一人でやる!」

 セロのぶてた声が聞こえる。


「まあ、手伝うけどね」

 聖羅はため息交じりに言う。


「え!? 聖羅ちゃん! 本当にいいの!? こんな奴信じていいの!?」

 鈴鹿の驚愕の声が聞こえる。


「バクテリア並には信用しているけど?」

 落ち着いた口調で言う。


「ほぼゼロじゃん……」

 鈴鹿は暗い表情をする。


「人間性はクズだけど、アメリカのエージェントだから言う事を聞いておけば、脱出出来そうだからね!!」

 意地悪そうに微笑む。


「……ガキのくせに頭は良いな」

 セロも意地悪そうに微笑んだ。


 足音が複数聞こえる。

 2人の警察官がドアを開け入ってきた。

 さっきの警察官は右手にピストル、左手に懐中電灯を所持している。

 2人目のガタイのいい男は先端にライトが付いているショットガンを所持している。


「ここは危険だ! 保護室に移動する!!」

 警察官はライトで、うつむいている静と鈴鹿にライトを当てる。


「苦しい……!」

 2人目の警察官の足の付近から悶絶する声が聞こえた。


 ショットガンのライトを声のする方に向ける。


 苦痛の表情を浮かべ、腹部に手を当てている聖羅がいた。


「た、助け……て……く、苦しい……!」

 聖羅は震える手で警察官の足の裾を握る。


「く、苦しい! 息が……!」

 1人目の警察官は声のする方にライトを向ける。


 懐中電灯に照らされているのは、おぼつかない足で、フラフラ向かってきているセロだった。


「おい!大丈夫か!?」

 声を掛けた、その時、警察官はある事に気が付く。


 チョークサイン(両手を首に回している状態)をしている両手に手錠が無かったことに……

 だが、遅すぎた。


 セロは瞬時に右手でピストルのスライド部分を掴み


 下に捻るように下げた同時に、左腕で警察官の腕を下から叩き上げ


 反動で警察官はピストルから手を放した。


 思考が追い付かない警察官の腹部に蹴りを入れる。


 警察官はパイプ椅子を倒しながら派手に倒れる。


 もう一人の警察官は、その音で、ようやく振り向く。

 

 聖羅に気を取られたため、気付くのに遅れていた。


 セロはピストルのスライドを左手で引いて装填する。


 その姿を見た警察官はおぼつかない手で、ショットガンを構える。


 セロは照準を警察官の頭部に合わせる。


 警察官はショットガンのスライドを引いて装填させる。


 迷いのない人差し指がトリガーを引く。


 空気を潰したかのような乾いた湿り気のない音が響く。


 額から血の霧を飛ばし

 警察官はショットガンを手放ながら、ゆっくり崩れ落ちる。


 直ぐに、起き上がろうと体を起こしている警察官にピストルを向ける。


 驚愕の表情を浮かべた警察官と目が合う。


 冷静にトリガーを引く。


 銃弾は頭蓋骨を貫いた。


 険しい表情でドアの方に銃口を向ける。


 足音も騒ぎ声が聞こえない……外の騒ぎのせいか?

 安堵の息を吐く。


 セロは取調室にいた時、シャーペンを分解し、ばねを取っていた。それを伸ばし、手錠をピッキングしていたため、外れていた。

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