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あの日僕は死んだはずなのだが  作者: さかなクン
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死を決意したはずなのに

「正確には、今は、死んでる状態です。

いいでしょう、おバカさんのために説明しましょう。

貴方は自殺を図ったでしょう。

死ぬときは基本、生前のの経歴をみて"天国"と呼ばれる極楽浄土の世界か、"地獄"と呼ばれるあの世の果てに行きます。

ですが、自殺者は例外的に、地獄へ行く確約コースが適用されます。前世何をしていようと、その手段自体が天国へ行くための審査基準から漏れてしまうからです。

ですがそうなると、自殺者には選択権が無くなってしまう。

その為に、自殺をこのまま遂行し、地獄に行きたいと望むか、果てまた未遂にしこの世という天国へ留まるかを選択する為に私達"自殺審判官"が派遣されるのです。すなわち貴方は今、あの世とこの世の狭間でどちらの世界に行くのかを冷静に判断するために留まっている状態にあります。」

…。

落ち着いて考えろ。

今俺の前で起きている事が幻想なのか、現実なのか。

「幻想か現実かどっちだ、なんて訳のわからん事を言わないでくださいね。

これは幻想でも現実でもありません。

考えてください。貴方は死んでいるのですから、幻想も現実もそもそもないでしょう。」

淡々と正論を話す野口。

この非合理的な状況を合理的な意見でまとめるコイツは本当に何者だのだろう。

「…状況は、もういい。俺はどうすればいい。」

もうこうなったらヤケクソだ。

ぶっちゃけ、こんな状況であろうがなかろうが俺に失うものなどない。死のうとしたのだから。

今俺が知らなければいけないのは、コイツの正体でも、これが現実なのかということでもない。

次に何をしたらいいのか、これからどうなって行くのかを紐解くことだ。

「冷静になれば頭はキレる、これも情報通りですね。

今から貴方が死ぬ少し前から、全ての事柄をお見せします。

それをみた上で、もう一度、本当に死ぬのか、生きるのかを決めていただきます。

では岡島さん。短い期間ですがよろしくお願いしますね。」

手を差し出してくる。握手をかわせという事だろう。

「…よろしく。」

俺も手を差し出す。

もはやくそくらえだ。

「では、さっさと参りましょう。おバカさんに話しすぎたせいで5分オーバーです。時間がありません。」

とりあえず、コイツの人を小馬鹿にする話し方はなんとかならないのだろうか。

これは余談ですが、泰介はリアルな世界の中で自分の知人ですがモデルがいます。笑

(ここまでひどくはないと思いますけど)

この程度の不幸で死にたいなんて甘いという方も中にはおられましょうが、人によって捉え方は本当に異なると思います。

あまりに不幸すぎるとモデルの方にも少し失礼なので、現実的にありえそうなラインを表現したつもりですし、結構思い込みによる負のサイクルを作るタイプの主人公なので、今だけでいうと泰介は死ぬほど不幸な気持ちになってます。

この先にどこに進むのか、是非気にかけてやってください。

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