第二話 「落ちてくる夜 -Night Come Down-」 02
Middle Phase
01◆ 宣戦布告 シーンプレイヤー:菅野道明
GM: まずは菅野のシーンから!
菅野: はいよー。
GM: 場所は八重樫の墓の前です。
菅野: ほう?
GM: というのもですね、差出人不明の手紙でここに呼び出されたんですよ。
菅野: じゃあ墓の前に到着して、まだ誰も来てないようなら、墓掃除を始める。
「お久しぶりですね、菅野さん。」
墓の掃除をしようと腰を屈めた菅野の背後から、女性の声が掛けられた。
振り返るとそこには、黒いビジネススーツに身を包んだ女性が立っていた。
その女性はFHセル・ネヴァーモアのセルリーダー“レースノウァエ”であり、菅野のかつての同僚・閂朱音その人だった。
菅野: 本当に久しぶりだねえ、閂。
GM: 「何故此処に? といった感想でしょうか?」
菅野: うん。死んだはずだからね……あの時確かに。
GM: 「そうでしょうね。――――まあ、色々あったんですよ。先輩の調子は如何なんですか?」
あくまで昔と変わらない調子で話しかけてくる閂。
そんな彼女に、菅野もまた冷静に応じる。
菅野: 今は、君が知っている頃ほどは生き急いでないってところかな。日々マイペースでやらせてもらってるよ。
GM: 「(口元に手を当てて、くすくすと笑いながら)相変わらずですね、先輩は。」
菅野: そうだ、八重樫の件は知っているかな?
GM: 「ええ。存じております。」
菅野: ……そっか。――――八重樫が死んでしまったと思ったら君が帰ってくるなんて、面白い話だね。
GM: 「そうですね。」
菅野: (差出人不明の手紙を出して)これを出したのは、君かい?
GM: 「ええ、私から出させて頂きました。久しぶりにお会いするわけですから、挨拶といった形でしょうか。」
菅野: そうかい。……久しぶりに会ったはいいけど、どうやら今は正反対の立場に居るっぽいからねえ。
GM: 「ええ。――――あの時お会いしましたよね? 改めまして。FHのセルを運営しております。今は“レースノウァエ”と呼ばれております。以後、お見知りおきを(頭を下げる)。」
菅野: こちらも改めて自己紹介しようかな。UGN観鏡支部支部長の菅野だよ。(頭をかきながら)この肩書きが似合わないと、自分では思ってるんだけどね。
GM: 「(口元に手を当てて笑いながら)その通りですね。」
軽く笑う彼女の様子は、菅野の知っている閂と何ら変わらないように見えた。
GM: 「(笑んだまま)今回は久しぶりの挨拶と――――宣戦布告に参りました。」
菅野: 事実上、一週間前に開戦されている状態ではあるんだけどね。
GM: 「まあ、何も言わずにただ潰しましたじゃあ、芸が無いですからね。」
菅野: 一個確認していいかな?
GM: 「ええ。答えられる範囲内でなら。」
菅野: 先週画面越しに君と会ったときに、君のところのエージェントが居たと思うんだけど――――彼は夏樹かい?
GM: 「さあ? どうでしょう。」
菅野: 君は昔から僕の質問を、そうやってはぐらかしてきたよねえ……。
「――――では一つだけ、はぐらかさずに申し上げておきましょうか。」
閂――――“レースノウァエ”は菅野を真っ直ぐに見つめて言った。
「邪魔なんですよ、UGNが。あの人の理想を成就する為に、立ちふさがるものは全て邪魔者です。」
菅野: …………。
GM: 「今日は挨拶ということで、ここまでにさせていただきます。」
菅野: ――――そうだね。一応、好きにはさせないよと言っておいたほうがいいのかな?
GM: 「三年のブランクがどれだけの差になっているか、思い知って頂きます。」
そう告げると、閂は去っていった。
一人残された菅野は、一つ大きくため息をつくと、八重樫の墓に向かって呟いた。
菅野: 八重樫……。なーんか、お前が死んでから面白いことになっちまったぞ。
◆ ◆ ◆
GM: ではここで、新しい情報項目の開示です。
・FHセル・ネヴァーモアの活動内容について → <情報:FH>
・セルリーダー“レースノウァエ”について → <情報:FH>
・UGNエージェント閂朱音について(菅野専用) → <情報:UGN>
※この情報項目を他PCに伝えることで、その人物に調べてもらうことは可能。
02◆ クロとブラッキー シーンプレイヤー:八雲明星
GM: では次に八雲のシーン!
八雲: よし!!
GM: 場所は観鏡市支部内にある、八雲明星の部屋です。今、ここには君とクロが居る。
八雲: クロっていうのもひねりがないから、私はブラッキーと呼ぶことにする。(一同笑)……ブラッキー、お食べ。
八雲がクロ――――もといブラッキーに向かって綺麗に焼けた肉の塊を差し出す。
ブラッキーは差し出された肉の塊を美味しそうに食べ、その様子を八雲は微笑ましいものを見るように、しゃがみ込んで眺めている。
その時、支部の何処からか声が聞こえてきた。
「クロー? クロー、何処にいるのー?」
八雲: あの声は、大神さんね。
GM: 「ご飯の時間なのに何処に行っちゃったのかしら? おかしいなー……。」
八雲: (ドアを勢いよく開けて)ご飯なら私があげたわ!
GM: 「……は?」
八雲: (勝ち誇ったように)ブラッキー、美味しい?
肉の塊を全て食べきったクロは、そそくさと大神のほうに戻っていった。
八雲: …………ちっ(←舌打ちした)。
豊前: GM、ここで登場は可能ですか?
GM: はい、可能です。
豊前: では、《ハンドリング》を使用! クロを支配下の動物にします、エキストラですか?
GM: 違います。
豊前: はい、了解しました!
GM: そんな確かめ方、酷いよー……(笑)。
豊前: じゃあオコジョを支配下の動物にして出てきました。
「まだご飯食べるわよね?」
大神の有無を言わせぬ気迫に圧されたのか、クロは「キューン」と声を上げて大神に擦り寄る。
八雲: あ、そうだ! 大神さん、支部長は今どちら? 私、支部長に言わなきゃいけないことがあったんだ!
GM: 「支部長室だと思いますが。」
豊前: ちょっと待て、八雲!!
八雲: 何よ?
豊前: 大神さん、ソイツは只者じゃねえ!! とクロを指差す!
GM: 「(かわいらしく)キュウン?」
豊前: 俺の目は誤魔化されねーぞ!《ハンドリング》に失敗したのが何よりの証拠だ!!(一同笑)
菅野: じゃあ、そこに登場しよう。
八雲: あ、支部長! 実はかくかくしかじかグランギニョールよ! 夜中の公園で何かを貪り食うという変質者が現れているわ!
菅野: その目撃情報に、女性の姿という情報もあるんだけど――――。
八雲: 私は食べてない!!(一同笑)
菅野: 一応、そういうことをやってると、誤解されるから。ね?
八雲: …………ち(←舌打ち)。
菅野: まあ、こちらとしても話したいことがあるし、一度全員、支部長室に集まってもらおうかな。
八雲: ではここで、行方不明者についてを調べます!<情報:警察>で!(ダイスを振る)9!
GM: それだと、ここ二週間で失踪届を伴う情報提供の依頼が申し訳程度に2件、上がっていることが分かります。ただ、事件化はされておらず、捜査にも進展はないようです。
八雲: ほう? なんでだろう?
豊前: このシーンは<情報:警察>のシーンだよね? じゃあ俺も同じ項目調べとこう! いつものコンボで!(ダイスを振る)14!!
GM: それは最後まで分かりますね。先程の項目に追加して、誘拐等の可能性が低いためというのが表向きの理由ですが、騒ぎを大きくしたくないという警察上層部の圧力があったことが分かります。
豊前: はーい。じゃあ最後に、菅野に対して、クロはオーヴァード犬だから大神さんから離しておいたほうがいいって話をしておきます。
03◆ 昼休み シーンプレイヤー:嬉野冬也
GM: では次のシーンです。学校組行きましょうか! 昼休みくらいをイメージしてます。
冬也: ではまず、屋上とか人目につかないところで伊勢さんに連絡をとります。
GM: ではスマホにメールが届きますね。『もしーん?』
冬也: なんでメールなんだ……。『ご無沙汰してます、元“ファイア・ウォール”嬉野冬也です。実は伊勢さんにお聞きしたいことがありまして。』
豊前: 『(伊勢になって)ふぅん。何?』
あまり興味がなさそうな伊勢四郎に対して、冬也は夏樹の姿がなくなったこと、夏樹とは現在頭の中のみで会話できることなどを話し、この状況に対する知識を求めた。
豊前: 『(伊勢で)じゃ、来れば?』
冬也: 『では、今日の放課後に。』
GM: ということで、伊勢四郎のところに情報を得に行くことが出来るようになりました。
冬也: では、教室に戻ってきます。
豊前: じゃ、俺も《ハンドリング》してた状態から意識が戻ってきます。登場!
冬也が教室に戻ってくると、春日部は購買のパンにかじりつき、河合と大瀬は手作りのお弁当を広げて食べているところだった。
冬也: かわいいお弁当だな……と何となく思いつつ、俺も買ってきたパンを食べよう。
豊前: 俺は日常的な会話をしながら、このグループにいる奴らの情報を調べます!<情報:噂話>で! ミーミルの覚え書きで情報収集チームを取得して!(ダイスを振る)31!!
GM: では、このグループの情報が出てきます。
豊前: 女の子二人が何をしたら喜ぶかとか、スリーサイズとかをよろしく!(一同笑)
GM: まず河合祥子なんですが、観鏡市出身ではなく、高校の為に上京してきた子らしいです。春日部と非常に仲良くしていますね。
八雲: ありていに言えば付き合ってるってことか。
豊前: オッケー、そこまで交友関係が分かれば問題ない。この子に手は出さないよ。
GM: 続きまして大瀬琴音についてですが、彼女はグループの中でも非常に大人しい子で、よく図書館で本を読んでいる姿が見られます。四人で何かをするときにも、常に後ろからついていってる形のようです。
豊前: なるほどね。
GM: そして春日部敏夫ですが、クラスによく居るお調子者です。色んな部活なりバイトなりに顔を出している、顔の広い奴です。
豊前: (興味なさげに)ふーん。(一同笑)
GM: 最後に神前尊! 生徒会長です。ルックスも良く、クラスの中でも人気が高い。ただ、本人はそういうのに興味が無いようです。これで情報は全部です。
冬也: 俺はこの子達と話すうちに、ここは俺の居るべき場所じゃない……と、不安が募り始めました。
八雲: GM! ここで登場します! 窓からにゅるんと入ってきて、そのグループの近くに立つ。
「嬉野さま! お昼御飯はお済みですか?」
学校で聞こえるはずのない声を聞き、冬也は肩をびくりと震わせた。
ゆっくりと振り返るとそこには、三段重なった重箱を小脇に抱えた八雲が、にこにこしながら立っていた。
冬也: (手にサンドイッチを持ちながら)……や、八雲さん。
豊前: ああ、皆! 気にすることはない!! 彼女は君の――――ええと、何なんだい?(笑)
冬也: ど……どう、りょう?
その冬也の一言に、八雲は肩を落として俯いた。
と、思ったのも束の間、気を取り直したように顔を上げると、開けてごらんなさいとばかりに重箱を冬也に向かって差し出した。
その重箱からはいい香りがしている。
冬也: ……警戒は緩めずに、出来るだけ離れて開ける。
冬也が重箱を開けると、中には三段とも、牛丼が目一杯詰まっていた。
冬也: これは……多すぎるだろ(笑)。
八雲: (キラキラした目で)頑張って作りました!
冬也: あ、ありがとう……。
八雲: で、食べないかなー、という目で冬也を見る。
八雲の視線のプレッシャーに圧されるように、意を決した冬也が重箱に箸を突き立てた瞬間! ――――重箱の中身が爆音と共に飛び散った。
八雲: はぅ……やはり詰め込みすぎだったのね……。(一同笑)
冬也: そーゆー問題じゃない……。
「また失敗しちゃった……。」
重箱を教室隅のゴミ箱に捨て、肩を落としながらとぼとぼと去っていく八雲を尻目に、冬也は事態が把握できずに牛丼まみれのまま呆然としている他の面々に、侘びをするのだった。
豊前: GM、ここで神前の様子を見ようと思うんだけど、<知覚>判定していい?
GM: いいですよ。
豊前: (ダイスを振る)4!
GM: 神前はその様子を笑いながら見てるんだけど、若干冷めた目で見ているように感じられるね。
豊前: なるほど。まあ、優秀な奴だから一歩退いてるだけって可能性もあるかな……。というところで、ここで俺は大瀬さんにロイスを結びました! 関係はFで!!(一同笑)
04◆ 疑惑 シーンプレイヤー:菅野道明
GM: では、一方その頃。菅野のお仕事のシーンですね。大神が情報収集の結果を持ってきてくれてる感じで。
菅野: さて、仕事しますか。……まずは閂のことを調べたいので、<情報:UGN>でいこうかな。ちょっとこのことはまだ隠しておきたいので、このシーン登場したい人が居たら、もうちょっと待ってね。
豊前: わかった。
菅野: 情報収集チームを使用!(ダイスを振る)21!!
GM: では、以下の情報が分かります。
・閂朱音は元UGNエージェント。菅野・八重樫・西森と共にチームを組んでいたメンバーの一人。
・主に後方支援を行っており、情報解析や折衝面で八重樫をサポートしていた。
・菅野チームの解散後に参加した作戦において、戦闘中に被弾。介抱の甲斐なく殉職。
・彼女が晩年、UGN内部の機密について調査していたことが判明。但し、何をどこまで知ったかは不明。
・調査内容のキーワードは“プロジェクトエンブリオ”。
菅野: こんなところか。
豊前: ではここで俺が《ハンドリング》で、オコジョの姿で登場! ちなみにコイツの名前は「マユゲ」です(一同笑)。爪で支部長室の扉を引っ掻く。
菅野がその小さな「異音」に気付いて支部長室の扉を開けると、扉のノブにぶら下がった一匹のオコジョが悠然と支部長室内の絨毯に降り立ち、同室内に用意されていた、サイズは小さいが豪華な椅子に、偉そうに座った。
豊前: さあ、始めようか。“グランギニョール”についてを<情報:UGN>で調べます! いつものコンボで!
豊前の《ハンドリング》によって操られたオコジョが、強化ビジネススーツにサングラスといった出で立ちで、情報収集を始める。
豊前: (ダイスを振る)17!
GM: では“グランギニョール”についての情報です。
・FH所属のエージェントで、主に戦闘・破壊業務に従事することが多い荒事専門の人物。
・本人の力もさることながら、脅威は彼が引き連れる4匹の獣。恐らくジャーム化した動物であることが推測されるが、これらの攻撃力はガードアーマーを大きく引き裂く程のもの。
・4匹の獣は、餌として生きている人間を食べるらしく、何かしらの「補充」が必要で、戦場であれば困ることは無いが、日本など治安の良い地域での活動の際は、誘拐事件等に見せかけて食べさせることがある模様。
GM: なお最後の情報である、本人と獣達が映った映像まで手に入れることが出来ましたので、これ以降、顔を見ればそいつが“グランギニョール”であることは判別出来るようになります! 更に、八雲のオープニングで居た人物が“グランギニョール”であることも、ここで確定しますね。
豊前: 獣については何か分かる?
GM: はい。4匹の獣のうちの1匹が、クロに面影が良く似ています。ただ、大きさや風貌なんかは、ちょっと違うように見えますね。
豊前: ――――ん。この件は任せたぞ、“クロスブレード”。
菅野: じゃあ、皆に“グランギニョール”の情報と、“レースノウァエ”が閂だったという情報は流します。ただ、エンブリオ関連の情報は伏せる。
豊前: 閂って名前が出てきたことで、俺も閂について<情報:UGN>で調べられますよね?
GM: はい、それは可能です。
豊前: いつものコンボで!(ダイスを振る)32!!
GM: では先ほど菅野が手に入れた情報が分かりますね。
豊前: じゃあその情報を全て、俺から皆に教えておく。――――以上が追加情報だ、“クロスブレード”。
菅野: …………。
豊前: ん? どうした?
菅野: いやいや、何でもないよ。――――ところで大神さん、この写真の動物……クロに似てない?
そう菅野に問われた大神は、件の写真を凝視した後、不安げに言った。
「確かに似てはいますが――――クロはこんなに大きくない……ですよね?」
菅野: まあ、ちょっと気になるのが、タイミングが良すぎるっていうのと――――《ハンドリング》が出来なかったってことなんだよね。
豊前: あの犬は“黒”だ。きっと《ワーディング》の中でも動くぞ。
◆ ◆ ◆
八雲: 今、私はUGN支部のある建物に間借りしてるんだけど、UGN支部外に住んでる人って、居る?
冬也: 俺くらいかな。
八雲: クロが支部の近くにいるのって、情報が筒抜けで良くないと思うから、嬉野さまのお家に隔離しようよ。
05◆ 隔離 シーンプレイヤー:八雲明星
八雲: ということで私のシーン!
冬也: また俺の家に這入り込んでんの?(笑)
右手には怯えるブラッキーを抱っこし、左手に大きなケージを持った八雲は、冬也の逗留先を訪れていた。
「嬉野さま、嬉野さま!」
声を掛けるが部屋の中から応答はない。
「仕方ないよね……。」
そう言うと八雲は、自身の身体を液状化してドアの隙間から室内に入り込み、中からサムターンを回して鍵を開けると、クロとケージを部屋の中に入れた。
主の居ない部屋の中でケージの中に入れられたクロを見つめて、八雲は小さく言った。
「“グランギニョール”……私は気付いているの。」
その言葉に対し、クロは何も分からないといった風で八雲を見つめ返すのだった。
しばしの沈黙が流れた後――――。
八雲: それにしてもこの部屋って、なんていい香りがするのかしら……。
呟きながら八雲はいそいそと部屋の掃除をし、料理を始める。
「最近お肉ばっかりだし、そろそろ野菜も居るんじゃないかしら?」
天からの啓示を受けて、八雲は何処かへ電話を掛けた。
八雲: もしもし? 私だけど。――――アレを、嬉野邸まで運んで。
GM: 『あ、アレをですか!? マジですか!?』(一同笑)
八雲: だって、嬉野さまに精をつけて欲しいから……。頼んだわよ(電話を切る)。
06◆ 犠牲者 Master Scene
夜――――。
塾帰りに、夜道を急ぐ河合祥子。
「あーあ、こんな時間になっちゃった……。早く帰ろ。」
空には大きな月が昇り、河合の歩く夜道を照らしている。
(何か、見張られてるみたい――――。)
言い知れぬ気持ち悪さを感じ、気持ち小走りで家路を急ぐ。
あの路地を曲がれば、大きな通りに出る――――というところで、目の前に見知らぬ男が、音も無く現れた。
「ッ!?」
その男の放つ不気味さに気圧されるように踵を返そうとした河合に、男が声をかけた。
「――――今宵の餌は、お前だ。」
その瞬間、四肢の力が抜け、河合はその場に崩れ落ちるように倒れた。
身体に力は入らないが不思議と意識ははっきりしており、河合が視線を男の方へやると、彼はゆっくりと近づいてきているところだった。
「さて。草食動物は自らが食われる際、愉悦を持って息絶えるというが、君はどうなのかな?」
どこからか、獣特有の荒い呼吸音が聞こえてくる。
(ああ――――私、食べられちゃうんだ……。)
河合は直感的にそう理解する。
足元、指先が燃えるように熱い。しかし、意外と痛みは感じない。
ふと視線を前に向けると、目の前の子犬が河合を見つめている。
「――――お前は、どうするの……?」
朧げな意識の中で河合がそう問いかけると、目の前の子犬の口があり得ないほどに大きく開き――――……。
そこで、河合の意識は暗転した。
食事を終えた犬達が一声吼えると、その身体が一回り大きくなった。
GM: ここでEロイス《飢えの淵》を宣言します! これは1つにつき判定ダイス+2個されるというものです。更に、これ以降レギュレーションが追加されます。
【追加レギュレーション】
・シーン終了時に、シーンプレイヤーが任意の【能力】で【能力値】判定をする。
・目標値以上の数値が出なかった場合、犠牲者が一人出る。
・犠牲者が出た場合、クライマックス戦闘で敵が強くなる。
・GMから指定のイベントシーンについては、この判定は必要ない。
一同: うわあぁぁ……。
GM: なお、今回は拡大解釈をしていまして、本当は犠牲者が増えたら複数の《飢えの淵》が必要なんですが、マスター補正ということで今回使った《飢えの淵》1つで、複数の犠牲者に対して《飢えの淵》の効果が適用されることとしています。
豊前: よし、皆! 必ず俺をシーンに呼んでくれ! 俺なら【社会】判定は7Dで達成値にも+3されるから!!
GM: さて、いつまでシーンに出続けられるかな?(笑)
豊前: ていうか、出てくる女子は全員守ろうっていう俺の決意が……。許せん!!
冬也: 河合さん……。あ! これ、春日部ヤバいんじゃないか?
豊前: かも。
07◆ 怒涛 シーンプレイヤー:一ノ瀬豊前
豊前: 俺はここで購入シーンをする!
冬也: 俺も登場!
GM: なお、購入シーンで情報収集もするということは可能です。
菅野: 情報収集が出来るなら、俺も登場しようか。
八雲: 私も、ブラッキーの入ったケージを持って出る!
冬也: では今回は、UGN支部で購入するということで!
◆ ◆ ◆
豊前: ――――というのが、今起きていることだ。と、オコジョが説明する。菅野に対する遣りきれない思いはまだ続いてるので、俺本体は菅野の前には出てきません。
冬也: じゃあまず<調達>判定からやっちゃおう。UGNボディアーマーを狙って!(ダイスを振る)23で成功!
八雲: 私は自分の分は必要ないので――――嬉野さま、何か必要なものはありますか?
冬也: これ以上何か着ると移動距離が下がっちゃうので。……今は大丈夫、ありがとう。
豊前: 今回はミーミルの覚え書きと能力値強化は使用せずにクリスタルシールドを狙う!(ダイスを振る)20なので、財産ポイント5点を使って購入!!
菅野: 俺もUGNボディアーマーが欲しいんだよね。
豊前: じゃ、買うよ。(ダイスを振る)余裕で成功。で、今回使う技能は<情報:FH>でいいかな?
菅野: そうだね。
豊前: じゃあネヴァーモアの活動内容についてを! ミーミルの覚え書きで情報収集チームを手に入れて調べる!(ダイスを振る)13! なので財産ポイント使って16に!
GM: それは、全部分かりますね。
・ネヴァーモアは、観鏡市を中心に活動している、テロ的行為で一般人を無差別に襲うということは一切していないFHセル。
・彼らは観鏡市の各組織・社会インフラ(警察や病院、市議会etc……)等に親派を増やして浸透しており、現在、観鏡市自体がネヴァーモアの統括地域という色が強くなっている。
・非人道的な研究を行っているという噂もあるが、綿密に偽装工作が行われており、それらの証拠が表に出ることはない。
・FHチルドレンの育成に力を注いでおり、同チルドレンで構成される戦闘部隊・イクリプスは呼び声高く、彼らが参加したミッションについては、対FHの難易度としてランクが上がると換算されている。
GM: ということで、<情報:FH>でイクリプスについてを調べることが出来るようになりました。
豊前: じゃあ次は“レースノウァエ”について!(ダイスを振る)13なので、財産ポイント3点使って16!!
GM: これも全部分かりますね(笑)
・FHセル・ネヴァーモアを率いるセルリーダー。
・30歳前後の女性。
・セル運営といった実務面で手腕が高いと評されている。
・FHに身を置く者としては珍しく、無秩序による破壊活動等を嫌い、彼女の統制下に於ける作戦では、関係の無い一般人・施設への被害は最小限に抑えられているという特徴がある。
・彼女は元UGNエージェントである閂朱音その人であり、UGNを離反してFHに移籍してきた。
・コードウェル博士がFHに現れたことによる造反者というわけではない。
・彼女は自身がFHに移籍した理由については一切口にしていない。
GM: で、ここで閂との繋がりが出てきました。
菅野: ここで閂に友情/■隔意でロイスを結んでおこう。
豊前: じゃ最後の情報収集チームを使って、イクリプスについてを調べる!(ダイスを振る)14……。
GM: はい、では以下のことが分かりますね。
・FHチルドレンの戦闘部隊名。
・以前存在していたFHセル・オリジナルシンで熟成されていたチルドレンの育成方針を使って作られた部隊。
・元々の計画を立てたのは一ノ瀬晃一。
菅野: まだ先の情報がありそうなので、情報収集チームの二回目を使って、俺も同じ判定を!(ダイスを振る)13で止まった。
八雲: じゃあ私がジェネシフト!(ダイスを振る)これで77%まで上がって、同じ項目を調べる!(ダイスを振る)ぃよし! 15!!
GM: では、最後まで情報が出ます。
・イクリプスの隊長は、写真を見る限りでは神前尊に良く似ている。
・最近、イクリプス内で不和が起こっている。理由は最近配属されたエージェントに対する“レースノウァエ”の信頼が非常に厚く、隊長である神前を飛ばして直接そのエージェントに指令が行くことがあり、それが神前の気に障っているらしい。
豊前: その新入りについては調べられる?
GM: 今回のシナリオでは不可です。
豊前: OK。じゃ、ちょっと神前経由で突っついてみようかな?
八雲: あ、そうだ嬉野さま! 昨日夕飯食べましたか?
冬也: ん? コンビニで買って食ったよ。
八雲: …………がっくりと肩を落として、シーンから退場します。
GM: では、シーンプレイヤーの方、【能力値】判定をしてください。
豊前: 能力値強化! 強化ビジネススーツも使って!(ダイスを振る)19!!
GM: はい、それなら大丈夫です。




