第2話 黒い本
登場人物
栗田聖羅 15歳 鈴鹿と静は高校での出会い
性格:???? 犯罪歴???? チート能力????
青森静 15歳 鈴鹿とは幼馴染
性格:天然女子 犯罪歴???? チート能力:なし
山並鈴鹿 15歳 静の世話係
性格:ドジっ子 犯罪歴???? チート能力:なし
「***!!」
ゴブリンは後ろを振り向いて、聞いたことのない言語を叫ぶ。
「******!!」
ゴブリンの背後に鳥の様な白色の仮面に黒いローブを着ている中世の魔術師の様な3人が立っている。
白人男性はゴブリン達を見ると、険しい顔で震える右足を後ろに引く。
突然、スイッチが切り替わったかの様に足の震えが止り、全身が止まった。
驚愕の表情を浮かべながら、そのまま頭だけを動かして、自分の体の周囲を見る。
「Or, it does not move the body! ?(訳:体が動かない!)」
悲鳴にも聞こえる声で叫ぶ。
「What did you do! ?(訳:何をしたんだ!?)」
白人男性は、眉間にしわを寄せゴブリンを睨む。
「It's no use! Can not be released to the human Gotoki!(訳:無駄だ! 人間ごときには解除できない!)」
ゴブリンは不気味に微笑みながら、ナイフを白人の男性の目に突き立てる。
「Where`s is that of Example?(訳:例の物は何処だ?)」
ゴブリンは流暢な英語で聞く。
「wait!You guys are what's business!?(訳:待て!! お前らは何者だ!?)
必死そうに叫ぶ。
突然、ゴブリンは片手で白人の頭を掴み、無理やり目を合わせる。
「Hassle! Here of it is fast!(面倒だ! こっちの方が早い!)」
白人の男はしばらく瞬きすらせず硬直した。
数秒後、険しかった目が虚ろ状態になる。
「……Under that little girl……(訳:……あの少女の下……)」
機械のように喋り始める。
「ハッ!?」
話し終えた瞬間、虚ろの状態の目は驚愕の表情に変化した。
「***!」
聞いたことのない言語が聞こえた共に、白仮面が幽霊の様に足音を立てず、聖羅の方に向かう。
白仮面が近づいてきた時、これは映画ではない、現実だという事をようやく理解する。
飛び出そうな胸はより激しく鼓動し、震えと冷汗があふれ出ていた。
警察は!?周りの野次馬は何をしているの!?
必死に周りを見渡す。
しかし誰も来ていない。
まるで衝突事故もなく、いつもの日常の様だ。
だ、誰もいない!?
すがっていた希望が小さくなり、体はより重くなる。
白仮面は黒色の手袋で左腕を鷲掴んできた。
「あああああああ!!!?」
瞬間、プレスで圧迫されているような激痛が走り自分の意志とは関係なく叫び声を上げる。
気絶しそうだが、歯が欠けるほど食いしばり
なんとか理性を保つ。
白仮面の手を必死に掴んで引きはがそうとする。
しかし、非常に硬く、接着された金属を剥がそうとしているようだ。
白仮面はそのまま私を造作もなく引きずり上げる。
瞬間、負荷が大きくなり骨の折れる音がする。
ゴミを投げるかのように左に投げ放す。
背中に衝撃が走ったが、腕の激痛でそれどころではない。
脈打つ激痛が全身に走り渡り、涙とうめき声が止まらない。
白仮面はそんな聖羅を気にすることなく、本のページ少し開く。
「******!!」
白覆面は叫ぶ。
直後、ゴブリンはスーツの捲り、そこに無線があるかのように何かを言う。
「I'm what happens?(訳:お、俺はどうなるんだ?)」
いまだに体が硬直している白人男性は恐怖交じりに言う。
ゴブリンは緑色の手で頭部を鷲掴みにする。
掴まれたことを認識する暇もなく、空気を切る音がし、車のドアに叩き付けられた。
金属がへちゃげる音と頭蓋骨が砕ける音がし、ペイントをぶちまけた様に血肉が周囲に散弾する。
ゆっくり手を放す。
脳みそと眼球が飛び出て垂れさがっている状態の以前は人だった物がずれ落ちる。
聖羅は右手を頭より前に出し、全力で力を入れ、体を前に出す。それを繰り返して、近くの住宅に向かって移動している。
動く度に折れた左腕から全身に、気が狂いそうなほどの激痛が走るが、生きる事を考えると、何とか我慢して動ける。
とにかく全力で進むことだけを考えている。
もう少し!
芋虫の様に遅かったが、確実に近くの住宅の玄関に向かっていた。
助けを呼べる!!
残り二歩ぐらい距離で手を前に出す。
突然、黒い影が手を押し潰した。
「おっと! 悪い悪い、アリと区別がつかなかった」
ゴブリンは意地悪そうにニヤニヤしながら言い、自分の手より長い革靴を左右に揺らしす。
手を引く暇もなく、骨が砕ける音と爪と皮膚が破れてぐちゃぐちゃになっていく。
左腕の骨折を忘れるほどの激痛と絶望のあまり、胃液が逆流し嘔吐した。
茶色で、食べた物が目の前に広がる。
激しくせき込み、喉が焼ける様に熱く、呼吸するのも辛い。
「汚ねえな、アリ以下だな!」
罵倒する声が聞こえ、逃げる様に手からブーツを退ける。
自分の顔の下には、嘔吐物の海が湯気を立てている。
潰れた片手で体を支えるのも限界で、腕が震える。
「さて、終わりにしよう!」
目の前でナイフを右手で軽く投げて一回転させ、同じ手でキャッチした。
「な……何で……こんな目に……」
聖羅は穂に涙を垂らし、弱弱しく消えそうな声を出す。
「運が悪かったな! 我々の姿を目撃したからな!」
声が聞こえ終わった瞬間
空気を切る音と同時に首に冷たい感覚が走る。
視界がずれる。
何が起きたのかは分からない。
視界が地面に転がり一回転して止まる。
その時、視界に自分の首があったところから噴水の様に血が噴き出ている、首のない自分の硬直した体が映る。
理解する。
首を切り落とされた事実に……
「簡単な仕事だったな!」
ゴブリンは独り言を叫び、立ち上がった同時に聖羅の体は崩れる。
白仮面は黒い本をゴブリンに渡してきた。
受け取ろうと手を伸ばした。
その時、車から漏れたガソリンが発火して爆発した。
ゴブリンと白仮面は無反応で無傷だったが、爆風で手にあった黒い本が飛んだ。
黒い本は聖羅の首からの出血で血だまりになっているあたりに落ちていく。
舌打ちをしながらゴブリンが取りに行こうとした
瞬間、本が激しく光り始めた。
「***!!?」
ゴブリン達は眩しさで目が開けられず、慌てて腕で目を隠す。
皮膚が炙られたかの様に熱くなり、肉が焦げるような匂いがする。
危険を察知し、全員、残像を残して、その場を離れる。
光は強さを増し、太陽のように輝いていく。
意識を失う寸前、光が私を包み込んだように感じる。
迎えが来たか……
光は弾けたように消える。
覆面男達はようやく目を開ける。
本があった周囲には、隕石が落ちてきたかのようにクレーターが出来ていた。
「******!!!?」
白仮面達は悲鳴のような叫び声を上げる。
ゴブリンは驚愕の表情を浮かべながら真っ先にそこに向う。
見渡すと、殺した少女と外国人がいなくなっている事に気が付く。
口を開けて呆然とする。
「***……」
1人の白仮面が声を掛ける。
瞬間、ゴブリンは歯を食いしばり、眉間にしわを寄せた。
「*****!!!」
拳を上げて何かを叫ぶ。
叫び終えると
ゴブリン達の地面から紫色の魔法陣が発生し、消えていった。