第6話 警察署
登場人物
栗田聖羅 15歳 鈴鹿と静は高校での出会い
性格:???? 犯罪歴????
青森静
15歳 鈴鹿とは幼馴染 性格:天然女子 犯罪歴????
山並鈴鹿 15歳 静の世話係
性格:ドジっ子 犯罪歴????
ジョン・セロ アメリカ人 年齢???? 性格:???? 職業????
数分後、当然手錠を掛けられ、パトカーに連行された。
セロは体をぼこぼこに殴られ、顔がハチの巣の様に腫れ上がっていた。
鈴鹿はこれは悪夢だと現実逃避をし、静は警察署に行ける事で興奮(好奇心)状態で、聖羅はされるがまま考える事をやめていた。
放心状態でパトカーの外を見ていると、夜空に大きな影が見えた。
「え!?」
思わず、我に返り、目を見開く。
ドラゴンのシルエットをした巨大な影が、夜の空を羽ばたいているが見える。
「ど、ドラゴンがいる!!?」
思わず叫ぶ。
「ああ!? 何言っているんだ!! そんなの当たり前だろ!」
警察官はうんざりした怒鳴り声を上げる。
「え!? そうなの!?」
「大人しくしてろ!」
「……」
「さっさと米国大使館に俺の名前を伝えろ!!」
両足と椅子をロープで固定され、手錠を体の前に掛けられているセロは怒鳴り声を上げる。
怒鳴り声は、鉄格子付きの狭い窓が一つしかない、殺伐とした狭い個室にうるさく響く。
「やったて言っただろうがよ!!?」
取調官は、机の上にある供述書を書くのを止め、シャーペンを置いた。
突然、拳を創り殴りかかってきた。
「!?」
回避する間もなく、穂に衝撃が走る。
「グッ!?」
直ぐに穂と歯に激痛が走る。
「大使館のジョズさんはお前のことなど知らないってよ!!」
取調官は、筋肉質の太い腕で胸ぐらをつかんできた。
増悪の目をしている取調官の顔と近くなる。
「さっさと吐けよ!! このテロリスト野郎!! お前らのせいで、各国で反日運動が起きてるんだよ!!」
警察官は怒鳴りつける。
「ペッ!」
血の混じった唾液が警察官の顔に付着した。
「知るか! この黄色人種どもめ!! この俺に暴力振るってただで済むと思うなよ!」
眉間にシワを寄せ、怒鳴り声を上げる。
「こ、この野郎!!」
顔を真っ赤にし、プルプル震える拳が見える。
身構え目を瞑る。
「まあいい……」
下に拳を落とした。しかし、まだ震えている。
「後で拷問室に連れて行くからな! 覚悟しておけ!」
取調官は吐き捨て、立ち上がり、ドアから出て行った。
拷問室!? どういうことだ!? 民主主義国家の日本にそんなものがあるのか!? いや、聞いたことが無い!
全身に嫌悪感が走る。
机の上にあるシャーペンを手に取る。
「そ、それで……気が付いたら、あの場所にいて……」
鈴鹿は、涙目で体を小鹿の様に震わせ、おどおどしながらここまでの経緯を必死に説明していた。
同じような別の取調室にいた。
「そんな事件ないわ!!」
年配の取調官は怒鳴り、激しく机を叩く。
「ヒッ!! す、すいません!」
体がビクッと跳ねる。
「うう……」
涙が穂を伝る。
怖い! 帰りたい!!
涙を手錠をされている両手で拭う。
「さっき確認したが、その場所で車の事故は無かったんだよ!!」
取調官は机を激しく蹴る。
「ヒッ!?」
また体がまた、ビクッと跳ねたが
「え!? 無かった!?」
驚愕のあまり涙が引く。
「ああ! 無かったんだよ! お前は嘘を付いている!」
取調官は怒鳴りつける。
「え!? 意味が分からない!!」
「俺の方が分からない!! ない物は無かったんだよ!」
「何で……あったのに……」
引いた涙がまた零れた。
「うんこ行きたい! トイレ何処?」
静も取調室にいた。
「はあ!? その前に事件の事を話せや!!」
取調官は机を激しく蹴りながら怒鳴る。
静の体が、ビクッと跳ねる。
「どうやって屋根裏にはいったんだ!? それと、お前らが言っていた出身高校も住所も存在していなかったぞ!? どういう事だ!? ああ!?」
取調官は立ち上がり、静の顔に接近した。
「漏れる!!」
顔を真っ赤にして涙目で言い返す。
「知るか!! 犯罪者にそんな要求が通じるとでも思っているのか!!?」
「う、うっ……グス……!」
目に涙がたまる。
「泣いて許されるとでも……」
取調官は鈴鹿の下半身から不吉な音が聞こえる。
「うんこ漏れた……うわーん!」
大声を上げて、赤ちゃんの様に大声で泣き始める。
「……」
取調官は口をおきく開けて唖然とした。
両手に手錠を掛けられた聖羅は、廊下を気だるそうに歩いていた。
突然、後ろの警察官に背中を蹴られる。
「痛っ!」
背中に衝撃が走り、前に倒れる。
「さっさと歩け! クズ共!」
濃い顎髭で腕を組んいる偉そうな警察官は
ゴミを見下ろすかのように睨む。
「くっ……!」
殴りかかりくなったが、我慢して歯を食いしばり、立ち上がる。
警察官は廊下に接してある、ドアを開けた。
中は、机とパイプ椅子があるだけだった。
警察官は更に奥にあるドアを、鍵を刺して開けた。
長机とパイプ椅子が並び、部屋の隅に監視カメラがある冷たい雰囲気のある部屋だ。
ズボンを履いた静と鈴鹿はお互い寄り添い、セロは机の上で頭を抱えている姿が見えた。
「今から一時間後、拷問室に連れて行く!」
突然、警察官は見下ろしながら重量感のある声で言い始める。
「机の上にある写真の様になりたくなければ、お前らでどうするかを話し合うんだな!!」
警察官はドアを勢いよく閉め、鍵がかかる音がした。