14本目
ブクマが一桁超えただとっ!?
Σ(゜Д゜)
朝から神父様に怒られるという最悪なスタートとなってしまった。
これもひとえに父の言い訳が下手だったのが原因だと思う。
どう考えてもあそこは神父を殴り倒して、強制的に二度寝させてあげるのがベストだったと思う。
もしくは神父を蹴り飛ばして、意識を刈り取って強制的に二度寝させてあげるのがベターだったかもしれない。
「アガト、さっきから顔が強張っているがそんなに野営するのが不安なのか?」
「別に野営に不安はないけど、さっきの神父に対する父さんの演技には不満があるかな」
心当たりがあるのだろう難しい顔をするも無理矢理、話題を修正してくる。
「安心しろ、しっかりと野営のいろはを教えてやるからな」
修正じゃなかった。スルーしやがった。
父の言葉を聞き、俺は『肉壁』に話しかける。
「だ、そうだ。肉壁。しっかり、父さんの教えを受けて野営のいろはを俺の替わりに学ぶんだぞ。わかったな?」
「ガウッ!」
俺も野営の知識を学ぶ気はあるが実践はするつもりはない。
特に不寝番とかね。
なのでその辺りは全て『肉壁』にやらせる気でいる。
これも不遇にも俺に拾ってくれと付いてきた憐れな森狼の運命なのだろう。
その後、父と和気藹々と軽い休憩を挟みながら森の中を進んでいくと陽も落ち始めてだんだんと辺りが暗くなってきた。
「アガト、今日はここらで野営をするぞ」
父の判断を皮切りに本格的に暗くなる前に野営の準備を始め、肉壁には薪になるような木の枝を集めるように指示を出す。
◇
パチパチと枯れ枝がはぜる焚き火を囲み、塩を振っただけの肉が焼かれている。
そして、肉が焼けるまでの間に今夜の不寝番を決めるようだ。
「まずは俺が不寝番をするから2時間経ったら、次は交代でアガトが肉壁と共に2時間不寝番をしてまた、俺と交代。それを交互に行っていく」
「父さん、不寝番は父さん・肉壁・父さん・肉壁といった感じに交互で良いじゃないかな?」
「不寝番はさっき言った通りだ。さて、そろそろ肉が焼ける頃だな。アガト、その肉なんてちょうど良い焼け具合いだぞ」
「・・・わかった」
父も日々、俺に対する免疫力を上げてやがる。
結局、言葉では『わかった』とは言ったが時計もないのにどうやって2時間をはかるのやら・・・。
焼いた肉を食べ終わると父が早くも不寝番に立つと言い出し、俺に寝るように言うので肉壁を枕にして寝る。
元々、寝付きは良い方なので苦労なく寝ていたら、父に起こされた。
「アガト、2時間経ったから交代だ」
父の言葉で不寝番に立つと早々に父は横になり、寝息を立て始めた。
俺はスキル索敵で辺りにモンスターがいないことを確認すると今回の遠征での真の目的を果たす為、夜空を見上げた。
「(1、2、3、4、5、6・・・)」
何をしているかって?星の数を数えているのだよ。
別に俺が天体観測が好きでやっているではなく、ましてやメルヘンに目覚めた訳でもない。
こうすると何故かスキル【夜目】を早く覚えるのだ。
VRゲーム時代の小技みたいなものだ。
「(295、296、297、298、299、300・・・っ!)」
ちょうど、300個数えたところでスキルを得た手応えを感じた。
早速、確認してスキルを入れ替える。
《スキル》
1.『弓術Lv:7/10』
2.『索敵Lv:6/10』
3.『隠密Lv:6/10』
4.『夜目』NEW!
5.『体術Lv:4/10』
6.『回復Lv:3/10』
7.『無魔法Lv:6/10』
8.『クリティカルLv:2/10』
9.『健康体Lv:7/10』
10.『無限収納』
スキル【夜目】にレベルはない。覚えれば最初から100%効果を得ることが出来る優良スキルである。
夜目をセットしたことにより、視界は良好になり、目的も果たした。
ちょうど、時間も体感で20分くらい経っただろうか。
「(そろそろ交代時だな)」
俺はぐっすりと寝ている父を起こす為、声をかける。
「父さん、2時間ぐらい経ったよ」
「ん?ん~、もう経ったか・・・」
父が起き上がるのも見届けずに俺はさっさと交代してすぐに寝るのであった。




