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あの日僕は死んだはずなのだが  作者: さかなクン
2/12

死を決意したはずなのに

仕事を失い、家庭を失った。

結婚して、3年。娘もいた。今年で2歳になる。

あの娘はきっと、父親の存在など忘れ人生を歩むのだろう。


来月は娘の誕生日だった。

早く帰り、妻の作ったご馳走を食べ、娘に誕生日プレゼントを渡す。

なんてことのない誕生日の予定だったが、そんな平穏な日を迎えるどころか2人は自分の目の前から姿を消してしまった。

自分の手元に残っているのは、少し褪せた解雇通知書だけ。

冷たい何かが、自分の頬をツーっと、滴る。

それが自分の涙だと気づいた。

「なんで…俺が…なんで俺がッ!!!!!」



ー・・・俺はあの時死のうとした。なのに。

眼前に広がる、いつもとなんら変わりのない自宅の風景。

なぜ。なぜ俺は今ここにこうして座っているのか。

練炭を焚いたはずなのだ。一度に多くを失ったあの日、俺は安らかに眠るために自室で死を図ったはずだったのだ。

「俺…なんで…」

息苦しかった感覚。

死ぬんだと思った時の感情

最期に見たはずの妻と娘との記憶

たしかに覚えているのだが…


「お気づきになられましたか?」

聞き覚えのない、乾燥した声。

「だ、誰だッ!?」

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