Part4 創作物ではニートが最強とされるが……?
創作物ではニートが最強とされるが、んなわけない。生きたいと思い行動する人間が、最終的には最強である。人とは存外、しぶとい生き物なのである。
・三十歳童貞ヒキニート
・理想
三十歳を過ぎても童貞を貫き続ければ魔法使いになれる。そう信じた男は自室でパソコンに向かい鼻くそをほじりながら古今東西これほど杜撰な将来設計はないだろうと思われる将来設計をし始めた。
男:『んんぁぁ~~~、三十過ぎても童貞だと魔法使いになれるのかぁ~~~じゃああと十年自宅警備員頑張ろう』
母:『俊彦ちゃん。この前お母さんの友達がね、俊彦ちゃんでもやれる簡単で稼げるアルバイトを――――』
男:『うっせぇなババァ! とっとと飯を置いて仕事いけや!』
母:『でもね俊彦ちゃん、大学も行かないで日がな一日部屋に籠ってるだけじゃ駄目だとお母さんは思うのよ。健康にも悪いし、働き始めれば――――』
男:『うるせぇっつってんだろうが!! 俺は今も立派に自宅を警備するって云う仕事をやってますぅぅ!! そもそも外に出て働くなんて負け犬のやることなんだよ! とりあえず十年くらい家守ってやっから、ありがたく思えよな!』
母:『……………じゃぁ、お母さん仕事に行くからね』
~十年後~
男:『ふぉぉぉぉぉぉぉ!! なんかしらんが変なのが腕から出せるようになったぞ!!』
女:『キャ~~~!! 俊彦さんカッコいいわぁ!!』
その後、男は六本木の一等地にメェンションを建て、自分に反抗する全てをねじ伏せ日本を(経済的な意味で)沈没させた
・現実
~十年後~
男:『何だよ、三十過ぎても何にもならねぇじゃねぇかよ。やっぱりネットの情報なんてクソだな――――そういや今日はやけに飯が遅いな。おい糞ババァ!! とっとと飯を持ってこいよ!!』
返ってこない返事に訝った男は約十数年ぶりに部屋を出ると、部屋の外は変わり果てていた。
手入れされていた観葉植物は腐り果て、床はすでに沈殿した埃で見る影もなく、これまで食事を置かれていた場所だけが奇麗な状態だった。
階段から母親を呼んでも返事はなく、十年で見事に肥え太った男は重苦しい体を引きずりながら階下へ降りていけば、そこだけ清潔に保たれた階段の一段目に『俊彦ちゃんへ』と書かれた封書があった。
母:『この十年でお父さんとよく話し合い、先月お父さんが亡くなったのを機にお母さんは決めました。私たちがいては俊彦ちゃんの人生設計が台無しになってしまいますから、お母さんは一足早いですがお父さんの許に逝ってきます。俊彦ちゃんは俊彦ちゃんの人生を生きてください。
母より』
見る影も無くなってしまった家を散策するまでもなく、リビングに目を向ければ――そこには怒りなのか悲哀なのか、其れとも悲愴なのか慈愛なのか、何ともつかない表情で階段を凝視しながら首を吊り絶命した母親の姿があった。
男:『おい糞ババァ、何冗談やらかしてんだよ。親父がいなくなったなら、お前がフーゾク行って稼げばいいだけじゃねぇかよ――おい、明日の飯はどうするんだよ! おいこの糞婆! 俺がこうなっちまったのはお前らのせいなんだぞ! 分かってんのか!』
この後、男は生活保護の不正受給で逮捕された。
穴:『昨日午後1時35分、両親の生活保護を不正に受給していた容疑その他死体遺棄など複数件の容疑で三十五歳無職の男が逮捕されました。男は警察の取り調べに対して“母親が許可もなしに勝手に死ぬから仕方なくやった。ネットで見かけた書き込みのせいで十年無駄にした。俺の十年を返せ”と容疑を認めています』
・サブマシンガンの威力
よくドラマなどではサブマシンガンを持った相手に対し素手で挑んで銃弾を掴んだ挙句倒すシーンを見かける(しかも拳銃より弱い風な描写)が、呆れて何も言えない。
・理想
相棒のチアッパライノを片手に、彼女は標的の現在地を確認するため物陰から少し、顔を出した。
熱砂と火薬の香りとひりつくような逆光が眩しい中でちらりと見えた男の位置は先ほどと変わりがなく、その手には今日日見かけるには珍しいともいえるイジェマッシェ社のPP-19が構えられ、直後発砲された。
物陰に再び隠れるまでに見えた彼我の距離は100m前後といったところか。射程の短いSMGに対しこちらは装弾数六発で発射に癖のあるチアッパライノだが、当てられない距離ではない。
モスクの見える方向、相手とは反対方向の通りに紛れ込むと、相手のよく見える民家の屋上に向かう。
石造り、というよりレンガのような作りの家だらけで掴む物にはさして困らない。そのままロッククライミング宜しく上り切った先、相手は先ほどの場所で注意深くあたりを警戒していたがしかし、移動しなかったのが運の尽きだった。
彼我の距離はざっと140m。この距離であればSMGの弾なんぞは当たらない。
「Rest in Peace」
チアッパライノの銃口を向ければ、今更に気が付いた男がPP-19の9mm弾を乱射するが、当然当たるはずはない。同じ拳銃弾のはずなのに明らかに威力が下がっているのが見て取れる。
頬を弾丸がかすめていくが、気にせずにチアッパライノの狙いを定め、引き金を引いた。
.357マグナム、直径にして9mmの弾丸が正確に男のSMGの銃身に吸い込まれ、爆発した。
ばらまきが思となるSMGでは拳銃やアサルトライフルのような精密射撃は不可能だ。拳銃よりもバレルの口径長は伸びていてもレスポンスを上げすぎているから弾丸はあちこちに飛んでいくし拳銃弾を扱う分威力はさらに落ちる。拳銃だけでSMGは簡単に鎮圧できるのだ。
この後男はモスク内より狙撃されて命を落とした。
・現実
相棒のチアッパライノを片手に、彼女は標的の現在地を確認するため物陰から少し、顔を出した。
熱砂と火薬の香りとひりつくような逆光が眩しい中でちらりと見えた男の位置は先ほどと変わりがなく、その手には今日日見かけるには珍しいともいえるイジェマッシェ社のPP-19が構えられ、直後発砲された。
物陰に再び隠れるまでに見えた彼我の距離は100m前後といったところか。射程の短いSMGに対しこちらは装弾数六発で発射に癖のあるチアッパライノだが、当てられない距離ではない。
モスクの見える方向、相手とは反対方向の通りに紛れ込むと、相手のよく見える民家の屋上に向かう。
石造り、というよりレンガのような作りの家だらけで掴む物にはさして困らない。そのままロッククライミング宜しく上り切った先、相手は先ほどの場所で注意深くあたりを警戒していたがしかし、移動しなかったのが運の尽きだった。
彼我の距離はざっと140m。この距離であればSMGの弾なんぞは当たらない、と彼女は思った。
「Rest in Peace」
チアッパライノの.357Magが轟音と共に発射され――男の肩を撃ち抜いた。
彼女はそのまま発射点から移動せず次弾を発射しようとトリガーを引く。それは目の前の男と同じタイミングだった。
9mm弾はそれなりにばらけて発射されているが、拳銃よりもバレル口径長が長い分銃口初速は拳銃よりも圧倒的に早い。初速が拳銃よりも早いということは.357magとほぼ同じ弾体重量を持つ9mm弾の方が威力は上がる。ほんの少しの差ではあるが、その差が命取りだ。
拳銃よりも、それもリボルバーよりも圧倒的に素早く、ある程度的確に、ばらけながら迫る。
堪らず、彼女は貯水タンクの陰に隠れた。9mm弾が貯水タンクの鋼殻を食い破って到達できるのはせいぜい1m。水の体積は空気の10倍以上であるから、食い破ることは出来ても威力は倍々算式に減っていき、結果的に食い破ることは不可能だ。それが時間の問題だとしても。
まず一発、貯水タンクの右わきから顔を出し一発――至近弾。
2発目、貯水タンク左わきから顔を出してダブルタップ―― 一発は左腕に吸い込まれたが一発は大きく外れることとなった。
水の殆ど抜けた、盾の代わりを為さなくなった貯水タンクが銃弾の雨を受けている間に、反対方向から飛び降り室外機を伝って地面へ、そのままモスクの方向へ向かいながら路地を挟み幾度とない銃撃。
お互いに通行人のことなんぞ気に留めていられない。他のことに気を取られた瞬間に死ぬということを理解しているからこそ、お互いの死合を邪魔する輩を悉く血祭りに。
警察も、対立する殺し屋も、正義漢も。
砂岩とレンガによって形作られる中東特有の積み上げるような建築物にあれよあれよという間に打ち込まれる銃弾の数は最早100を超えてまだ収まる様子はなく、納めるつもりもない。
モスクに着いた時、二人は最早満身創痍。お互い銃創を其処彼処に負い、出血もそれなりの量になっている。アドレナリンの過剰分泌によって血行も大分良くなっている。
撃ち合えたとして、精々一発が限度だ。一発で十分だ。
愛用のチアッパライノをホルスターに戻し、姿勢を低くする。相手もそれに倣い、姿勢を低くしながら右腰のジェリコ941に小指、薬指、中指の順で這わせて奇を衒う。外は夕暮れ時に見られる幻想的なまでの配色に彩られた、マジックアワーだった。
ジリジリと横へ。右へ、左へ、引いては押し、押しては引く。いつ途切れるかもわからない極限の緊張状態の中で、その時は刻一刻と近づいてくる。
夕日が地平線へ沈むその一瞬、その一瞬の輝きを逃さぬ位置にある鏡――幸いなことに男は気が付いていない。やり取りに夢中で、最早四方八方周りを囲み事の顛末を見守る暗殺部隊にすら気が及ばぬほどに。
砂漠に夜がやってくる。
あるものは明日の身支度を終え、いつ死ぬかもわからない悠久の余暇を楽しみ、あるものは家族と食事に付ける己の幸運を神に感謝し、あるものは復讐のために闇夜に紛れ――そしてある者たちは殺し合いの最終楽章にその身を以て立ち会っている。
しかして、その時はやってきた。
一瞬の輝くような日の光が鏡に反射した瞬間、二人ともに腰から己の相棒を抜き出し一発。お互い渾身の一撃を見舞う。
だがその一瞬、男の視界は白濁し目の前が見えなくなった。反射光が男の目を眩惑したのだ。
一瞬ズレた像に向かい、お互いに一発と暗黙の裡に決めたルールに従い、発砲。
男はこの時、身を翻してでもモスクに張り出す支柱に身を隠せばよかったが、殺し合いをし過ぎた人間は往々に、特に殺しを生業にしてきた人間は往々に、憧れてしまうものだ。
西部劇のガンマンやジャッキー・チェン、リーサルウェポンやリベリオンのような無双、ターミネーターや男たちの挽歌、そういった映画にありがちな決闘――そういった物に憧れを持ってしまうのだ。仕方のないことだろう。
生き残ったのは彼女だった。脇腹に一発、内蔵は傷ついていなかったが、最早これ以上戦えまい。
足を引き摺り、霞む視界に任せて中東の街並みへと、殺し屋たちは最後のミッションに臨み、そしてやり遂げた彼女の道を阻むことはしなかった。敬意を以て、その道を譲った。
砂岩とレンガの階段を下りて、足が縺れて砂地に身を横たえた彼女に、しかし語り掛けるように、彼女の守りたかった者の笑顔が浮かんだ。誰かの命を犠牲に生き残らせた、彼女が生涯で唯一守りたいと願った存在の。
死んでいられない。死んでいられるものか――
違法駐車されたライトバンのエンジンをかけ、リバースからローギアへと。
クラッチを踏み込み勢いよくアクセルを踏み込むのと同時に放してやれば車を進みだした。
長閑な森林と砂漠とオアシスと険しい山々のある、この世界のあらゆる環境の見本市とすら呼ばれるシェオール・アナトリア自治共和国。
その一角にはここに根を張り勢力拡大を目論み鎬を削り合うマフィアすら喧嘩を売りたがらない狂犬がいるとされ、狂犬と、狂犬の愛した者たちの営む喫茶店は、自然な成り行きで聖域、不干渉地帯とされるようになった。
なんかこのシリーズで一番幸せになっててむかつくんだが(魔)
・解説
通常の9×19mmパラベラム弾を扱う拳銃と通常の9×19mmパラベラム弾を使うサブマシンガンなら、サブマシンガンの方が威力は上がりやすい傾向にある。
日本のアニメなどでも定番になったベレッタ92fsでもバレル口径長は約140mm(14cm)に対し、今回の話で登場したPP-19 Bizonのバレル口径長は約240mm(24cm。両者とも製造上発生しうる公差含む)。単純に約2倍になっている。このため銃弾がバレルを抜けるまでにかかる時間が増え、結果として初速が上がり、弾の命中精度も上がり、飛距離も伸びる。
これはなぜかと云えば、銃身自体が圧力鍋のような物だからだ。
銃弾と云うのはしつこいようだが、薬室に送り込まれ銃爪が引き絞られることによってトリガーと撃鉄、若しくは撃針との連携を取るシアーと云うパーツが一時的に外れることにより、勢いよくハンマー、若しくはファイアリングピン若しくはそれら両方を開放する。
ハンマーか若しくはファイアリングピンか若しくは両方に仕込まれているスプリングの圧力が解放されると勢いよく前進し雷管を叩くことでプライマー内に内蔵の火打石のような物に点火、内部の火薬に熱エネルギーが加えられ急速膨張(つまり燃焼)、気体体積が個体の数十倍にまでなり薬莢内が圧力過多となると、増えすぎた圧力を逃がすため弾薬がバレル内のライフリングに沿って弾頭部分が回転しながら膨張した火薬の燃焼ガスに押され、より圧力の少ない場所若しくは逃げやすい場所に向かって前進する。
この結果、バレル内を回転若しくはただ進んでいく弾頭部分を押し出すガスの他にライフリング若しくはポリゴナルライフリングや滑腔銃身ならば目に見えない隙間から燃焼ガスが多少吹き出すことになるが、概ね銃身内部も圧力が高い状態を維持し、弾体が抜けると同時に圧力が分散、それから数舜の間が開いて薬室内圧力が下がると同時に薬室内に残った圧力と反作用でスライドやボルトキャリアが後退、薬莢を排出すると同時に次弾が装填され、次弾発射可能になるということだ。
ある程度説明を簡略化したが、要するに銃身を抜けるまで銃身内の圧力はある一定をある程度保っていることになる。そこで理科の時間などで習う運動エネルギーなどの話になるが、要するに物体の滑走する距離が長くなればなるほど弾薬に掛かる運動エネルギーは増えることになるのは分かると思うが、それが銃身内部でも起こっている。
拳銃と云うのは携帯できる銃器のこと全般を指し、拳銃弾で一般的になった9mm弾にはある程度最適な銃身長と云うのがあるのだが、それを実現した場合サブマシンガンも拳銃もその傾向性を著しく損なうため最適な銃身長ではなくそれぞれの用途に合った長さをしている。
拳銃は大体80~一番長い物でサプレッサー込み250mm、サブマシンガンなら140~一番長い物でサプレッサー込み、携行性無視のライフルレングスで350mm、M4PDWのような特殊な物なら450mmくらいのライフルレングスになる。
ただ長ければいいというわけではないが(後述)、短すぎれば弾が銃身内を滑走する距離が減るため弾がばらけやすくなり、長ければ長時間弾が銃身内に残留するためある程度弾の挙動をコントロールできる。
つまり燃焼ガスによって弾丸が滑走する距離が長くなるため、同じ銃弾若しくは同じくらいの弾頭重量を持つ弾丸でも銃身内により長く残留するサブマシンガンの方が拳銃よりも初速が上がり、結果的に弾丸の威力は高くなる傾向にある。
ちなみにサプレッサーに通常弾薬を利用した場合も同様の効果が得られる。亜音速弾を用いると弾体威力が通常弾薬より下がることになるが、サプレッサーを利用することで初速が微妙に上がっているためトントンである、なおゲームで威力が下がる風に演出されるが、普通は威力は下がらず、逆に上がる。そういうゲーム演出は恐らく亜音速弾を用いているという演出なのだと思われる。仮に本気でサプレッサーを使うと威力が下がると思っているならリサーチ不足である。
さらにちなみにだが、銃身の工作方法は複数あり、拳銃以外の大砲などだと滑腔銃身(内部がツルツルになっている)もあり、軍用拳銃だと滑腔銃身に近いポリゴナルライフリングも増えてきている。これらは作業工程が減るため単純に導入コストが安くなり易くなる。その分燃焼ガスが抜けやすかったりすることもあるが、それによって絶望的に弾丸の威力が下がることはない。
・警察ドラマの理想と現実
警察ドラマなんてね、10割フィクションなんです。なお主犯の名前は最近流行りの“滅茶苦茶名前が長くて見ている側が名前を覚えられないキャラクター”という要素です。
・理想
俺は捜査一課の宗佐一華という。名前は女みたいだが、れっきとした男だ。
俺の仕事は日夜テロリストや政治家の汚職を暴いて逮捕することだ。自慢ではないが、俺はこの警官という官職に就くために生まれてきたのだと思うような今日この頃だ。
中略!!!!
街中を疾走する影が二つ。超自然派テロリスト集団クレイジーキューティーキャッツ、略称C∴C∴Cの主犯、御貸猫三郎彦助左衛門尚隆十郎之介安土桃山毘沙門天堂勝鱗太郎森次三之助アリシア・フォックス=ゲオルギエブナ=エスターライヒ・アウグスタ・マリア=テレジア中略ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン・オーストリア黒大使花中島将、通称花中島将、本名御貸猫三郎彦助左衛門尚隆十郎之介安土桃山毘沙門天堂勝鱗太郎森次三之助アリシア・フォックス=ゲオルギエブナ=エスターライヒ・アウグスタ・マリア=テレジア中略ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン・オーストリア黒大使花中島将と、それを追う宗佐一華の姿があった。
「まて花中島! お前には法廷で然るべき裁きを受けて貰わなきゃ俺の点数にならないんだ! 俺の点数の為につかまってくれ!」
「誰がお前の点数の為につかまってやるか! こっちは外患誘致罪に爆弾テロ未遂に留置場への細菌テロに犯罪者脱獄幇助その他1万5千件の余罪があるんだ! 確実に死刑じゃねぇか!」
「犯罪を犯す方が悪いんだ! 世の中変えたいなら金を積むか正しい方法で変えろよ!」
「正しい方法で世の中が変わるわけねぇだろばぁぁぁぁか! 刑事ドラマの見過ぎなんだよ!」
「あんだとこの野郎言わせておけば好き勝手云いやがって! 俺は優しいから、小指落とすか湾に沈められるか好きな方選ばせてやる! どっちがいい!」
「どっちも嫌だからこちとら100kmもお前と逃げてんだよ!」
徐に宗佐一華が胸に手を伸ばした先にあったのはS&WのM3913を取り出し、略称花中島将に向け、発射した。
サイレンサーやコンペンセイターのない剥き出しの銃身から放たれる落雷のような轟音と共に発射される9mmパラベラム弾は一直線に花中島将の胸の中心を狙って突き進んでいく。
後退するスライドから零れる発射ガスとエキストラクターに引き出された薬莢。ティルトバレルによる滑らかかつ鋭い反動を引き連れて銃身は2~4度ほど上向くと、それにつられて手首が上に持ち上げられる。
走り続けたことによる汗が、発射の反動を吸収しきれなかったせいか振り乱されるようにして街路に転がり落ちていく。
路上に血の花が咲いていた。巨大な血の華が。それは彼の視線の先にあるヒガンバナよりも赤く、大きく、宛ら割れた水道管のようにその花弁を大きくしていく。
銃弾は花中島の胸を貫通して電信柱に突き刺さっていた。血肉がこびり付く暇もなく、抵抗する暇も与えず、彼は絶命した。
息も絶え絶えになりながら、宗佐一華は自分の右手に握られたM3913を見やると、目の前の花中島将の死体に目をやり、しかしてこういうのだった。
「いいか、教えてやるよ。正義は絶対に勝つんだ。俺たち警察こそが正義なんだ」
花中島将の射殺体の上に座り込み、だが彼は黙祷することもなく懐から煙草を取り出して火をつけた。路上喫煙禁止区域にも拘らず。
・現実(実体験三種盛り)
私(大学在学時)が父と別荘に向かっている最中のことだ。
埼玉県に入って外環自動車道に乗り込むと、そのまま流れに沿ってしばらく60kmほど走行しそろそろ茨城県との県境に入り込む辺りだった。
急に車列の流れが悪くなった。車列の最前列を見てみれば、ゴテゴテに盛られたトラックが45km程度で走行している。邪魔だと思うこちらの気も知らずに、デコトラの運転席の窓からはタバコを持つ右手と登り龍の刺青が見えた。
しばらくそうして45km、30kmほどとどんどんスピードを遅くしながらも走行して、追い抜こうとしようものなら先回りをする始末。そうしているうちに白バイの姿が見えた。あのデコトラを排除してくれるかと思ったがしかし、その希望はものの見事に破られた。
『そこの普通自動車、止まりなさい! ナンバー(うちの車のナンバーとうちの車の目の前の車)!』
指示通り安全地帯に入り込んで止まると、白バイ隊員からは耳を疑うようなセリフが。
「何であんな低速で走っていたの」
父「一番前のデコトラが遅かったからですよ」
「追い越せばいいじゃないの」
私「追い越そうとすると邪魔されるんですよ」
「あっそう。でも減点事項には変わりないから減点するよ。昔は警察も速度超過でしょっ引くことはあったけどさ、今は流れを優先しているから文句言わないでね」
私「その流れを阻害しているのがあのデコトラだったのに?」
「だから速度出して追い越せばいいじゃないの? それと高速道路では指示速度80くらいだけど、全体の流れを鑑みて基本的に速度超過はいくらでもしていいんだけどね、指示速度を下回ったら減点だから。あ、君免許持ってないからわからないかごめんごめん」
散々馬鹿にした挙句、特に何かしたわけでもないうちと目の前にいた乗用車の運転手がそろって減点を食らい、罰金関連の長ったらしい話をされたのちに解放され、結局父はムスッと黙り込んで不機嫌そうに愛車を転がしている。
大体速度60~70kmを超えたくらいの時、白バイが見えた。よく見れば、それは先ほどの白バイで、どうやらまた私たちがターゲットにされたようだ。
「今度は指示速度違反ね」
私「全体の流れを優先するから多少の速度超過は見逃すんじゃなかったの?」
先ほど子馬鹿にしたように話していた内容を突き付ければ、しかし彼はあっけらかんと、若しくはさらに馬鹿な物を見たような横柄かつ非常に無礼で傲岸不遜な態度でこういうのだ。
「速度超過くらいは見逃すのがマニュアルだけど、結局僕からそれを聞いて速度超過して走り出したのは君たちが選んだことでしょ」
私「じゃあどうすればいいんでしょ」
「そりゃ指示速度通りに走って貰えばそれで万事解決じゃないですか」
私「でも余ほど酷い場合でない限り指示速度違反くらいは見逃すんですよね?」
「見逃すよ? でも見逃す前提で速度違反は困るなぁ」
呆れた。矛盾も良い所だ。どっちなんだと云ってやりたいが、この手の奴はそうした態度を取った瞬間公務執行妨害とか騒ぎ出すのだ。
その後、速度違反がさらに上乗せされて更に父が不機嫌になった。
しょうもないので埼玉県警に電話して上記の対応をされたと被害通報をすると、しかし埼玉県警の電話を担当した者は信じられないことに即答で答えた。
全く何の疑問もなくいつも言っているようにスラスラと即答でそれが返された。
「うちの管轄にそんな白バイ警官はいません!」
私「警察手帳見せられましたし名前も一字一句間違っていないはずですけど」
「コスプレイヤーじゃないですか? とにかくうちの管轄にそんな職員はいません」
私「じゃあ先ほど貰ったこの速度違反の切符に関しても報告は一切ないということですね? 是には従わなくていいということですね?」
「いえ、報告は受けておりますので罰金は払っていただきます」
これが埼玉県警の、というより警察全体のやり口である。何度も何度も矛盾した内容で迷惑をかけて置いて絶対に謝らない組織内部の人間の法令順守義務違反行為を庇い立てする。
その他にも、私はこういった対応をされたこともある。
私が中学生くらいの時、ロードバイクで出かけた先、茨城県五霞市内で迷子になり、最寄りの交番で道を聞こうとした際のことだ。
交番の横引き扉を開けて中に入った私は詰めていた警官に道を尋ねようとしたのだが、しかしその警官は読んでいた雑誌を適当にデスクに放り投げると指名手配犯の写真が並べられたポスターを指さしてこういう。
「君はこれか?」
一番左端の男だった。凄く年季の入った白黒写真で、60年代辺りから未だに捕まっていないらしい。
私が違うと云うと、警官は別の指名手配犯の顔写真に指を挿した。
「ならこれか?」
そんな不毛なやり取りを何回も繰り返すうちに警官は目に見えて苛立ち、ついには机を殴りつけて怒鳴るのだ。
「ならどれなんだ!」
私「どれでもないですけど」
「お前みたいなのは自首しに来た犯罪者って相場が決まってるんだよ! 何やった! 殺しか! 窃盗か! 誘拐か!」
私「どれもやってません。道を尋ねたくってきたのに何でそんなこと言われなきゃならないんですか」
そんなやり取りを続けるうちにわらわらと交番の奥から警官がやってきて、三人が私を取り囲んで逃げられなくした。
「サイクリングなんて嘘だ。本当のこと言え本当のこと! あの自転車に死体でも吊るしてどっかに捨ててきたんだろ!」
私「荷台の無い上に泥除けの無い自転車にどうやって死体を吊るすんですか」
「荷台なんていくらでも付けられるだろうが」「そうだそうだ」「君、本当のこと言ってすっきりしたほうが良いよ」「中学生なんて言うのも嘘だろう? 生徒手帳なんていくらでも偽造できるんだからさ」
この後数時間拘束され、片を叩かれたり椅子蹴られて尻もちつかされたりと散々だったが、結局解放された。
家に帰りついてから茨城県警に電話を掛けたが、やはり茨城県警は上記のような対応。つまるところ『そんな交番も警官も存在しません』という返答であった。
警察庁の方に電話をしてもあまりにも常軌を逸した対応であったからかいたずら電話だと思われ、
「本当はそんな警官いないんでしょ?」
「嘘云ってこっちを困らせようとしているのは分かるけど、その暇を使って勉強しなさい」
「なら被害届書く? 云っちゃ悪いけどね、警察に裁判やっても勝てる確率0%だからね。警察のケツ持ちは国だから」
ちなみにケツ持ちと云う単語を知ったのはこの時が初めてだったが、具体的に知ったのは高校生の時だ。
このほかにも、活動報告でも書いた内容だが、姉のパソコンでyahooのメールを使っている時、メールを開いた途端に背景扱いでAVが垂れ流され始め(それも消えない類の奴)、入会費一億五千万を払えとか様々な内容のメールが来るようになったということで警察に被害届を出そうとしたのだが、
生安『変なアドレスだってわかってて開いたんだから我慢しなさい』
生安『そもそもパソコンなんてものを使っているのが悪い。私たちが子供のころにはそんなものはなかった』
生安『クレジットカードの情報が盗まれて悪用されたわけでもなければヤクザ者が辺りをうろつく様になったわけでもないなら犯罪性は薄いから警察じゃ対処しない。そんなに気になるなら殺し屋でも雇えばいい』
生安『取り敢えず、警察は何か問題が起こってからでないと動けないので問題が発生してからもう一度電話をしてください』
私「その間に何かあったらどうするんですか」
生安『死亡するような事案なんてこの手のことじゃ稀ですし、仮に死亡したとしても死亡してから電話をしてくれればすぐに駆け付けます』
一応もう一度言っておくが、これは全て事実だ。実際に体験したことだ。何年も前、茨城の件とワンクリック詐欺に関しては10年近く前なので最早どうしようもないが、やられたほうは憶えている。
1年ほどエタっておりましたが、そうですネタ切れです。だからTwitterの安価なんかに頼ったのです何か悪いでしょうか(逆切れ+本編書きかけの部分を書き直して時間稼ぎ)。
次回はTwitterの安価でやったように、銃の構え方、マグチェンジの仕方、リボルバーが頑丈の定説についての個人的な感想の三本をそれぞれ投稿したいと思います。と云うか、私って銃の妖精か何かだと思われているのかしらん?(いやまぁ、魔弾の射手だから合ってるっちゃあ合っているけど……)