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ゲームハイスクール ~遊びの牢獄~  作者: 愛守
Chapter1‐2 おにごっこ
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ゲームスタート!

 ナハトはより細かい説明を行い、半信半疑だったメンバーを説得した。

 そして、数分が経過し……。


「……え~、プレイヤーの皆様が準備完了なさいました。それでは、ゲームを開始いたします」


 群がる人々は一瞬にしてその場から校舎の各地へと転移させられた。


『こちらは3階Aエリア、多目的ホールの前だ』


 ナハトは作戦通りメンバー全員へ自分の位置をメールした。

 そして、ナハトの携帯へも続々とメールが届き、それをもとに全員の居場所を脳内に思い描く。

 校舎のマップは既に携帯で見て暗記してある。

 そんな中……。


「あ……! カノンさん」

「アイネちゃん! よかった、1人で心細かったの」


 アイネとカノンが1階Aエリアの食堂前で出会った。

 2人の緊張がややほぐれる。


「それにしても、最初におにを追うって聞いた時はびっくりしたね」

「はい。ナハトさん、急に何を言い出したのかと思いました」


 2人はナハトの説明を思い出す。



 ――ゲーム開始前。


「いいか? どこかに隠れて見つからないように祈る、なんて戦術は運頼みでしかない。だからと言って、ずっと逃げ続けるなどというのはもっと浅はかだ」

「じゃあどうするんだよ!?」

「言っただろう? おにを追うんだよ」

「でも、そんなことしたら捕まっちゃうだろ?」

「いいや、大丈夫だ。俺はおにを追うと言ったが、近寄るとは言ってない」


 メンバーはキョトンとして言葉を失った。


「まず、俺たちは校舎へ入ったらお互いの位置を教え合う。おにを見つけたら、尾行しつつその位置と進行方向を全員にメールで伝える。こうしておにと一定の距離を保っていれば、おには俺たちを見つけることができない」

「でも、万が一その尾行している人が見つかったら?」

「まず一声叫べ。それで大体の位置がわかるから、お前らは逃げろ。俺は、できる限り見つかった者へ手助けしよう」

「でも、それじゃあナハトさんが……」

「俺は大丈夫だ。即座に逃げる方向を見定めることができる。お前たちは、俺の心配より自分にできることをしろ」

「えっと……?」


 アイネは首をかしげる。


「おにを探し出し、なるべく遠くから尾行しろ。見失ってもいいから深追いはするな」

「いいんですか!? それで本当に見失っちゃっても?」

「構わない。その場合はすぐに俺に連絡しろ。近くにいる者へ代わりに尾行するよう指示する。もちろん、近くにいるのが俺だった場合は俺がやる」


 ナハト自身も同じ立場であることが明言され、メンバーたちの心の中にあった不平は薄れてゆく。


「まあ、逃げるのと隠れるのを優先しても構わない。おにを追えとは言ったが、くまで捕まらないことが前提だ。いいか?」


 メンバーたちは頷いた。


「そうか。なら、これで以上だ」



 ――そして現在。


「それにしても、こんな戦略的なおにごっこは初めて」

「私もです」


 と、その時。カノンの携帯が軽く震えた。


「……ナハトさんから、2階に移動しろって」

「わかりました。気をつけて行ってきてください」

「ありがとう。またね」


 カノンは階段を駆け上がり、2階へと消えてゆく。その後ろ姿を見送った後、アイネは辺りを見回した。周囲には誰もいない。

 と、アイネの携帯も軽く振動した。


『4階Cエリアにおにがいる。階段の方へ向かったから気をつけろ』


 メールの内容を確認していると……再び振動した。


『メヌエが3階Cエリアを、ミズカミが5階Cエリアを担当してくれている。俺は彼らの援護に向かう。他の奴はなるべく遠ざかれ』


 早くも作戦通りの展開となり、ナハトたちのグループはおにをコントロールし平和かに見えた。

 しかし……。


「あー早くあいつらをおとしいれてやりたいぜ!」

「生意気だよな! こんなに素晴らしい世界を提供してもらってるのに」

「何が彼氏だ! ムカつく!」


 マオたちが2階Cエリアへ集まっていた。


「俺としては余計なことしないでほしいんだよな。あいつらが現実世界と行き来できるようにしたせいで、プレイヤーが減ってこの世界が終わる、とかなったらうらむぜ」

「ずっと遊んでることの何が不満なんだか。全く理解できねえよ」

「面白くねえ奴らだ」

「だからさ、やっぱり俺たち3人で潰そうぜ? このゲームだけじゃなく、次回からのゲームも全てあいつらを落としに行こう!」

「おお! それ楽しそう!」

「何だか俄然がぜんやる気が出てきたわ」

「よし! じゃあ早速混乱の種をいてやろうぜ!」


 マオたちは下品な笑い声を上げた。

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