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第二話 「落ちてくる夜 -Night Come Down-」 03

08◆ 伊勢四郎        シーンプレイヤー:嬉野冬也


冬也: 伊勢さんに会いに行きます!

GM: では関東某所。伊勢ラボです。

冬也: 緊張した面持ちで扉の前に立っています。


 冬也が伊勢四郎の居る研究所の扉の前に立つと、扉の中から一人の気の弱そうな男が顔を出した。ネームプレートの左上には小さく「総責任者」と書かれており、中央部に大きめの字で「伊勢六郎」と書かれてある。


豊前: (六郎になって)あのー、何か御用でしょうか……?

冬也: 伊勢四郎さんにアポイントメントを。

豊前: (六郎で)え? いや、無理ですよ……。

冬也: 「“ファイア・ウォール”だと伝えていただければ大丈夫なはずです。」

豊前: (六郎で)あ、ハイ……わかりました。


 しばらくして戻ってきた腰の低い総責任者の男が、「あ、大丈夫だそうなので、中へどうぞ。」と促し、それに従って冬也は施設の扉をくぐった。

少し歩くと、人一人がようやく入れるくらいの小さな部屋の前に着いた。

「あ、あの……この中に入ってください。」

その言に従って中に入ると、部屋の扉が閉じ、冬也に消毒用の薬のようなものが吹きかけられる。

それが終わると奥に続く扉が開いたが、そこもまた人一人が入れる程度の広さしかない。

冬也が入ると今度は強めの風が身体に吹きつけた。

風が収まり更に奥へと続く扉が開くと、そこにようやく伊勢四郎の姿があった。


冬也: …………。すごい念の入れようですね。

GM: 中に入ると、伊勢四郎が居ますね。情報が手に入れられるかどうかは、伊勢四郎の<知識:レネゲイド>判定の達成値次第です。【精神】は10、<知識:レネゲイド>は4です。目標値は20!!

冬也: 厳しい……!(ダイスを振る)あぁ、15か……。じゃあ、分かるトコまででいいので教えて下さい。

豊前: (四郎になって)えぇ~?


 伊勢の言うことには、「何も分からないことが分かった」らしい。

《猟犬の鼻》を使い身体の状態・レネゲイドの状態を調べたものの、冬也自身には一切の異常は無く、冬也の中に夏樹が居るという証拠を得ることが出来なかったというのだ。


豊前: (四郎で)まあ、新種のレネゲイドビーイングの可能性もあるけどねぇ。 じゃ、ここ座って座ってぇ~。

冬也: ……今後、新しく分かった情報があったら、連絡してもらってもいいですか?

豊前: (四郎で)えぇ? ……別にいいよぉ。じゃ、多めにサンプルもらうねぇ~? と嬉々として注射器を取り出す(一同笑)

GM: ということで、次回以降でまた情報を調べることは可能です。ということで、シーンプレイヤーさん。犠牲者が出るかどうかを振ってください。

冬也: (ダイスを振る)7……。ここで伊勢四郎にロイスを取って即タイタス化・昇華! ――――今回はあまり役に立たなかったな、伊勢さん。(一同笑)(ダイスを振る)12!!

GM: はい、大丈夫です。……俺、目標値言ってないのになぁ(笑)。


09◆ 交錯          シーンプレイヤー:一ノ瀬豊前


豊前: 次は俺の人間バージョンのシーン! 場所は学校です! ……うむ。やはり“クロスブレード”が居ないと落ち着くな……(笑)。

冬也: 俺も登場します! 春日部の様子が気になる!


 学校では、全校集会が行われていた。

校長から河合祥子が繁華街で亡くなった旨が伝えられ、生徒の間からざわめきが起こる。続けて、危険な場所には近づかないようにと注意事項が話された。


冬也: 行方不明じゃなくて、亡くなったっていうことが発表されたんだ?

八雲: 死体もないのに?

GM: です。

八雲: つまり、街ぐるみでそういうことを偽装してるってことだよね。

冬也: ……――――春日部の様子は?

GM: 真っ直ぐ前を向いていますが、握り拳を作ってじっと我慢している感じですね。大瀬も春日部も、ショックを隠しきれない様子です。

冬也: …………。

GM: では登場してる二人は、<知覚>判定をしてください。

冬也: (ダイスを振る)4だ……。

豊前: (ダイスを振る)こっちは6。

GM: では、豊前は分かりますね。


 ふと視線を神前に向けた豊前は、彼が悲しみとは別の感情――――苛立ちの表情を浮かべていることに気が付いた。


豊前: …………。


 全校集会が終わった後、午後の授業が始まろうという時間になっても、春日部は教室に姿を見せなかった。


冬也: ……春日部を探しに行きます。

豊前: こっちは神前に英語で、午後の授業が始まる前に言っておきたいことがあるんだが……と言う。

GM: 「(一つため息をついて)――――(英語で)分かった。」

豊前: では、神前と共に屋上に行く。


 屋上で金網に背を預け、豊前に日本語で問いかける神前。


GM: 「で? 僕に言っておきたいことって何だい?」

豊前: 腹の探り合いは止めよう、イクリプス。

GM: 「――――……ま、いずれは分かることだと思っていたけどね。」

豊前: 今の状況、お前はどう思っている?

GM: 「何のことだ?」

豊前: ――――いいか? 俺はな、将来が約束された女の子が一人死んだってことが許せないんだ! ……「行方不明」ではなく「死んだ」と発表されている現状を、お前はどう考えている?


 豊前の言葉を受けて、神前は髪をかき上げると空を見上げて言った。

「今の状態の方が良いじゃないか――――死体も残らないなんて不幸すぎる。」


GM: 事実としては、先程のマスターシーンで演出されたとおり死体も残りません。ただ、現在は「繁華街で暴漢に襲われて死亡した」とされています。

豊前: 河合の死体が見つかったってこと?

GM: あくまでも今は、「死亡した」という情報が入ってるだけです。死体に関する情報は、これから調べてもらうことになります。

豊前: なるほど。――――俺はこの街でこれ以上、このようなことが起こるのを防ぐつもりだ。イクリプスのメンバーとしてではなく、お前個人はどうするんだ?

GM: 「僕、かい? 僕はセルリーダーの言われるままに動くだけだ。」

豊前: 働き口に関してはそれでもいいだろう。だが、お前にも苛立ちはあるんじゃないか?こうなって欲しいという願望は誰にでもある筈だ――――それがFHに居るお前であれば尚更、な。

GM: 「……それを君に言う必要はないね。」

豊前: いや、あるね。何故なら、お前は俺達を使えるからだ。俺達を使って、お前自身のセル内での地位を上げるなり何なり好きなようにすれば良い。――――目の上のたんこぶが邪魔なんだろう?


 “グランギニョール”とイクリプスの対立を想定して行われる豊前の説得。

それに対する神前の答えは――――。


GM: 「自分のやりたいことに関する道は、自分の力で切り開くさ。お前の力を借りるつもりはない。」

豊前: コネクションというのもお前の力の一つだ。そして、俺とお前は出会った。――――使えるものは全て使え。これは俺の師匠・一ノ瀬晃一が言っていたことだ。だからお前は断らない。


 豊前の言葉に、神前は一瞬怒りの表情を浮かべた。


GM: 「――――――ッッ!!(一瞬で表情を戻して)…………この場で言うことは、何もない。」


 そう言い残すと、神前は踵を返して屋上を去っていく。


豊前: 待て! 河合祥子の仇を取りたくないのか!?

GM: 「――――僕にはどうすることも出来ない。」


 やるせなさそうに呟く神前に、豊前は舌打ちをした。


豊前: ち。使えん奴め! もういい、別のルートを使う!! 表の感情が不信感に変わりました!

八雲: 子供め……(笑)。

GM: なお、今回の豊前の行動で一つのトリガーが引かれました。


 一方、春日部を探しに行った冬也は、体育館で慣れない手つきでバスケットボールをゴールに向かって投げている彼を発見した。


冬也: 春日部。


 冬也が声を掛けた瞬間に放たれたボールはゴールには入らずに跳ね返り、冬也の足元まで転がってきた。


冬也: 黙って、ボールを拾います。

GM: 「やっぱ、付焼き刃だと上手くいかないな。――――部活巡りの時にやったくらいだからなー。……で? 転校生、何か用か?」

冬也: いや、お前が凹んでるんじゃないかと思って。

GM: 「あー……。――――正直、心の整理がつかなくてさ。とりあえず、ボール投げてた。」

冬也: 確かに、身体動かすと何かすっきりするよな。――――ちょっと付き合おうか?


 そう言うと春日部の胸元に向かって、持っていたボールを投げる冬也。

両手でそのボールを受け取ると、春日部はゆっくりとドリブルを始める。

そんな春日部に対し、冬也は少し腰を落として相対した。

 観客の居ない体育館で、しばらく1on1をしていた二人だったが、幾度目かの攻防が終わったとき、春日部が息を荒げながら体育館の床に腰を下ろした。


GM: 「あー……つかれたぁ。」

冬也: 少しは何か変わったか?

GM: 「うんにゃ。」

冬也: ……ま、そりゃそうか。付き合ってたんだもんな。

GM: 「あー……。まあ、付き合ってたとかってんじゃねーんだけどさ。何かがごっそり無くなったみたいで――――実感わかねーんだよ。」

冬也: …………ん、身近な人が突然居なくなると、そうだよな。

GM: 「(自虐的に笑って)悲しいはずなんだけど泣けねーんだよ。……どうしたもんだか。」

冬也: 無理に笑ったり泣いたり、しなくてもいいんじゃないか?

GM: 「今ここで泣いとかねーと、後で泣けるとも思えなくってさ。」

冬也: ………………よし。


 しばし考えた冬也はそう呟くと、へたり込んでいる春日部の近くまでつかつかと近づき、その頬を軽く平手打ちした。


GM: 「――――(きょとんとして)……何すんだよ? 転校生」

冬也: (きょとんとして)あ、れ? 刺激があれば泣けるかと思ったのに。(一同笑)

GM: 「(ふっと笑って)なに? 俺を慰めてんの?」

冬也: 慰めて――――んのかなぁ?(悩)……でも、いつものお前には戻って欲しいよ。

GM: 「ま、よくわかんないけど元気出たわ。」


 立ち上がりながら苦笑する春日部を見て、冬也は小さく呟いた。


冬也: …………慰める、ってこういう風にするもんじゃなかったのかなあ?


           ◆       ◆       ◆


豊前: GM! ここで情報収集ってしていいですか?

GM: どうぞ!

豊前: “グランギニョール”の居場所を探る!

GM: では、<情報:裏社会>で目標値40です!

豊前: 工作員(マグネイト)が居るってことか……。(ダイスを振る)11なので無理!

GM: ということでここで、「河合祥子の素行」(<情報:噂話>で判定)と、「河合祥子の死因」(情報:警察>で判定)が情報項目として挙がります。

豊前: じゃあ最後に、犠牲者が出るかどうかの判定!(ダイスを振る)21!

GM: はい、大丈夫です。


            ◆       ◆       ◆


八雲: あのさ。今回出てきた情報項目を探ると、「河合祥子は実は素行が悪く」て、「繁華街で夜遊びしてるときに暴漢に襲われて死んだ」みたいな話が出てくる流れだと思うんだよね。だから――――この情報項目飛ばさない? 豊前の侵蝕率もキツいし。(一同笑)

冬也: でも、この項目を足掛かりとして“グランギニョール”に近づいていくってシナリオだろうから、そこをショートカットしたところで、如何に目標値40を突破するかが問題になりますよ。

豊前: 今回、工作員の秘匿情報を“グランギニョール”に設定してる「上」の人間が居ることは確かだから、そっちから探るとかかなぁ?

GM: (大笑いしながら)ホントに面白いね、君ら。


10◆ 八重樫の遺志       シーンプレイヤー:菅野道明


GM: では、こちらから一つシーンを投げますね。シーンプレイヤーは菅野!

菅野: はい。


 菅野が支部長室で仕事をしていると、電子メールが届いた。


菅野: 差出人は?

GM: 八重樫です。

菅野: …………開きます。


 菅野は電子メールを開く。

中には八重樫のメッセージが入れられていた。

「このメールが無事に届いてしまった場合、僕はあまり五体満足じゃないだろう。

実は、僕はエンブリオについて調査を進めているんだ。

エンブリオはまだ終わっていない。

――――なんとしても、僕の手で終わらせたいんだ。

一度引き金を引いたのは僕であり、決着をつけるのが僕の責任だと思う。

それが櫻や夏樹、冬也に対する示しかなぁと思うんだよ。

 ……極力他人に判らないように、分かった情報を連携したい。

君しか頼れる人が居ないんだ。

ある程度の情報が解明されたところで、もし僕が居なければ、しかるべく扱って欲しい。」


GM: ということで、アーカイブの調査という情報項目が出ます。今は菅野専用の情報項目です。


 メールには、あるネットワーク上のアドレスが添付されており、それにアクセスすると、あるアーカイブを手に入れることが出来た。

その中身は、数字と会社名が書かれた一覧表だった。


GM: ということで、<知識:会計学>と<情報:裏社会>の判定、両方ともに成功しないと、中身が理解できません。

菅野: …………これは他の人には秘密にしておきます。

GM: なお、八重樫の行動一つ一つが査察範囲に入っている為、全てが監視されています。

菅野: ほう。

GM: つまり、八雲明星もしくは八雲昴からの繋がりで、他のPCがこの情報を調べることも可能です。

菅野: 一応調べてみようかな。難しそうだけど。<知識:会計学>で(ダイスを振る)9!

GM: では、会社の収支を纏めたものだということは判りましたが、<情報:裏社会>は振れません。

菅野: 了解。


11◆ 捜索         シーンプレイヤー:一ノ瀬豊前


豊前: じゃ、支部で作戦会議だな。オコジョが登場!

菅野: 出るよ~。

八雲: 今回はブラッキーは連れずに登場! ここでブラッキーにロイスを結びます! 幸福感/■猜疑心で!

冬也: 俺も出ますー。

豊前: 神前の線はナシだ。あいつは若すぎる。“グランギニョール”については優秀な工作員が情報を隠しているようで、居場所は不明だ。

八雲: ちょっと調べてみたんだけど、至って普通の子だった筈の河合祥子さんに、素行が良くなかったという話が出てきてるのよ。――――つまり観鏡市の警察上層部にそういうシナリオを描いている人物が居る、ということよ。

GM: ちなみに実際に調べては居ないから、ただの当て推量だけどね、その話(笑)。

豊前: まあ間違いなくネヴァーモアの連中の仕業だろうな。

八雲: で、今大事なのは如何に早く“グランギニョール”に辿り着いて、この事件を収束させるかということよ。(素になって)で、今回折角こうやってエリアが分かれた地図があるわけだし、それぞれのエリアに小さく区切って“グランギニョール”を探す判定したら、難易度下がったりしない?

GM: 下がります。UGN支部以外の場所の中から二つを指定して、ある判定に成功すると、そのどちらかに“グランギニョール”が居ることが分かりますね。

八雲: じゃあ、ローラー作戦で行こうか。

GM: ただ、現在ネヴァーモアが観鏡市内に深く根を下ろしている状態なので、それなりの達成値は必要ですよ? 判定技能は<知覚>です!

豊前: よし!《ハンドリング》で出てるから<知覚>に+3だ! まず俺は王道を狙って、繁華街とミラーランドを調べる! (ダイスを振る)12!

GM: それでは判らないですね。

豊前: じゃあ《妖精の手》!(ダイスを振る)14!!

GM: では、繁華街とミラーランドには居ないことが分かります。

八雲: じゃあ次は私! 住宅街と商業区を調べる。(ダイスを振る)7!?

豊前: 《妖精の手》!

八雲: (ダイスを振る)11……。ここで、ブラッキーのロイスをタイタス化・昇華します!(ダイスを振る)よし、21!!

GM: そのどちらかに居ますね。

菅野: じゃ、商業区を調べます!(ダイスを振る)9。ダメだね。

冬也: ……俺も振る? 1Dだけど?

豊前: どっちにせよ《妖精の手》使うんなら、ちょっと冬也の可能性にかけてみたい。

冬也: (ダイスを振る)4。

豊前: 《妖精の手》!

冬也: (ダイスを振る)よし、16!!

GM: では、商業区の中の廃ビルに潜伏しているというタレコミがありました。ですが、ここでクライマックスには移行しません!

冬也: 何かフラグが足りてないのか。

GM: というかですね、ちょっと次にシーンを挿入します。

豊前: じゃあ、このシーンの犠牲者発生判定!(ダイスを振る)12!

GM: はい、大丈夫です。


12◆ Knight Come Down     シーンプレイヤー:菅野道明


 八雲達が支部で作戦会議をしている頃。

支部のある建物近くの路地で、ケージに入れられたクロを大神が見つけていた。

「――――こんなところに入れられて可哀想に。また八雲さんの仕業ね?」

そう呟くと大神は餌を与えようと、クロをケージの外に出した。


GM: ということで、ここでシーンプレイヤーが誰も居ない場合、エキストラである大神は“グランギニョール”からの襲撃を受けて死亡します。

菅野: 俺が出るよ。

GM: ではそこで、“グランギニョール”が《ラビリンス》を使用! このシーンに登場出来るPCは二人までとなります!

豊前&八雲: カバーリング要員で、もう一人は冬也じゃない?

冬也: …………そうかなぁ? まあ、もうちょっと見てみよう。

菅野: 大神を探してちょっと支部の外に出たところで、空になったケージを見つけて、嫌な予感がして走り出します。


 クロを連れた大神を見つけた“グランギニョール”が、足元に居る一際大きな獣に声をかけた。

声を掛けられた獣は、牙を剥いて大神に襲い掛かる――――!


菅野: そこに割って入る!


 獣と大神の間に強引に身体を割り込ませた、菅野のフルボーグ化した腕を、獣の鋭い牙が捕らえる。

“グランギニョール”は続けざまに別の獣に対して同じように命令をした。


冬也: ではここで登場!


 襲い掛かってきたもう一頭の獣が剥いた牙を、作り出した炎の盾を構えた冬也が防いだ。


GM: では“グランギニョール”は残ったもう一頭をけしかけます!

冬也: !!


 三頭目の獣が大神に襲いかかろうとしたその時。

クロが大神の前に立ちふさがり、エフェクトの力を使って彼女を守った。


冬也: この犬も――――オーヴァード……!

菅野: …………。


 両陣による一進一退の攻防が行われる。

冬也が獣達の攻撃を防ぎ、菅野が剣で獣達を攻撃。

クロも、自身の身体を大きくして、獣達の攻撃から大神を守っている。

が、やがて数の上で有利な“グランギニョール”側が、少しずつ押し始めた。


GM: ということで、登場しているPCがメインプロセス1回を行えるものとして判定をしてもらいます! 対象は“グランギニョール”及び獣三体とし、相手は<回避>を行いません。但し、妨害は行うかも知れませんが。結果、【HP】ダメージをいくつ与えたかによって話が変わります。

冬也: 俺、ヴェイパーウォールしか攻撃手段なくて、《コンセントレイト》もないから、菅野さんに頑張ってもらうしかない。一応こっちから振るよ?(ダイスを振る)達成値は11! なのでダメージが(ダイスを振る)22!!

豊前: 頑張った!

菅野: ではマイナーで《ポルターガイスト》! これで101%になる! ただ、ここでこれ使っちゃうとクライマックスで両手剣使えなくなるので、よろしく。

豊前: それはまずいから、クライマックスまでに買うよ。

菅野: 有難う。アームブレードを展開! メジャーで《アタックプログラム》《コンセントレイト:ブラックドッグ》!(ダイスを振る)二回クリティカル……三回目!

GM: 《支配の領域》! その出目を1にする!

菅野: では達成値が21! ダメージは(ダイスを振る)40点!!

豊前: 合計62点!!


 「――――ち。こいつら、意外と手強いな。……もっと食わせなければならんか。」

“グランギニョール”が一つ舌打ちをして呟き、獣達に撤退を命じる。


菅野: 逃がさん!! と追おうとする。

GM: 《瞬間退場》を使用します!

菅野: ――――……(嘆息する)。大神に、無事かい? と声を掛ける。

GM: 「私は大丈夫なのですが――――……。」


 大神が見ている方に目をやると、そこにはボロボロになったクロの姿があった。


菅野: とりあえず、支部に連れて行こう。


 その時、クロの身体の傷が見る間に治り始めた。


菅野: 《リザレクト》か。――――これで裏が取れたな。というところで、俺はクロにロイスを結びます。


 菅野に抱きかかえられたクロは、そっぽを向いてはいるものの、菅野が身を挺して庇っていたことが分かったからか、大人しく抱えられるままになっていた。


冬也: じゃあ俺からこのシーンの情報を八雲さんと豊前に送っておこう。


13◆ 少女と少年        シーンプレイヤー:一ノ瀬豊前


豊前: 菅野用の両手剣を調達します。本体が無名屋で!


 「マスター。スクリュードライバー。それにつまみを少々。」

豊前が仏頂面で注文をすると、マスターがオレンジジュースと駄菓子を出した。


八雲: 私もこのシーン出る! 調達はしないけど、豊前の横でちびちびとジャスミンティーを飲んでいます。

豊前: じゃあそんな八雲を見て今回死んだ河合さんのことを思い起こし、苦い顔になる。


 (八雲は、死なないよな――――……。うん、大丈夫だ。)

心の中で呟くと、豊前はマスターに、菅野に渡すための予備の武器を頼んだ。


豊前: コネ:手配師を使用!(ダイスを振る)35で、余裕で成功!

GM: ではマスターがカウンターの上にゴトリと重厚な剣を置いて、「これだけの業物を用意するのは大変だったよ。――――どうせ壊されるんだろうが。」(一同笑)

豊前: では八雲。この両手剣はお前に預けておく。それと、このオコジョを連れて行ってくれ。

八雲: 分かったわ(笑)。


 豊前から預かったオコジョに油性マジックで太い眉毛を書きながら、八雲は豊前に話しかけた。


八雲: ねぇ、一ノ瀬豊前? 嬉野さまのことなんだけど……。

豊前: おう。

八雲: 私、あの人に嫌われているんじゃないかと思うの。

豊前: ――――その質問が来るということは、何らかのアクションをされたということか。

八雲: されたというか、何もされないというか……。私が何をしても、いつも迷惑そうにしているだけだから、私がしてるのって悪いことなのかなぁと思って……。

豊前: ……ヤツに関しての情報は調べているな?

八雲: (頷いて)もう、根掘り葉掘り。(一同笑)

豊前: ヤツの稼動年数はまだ数年。いくら知識が追いついていて身体的には成長をしていても、経験の足りない子供なんだ。

八雲: んー……恋に年齢は関係ないと思うんだけど……。

豊前: ああ、その通りだ。ただ、それはもう少し年齢が上がってからの話だ。――――例えば、3歳の男の子に対して恋をしたところで、その男の子は答えてはくれないだろう?

八雲: 見返りを求めてはダメ、ということ?

豊前: まあ、恋に年齢が関係ないというのであれば、そうだ。だが、ある程度恋愛感情を持って接したいと思うのであれば、彼にもう少し経験を積ませてやるのも、手だと思う。その一つが高校生活であるわけだ。

八雲: …………。


 豊前に言われた言葉を自身の中で反芻する八雲。

やがて、俯いたまま席を立つ。


八雲: ……確かに。私がして欲しいだけだもんね。……私が我慢すればいいんだ。

冬也: ちょっと、そこで登場します! クロのために応急手当キットを調達しにきた!

八雲: なんと!? 出てきちゃった!! ……じゃあ、嬉野さまの姿を見て慌てたように豊前に、じゃあ私これで帰るから! って言って出て行こうとする。


 入れ替わるように無名屋を出て行こうとする八雲の肩にオコジョが乗っているのを見て、冬也は八雲に声を掛けた。


冬也: 八雲さん、支部に行くなら一緒に行こうよ。

八雲: え?

冬也: 俺、応急手当キット調達したらすぐに支部に戻るから、行くなら一緒に行こうよ。

八雲: それはこの私に、ここで待っていろってこと?

冬也: ど、どうしても一緒に行くの嫌なら先に行っててもいいけど……。

八雲: ~~~~~っ、だって! 嬉野さまは私のことが嫌いだから、ホントは一緒に歩きたくなんか無いんでしょ!? 私の作ったご飯に手もつけないし!! 私のこと嫌いなんでしょ!! うわあぁ~ん!!


 八雲の言葉を聞いて、自身の行動が彼女に誤解を与えていたのだと思った冬也は、素直に謝った。


冬也: あ――――えと、料理のことはゴメン。八雲さんの気持ちは嬉しいんだけど、実は俺、八雲さんの味付けが苦手で……。もうちょっと料理の勉強をしてもらえれば……食べれるかなぁ、と――――。

八雲: ここでフラグが立ったので、嬉野さまのロイスがSロイスになります!!

冬也: おぉ!?

八雲: 分かったわ、嬉野さま――――私、料理の鉄人になる!!(一同笑)

豊前: ここで俺は、八雲に対するロイスの表の感情を尽力に変更して、Sロイスにします! 頑張って欲しいなと思った!

冬也: 俺は八雲さんにロイスを取ります。ごめんね、ありがとうってことで、□好意/悔悟で。そして調達するよ!(ダイスを振る)成功! じゃあ、行こうか。八雲さん。

八雲: も、もう、しょーがないですわね! 嬉野さま……♪


 駆け出していく二人を見送って、一ノ瀬豊前はぽつりと呟いた。


豊前: 頑張れ、少年少女。(一同笑)


         ◆        ◆        ◆


GM: ちなみに、今回八雲が設定していたSロイスフラグは、「嬉野から明星に優しくされた、物をもらったなどの、ポジティブな行動が自発的にあったとき」でした。

冬也: あー、なるほどね(笑)。

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