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第一話 「遥遠なる日々 -Some day,One day-」 04

Climax Phase


GM: では、クライマックスです! 登場してください!

一同: (ダイスを振る)


 研究所の最奥にある研究室。

菅野達がその部屋に辿り着くと、明らかに冴えない風体の男が振り向き、驚いた顔を見せた――――。

 この男が“フラッシュアウト”で間違いはなさそうだ。


GM: 彼は狼狽して言います。「な、何故UGNが!? UGNは壊滅して、この近隣には居ないって聞いたのに!?」

豊前: 当たり前だろう? お前等の居るところに俺達は現れる。

八雲: なんか、ゴキブリみたい。

豊前: そ……そう、か。ゴキブリみたい、か……。この言葉は今後、使わないようにしよう。(一同笑)

GM: 「ボクの研究結果がこんなところで失われるなんて、そんなの我慢出来ない!」

豊前: (間髪いれずに)安心しろ。俺が有益に使ってやる。

GM: うそぉっ!?(一同笑)

菅野: まあ、そうは言われましても、ここで逃がすわけにもいかないので……。


 菅野がそう言いかけた時。

研究室の壁に穴が開き、その穴から彼の研究成果だと思われるジャームが3体現れ、菅野達に敵対するように立ちはだかった。


GM: PCは同一エンゲージです。敵は“フラッシュアウト”のエンゲージにジャームが1体、その他に別エンゲージでジャームが2体出てきます。それぞれのエンゲージの距離は10m!

冬也: 《ワーディング》をはります!

GM: では、それに呼応するようにジャーム達も一声あげると、暴力的な《ワーディング》が、この場を包みます! 衝動判定をしてください!

冬也&八雲&菅野: 成功!

豊前: くっくっく……。――――嫌いだ……。皆、大嫌いだ……!

冬也: 落ち着け、一ノ瀬!!

GM: では、戦闘を始めます! 因みに“フラッシュアウト”の行動値は18で、ジャームの行動値は8です!


 ●第一ラウンド

GM: ではセットアップ!“フラッシュアウト”が《赤方偏移世界》と《ディクタトル》! これでこっちの行動値が28になって、攻撃力が上がります。ただ、攻撃後にこっちは放心を受ける。

八雲: 私は《ヒュドラの怒り》!!

豊前: 《ファンアウト》《戦局判断》! 対象は八雲!! まず八雲は動いてください。なお、行動値は+6されます。

八雲: じゃ、“フラッシュアウト”にエンゲージ!

菅野: こっちは何もなし。

冬也: 《クイックダッシュ》!“フラッシュアウト”にエンゲージ!

GM: では、イニシアチブ……。

八雲: 《時間凍結》!!

GM: あ、そーゆーこと?

豊前: です。

八雲: ということで、私の背中から5本の細い骨が伸びて、その先にはヨーヨーのように重力球がついている。

豊前: これで、菅野にも攻撃当てて、菅野もこっちに引き寄せられるよ。マイナーで移動も省略出来るし。

菅野: ああ、それはありがたいかも。

豊前: では。“ハングリーアントライオン”! 事前に説明した戦略どおりだ!

八雲: オッケー♪

菅野: ……事前の戦略って何だろう?

豊前: 心の中だけで言う。……“クロスブレード”、ちょっと痛いけど、ゴメンね?(一同笑)

冬也: 事前の作戦通りとはいえ、支部長にいきなり攻撃かます部下ってどうなんだ……(汗)

八雲: マイナーで《骨の剣》! メジャーで《コンセントレイト:バロール》《漆黒の拳》《伸縮腕》《あやかしの招き》《異形の祭典》! 対象は菅野を含めた全員! 『超電磁明星ヨーヨー!!』(ダイスを振る)41!!

GM: “フラッシュアウト”を、同一エンゲージにいるジャームがカバーリング!《グラビティガード》《崩れずの群れ》《命のカーテン》で! それぞれガードします!

菅野: アームブレード展開してガード!

八雲: ダメージは47点装甲無視!!

豊前: よし。これで範囲攻撃は全部前衛に行くな。

冬也: お前…………(笑)。

菅野: えーと……【HP】12点残った。

豊前: (ぱちんと指を鳴らして)すごい、ピッタリ!(笑)

GM: はい、カバーリングしたジャームは死んだ。他もだいぶ食らったよ。痛い痛い!

冬也: 八雲さん、凄い……。

GM: では改めてイニシアチブ28で“フラッシュアウト”が、「邪魔すんなあ!!」と言いながら攻撃してきます。《棘の戒め》《コンセントレイト:オルクス》《縛鎖の空間》《要の陣形》《事象固定化》! 対象は冬也、八雲、菅野!

冬也: 来い!

GM: (ダイスを振る)22!

冬也: 八雲さんを《炎陣》《氷盾》《蒼き悪魔》でカバーリングして、ガード!

豊前: ではここで《ディフェンスサポート》。ガード値+12。

冬也: すっげ……!

GM: ダメージは40点! 装甲値は有効。

冬也: 豊前のサポートまで含めて47点まで止めるんで、全部弾いた。で、菅野さんに《閃熱の防壁》!(ダイスを振る)29!

菅野: それをもらうと、全部弾く!

GM: では命中した人は、バッドステータスの硬直、重圧、放心をくらいます。このバッドステータスはエフェクトで解除することは出来ません。なお、このバッドステータスはクリンナップで自動回復します。

冬也: つまりタイタスで回復しろ、と。ではGM!《蒼き悪魔》のダメージが21点入ります。

GM: うそーん!?(笑)

冬也: 「危ない!」って言いつつ、八雲さんを蒼い炎の盾で守りながら、炎の塊を“フラッシュアウト”に当てる!

八雲: 嬉野さまかっこいい! そして、私を守ってくれた!? きゅん♪(一同笑)

菅野: ただの戦局的判断なのに……(笑)。

GM: では、次のイニシアチブ……。

豊前: さっきの《戦局判断》で12になった八雲の番!

GM: あっ、そうか!!

八雲: そうだよ~。じゃあ、私の最終必殺技を見せてあげる! ということで、《コンセントレイト:バロール》《漆黒の拳》《ジャイアントグロウス》! 私の両手がドリルのように回りだし、それが重力によって一つに合わさる!! ああ、でもこれじゃ攻撃出来ない……えーい、とっしーん!!『明星スピン』!!(一同笑)

GM: ダサかっこいい、って感じ?(笑)

八雲: だが攻撃力は高いぞ! 対象は範囲(選択)なので、私のエンゲージにいる敵に!!(ダイスを振る)20で止まった!?

豊前: ――――《妖精の手》。

八雲: では(ダイスを振る)31!!

GM: 一体のジャームが、さっきと同じ組み合わせで“フラッシュアウト”をカバーリング! もう一体は普通にガード!

八雲: ダメージが69点装甲無視!!

GM: それは、計算するまでもなく両方落ちるよ。ということで、これでイニシアチブ8が居なくなったので、6で菅野の番!

菅野: “フラッシュアウト”にロイスを結んで、即タイタス化・昇華! バッドステータスを解除する! そしてマイナーで《ポルターガイスト》! 両手剣を浮かばせる!

八雲: 来た! “クロスブレード”!!

菅野: メジャーで《コンセントレイト:ブラックドッグ》《アタックプログラム》《バリアクラッカー》《雷鳴の申し子》!

GM: てことは、ガード不可になるんだっけ?

菅野: です。(ダイスを振る)22。

豊前: 《妖精の手》!

菅野: てことは(ダイスを振る)60!

GM: 一応ドッジを試みます。(ダイスを振る)ああ、無理ですね。

豊前: じゃあここで《力の法則》。

菅野: ではダメージが(ダイスを振る)72と……。

豊前: こっちが26なので98点ダメージ。

GM: そんなに来るの!? それは一撃ですね。

菅野: で、俺もここで倒れる。

豊前: ではDロイスの効果で、こっちのタイタスを昇華して菅野の戦闘不能を回復させる。

菅野: ありがとう。

豊前: あ、因みに、一回だけ攻撃をシーン化させるエフェクトを温存してました。

GM: うわー……(笑)。

豊前: 流石は“クロスブレード”。あの戦闘力は脅威だ。ということで、ここで菅野にロイスをとります!

冬也: 相変わらずの攻撃力ですね。

菅野: ……出来れば、ああいう作戦は事前に言っておいて欲しかったな(笑)。



Back Track


GM: ということで、今回はEロイスは無しです!

豊前: 俺は此処で白鳥さんにロイスを結びます! で、普通に振る!(ダイスを振る)99%!! よかったぁ~。

八雲: 私も普通に振って、余裕で戻ってきたー。

冬也: 俺は129%でロイス5つなので、二倍振りしておきます。(ダイスを振る)あ、余裕で戻ってきました。

菅野: 普通に振ります(ダイスを振る)はい、大丈夫でした。



Ending Phase


00◆ “レースノウァエ”


 菅野の一閃によって、胸に十字の傷がつき吹き飛ぶ“フラッシュアウト”。

菅野と共に倒れる“フラッシュアウト”を、冷徹な視線で眺めながら豊前が一言言った。


豊前: ――――あの世で懺悔しな。(一同笑)

GM: 「イヤだ……イヤだ! こんなところで死んでしまったら、役立たずと言われてしまう――――……!」


 激しく取り乱す“フラッシュアウト”。

と、その時。部屋の死角から女性の声がした。

『そんなことは無いわ。あなたはよくやった……本当によくやったわ。貴方の研究結果は我々に継承されて、更なる発展を遂げるでしょう。』


冬也: !! 声のしたほうを見る!


 そこに居たのは、二十歳前後の男性。

冬也は直感的に、その人物に見覚えがあると感じる。

そして、菅野の目から見た彼は、冬也や夏樹とよく似ているように思われた。


菅野: なん……だと?


その青年は、手にタブレット端末を持っており、そこには女性の顔が映し出されていた。

先程の声の主は、この端末の向こうに居る人物のようだ。

女性は慈母のような笑みを浮かべつつ言った。

『私の名前に於いて保障します。貴方は決して役立たずではない……。安心してお逝きなさい。』

その声に応えて、男性がパチンと指を鳴らすと、地面から立ち上った火柱が“フラッシュアウト”を焼き尽くした。

――――そして、後には塩の柱だけが残った。


冬也: な……っ!


 そして、端末の向こうの女性が、改めて菅野達に注意を向けて言う。

『再建されたUGN支部の方々……と言えばよろしいでしょうか?』


菅野: ええ、そうなりますかね。で、貴女は?

GM: 『一応自己紹介しておきましょうか。現状、観鏡市とその近隣を活動範囲としているFHセル・ネヴァーモア。そのセルリーダーを務めております“レースノウァエ”と申します。』


 その丁寧な物腰や口調、そして何よりその女性の顔に、冬也は見覚えがあった。

彼女は――――八重樫の墓の前で出会った、あの女性だ。


冬也: あの人が……。

GM: 更に菅野は直感的に、彼女はかつての君の同僚で、死んだと聞かされていた(かんぬき)に似ていると思いました。

菅野: なんと!?

豊前: (真面目な声で)GM! プロファイリングをして、その方の容貌とか風貌とか――――要はおっぱいが大きいかどうかを知りたいんですけど。(一同笑)

GM: ぷ、プロポーションが一番知りたいこと?

冬也: まあ、プロポーションはいいでしょう!(←断言)

GM: じゃあ、いいということで。

豊前: よし! 俺の中でモチベーションが上がりました。――――おねえさんの名前は? ああ、コードネームとかじゃなく。因みに俺の名前は一ノ瀬です。(一同笑)

GM: 『親しくもない殿方に私の名前を教えるだなんて……。(くすりと笑って)まだまだおしりの青いお子様ですね。』

豊前: そうか……。ならば次に会うときまで覚えていろ。俺が、お前の名を知りたがっていたということをな!(一同笑)

GM: 『(にっこり笑って)――――また、ご縁があるといいですね?』

菅野: ところで、“フラッシュアウト”が研究していた“Dillemme”ですが……どうなさるおつもりですか?

GM: 『私の管轄内にて行われた研究の結果ですので、ありがたく頂戴しようと思ってますが?』ちなみに、研究結果は今、その青年が持っています。

菅野: 残念ですが、素直に、はいそうですかと言える立場じゃないんですよ。

冬也: 俺はその研究結果を奪いに行きます!


 研究結果の資料を奪おうと向かってくる冬也に手を向ける青年。

その時、冬也の身体に異変が起きた。

「ちょっと待て!!」

そう叫んだ夏樹が、冬也の動きを止めたのだ。


冬也: じゃあ、急制動がかかって止まる。なんだ! 夏樹!?

GM: 「いや……ちょっと。」


 冬也が動きを止めたその時、青年が居た場所に火柱が上がる。

火柱が収まると、そこにはもう誰の姿もなかった……。


GM: ということで、《瞬間退場》で、このシーンから退場します。

冬也: あっ!!(悔しそうな顔をする)

GM: というところで、一度シーンを閉じましょうか!

八雲: はぅ……嬉野さまが二人……♪(笑)


01◆ 自己分析        シーンプレイヤー:一ノ瀬豊前


GM: では、一ノ瀬のエンディングから!

豊前: おう。

GM: なんだかんだ言って、支部の人達のことを考えて動いていたので、その面々のことを反芻しているシーンにしましょうか。

豊前: お、はい。


 豊前は、今回の自分の行動を分析する。

今回、冬也や八雲をこの観鏡支部に居つかせる(・・・・・)為に動いた豊前だったが、唯一、菅野の為にだけは行動しなかった。

それは何故か――――?

そのことに、父親の件が関係していないと言えば嘘になる。

冬也が止めを刺したとはいえ、豊前としては、現場の監督責任は“クロスブレード”にあると思っている。

“コマンダー”は殺すべき者で、あの場面に置いては仕方が無いことだったと頭では割り切っているものの、豊前が父親の仇として認識しているのは、やはり“クロスブレード”なのだ。

だから一ノ瀬豊前は、“クロスブレード”に対しては素直になれないし、こいつの為に動きたくないと思っている。


冬也: 俺のことは完全に子ども扱いしてるんだ?

豊前: うん、そう。だってまだ生まれて6年くらいだろ? 俺のほうがお兄さん。

冬也: 完全にナメられてるなー……こんな背の低い子供に(笑)。

豊前: というところで、俺は支部長の代わりに冬也の転入届を出したり、事務作業をしています。

菅野: 楽だなー。俺、支部長なのに(笑)。

豊前: 今って、人員としては大神さんと菅野くらいしか居ない状態ですよね?

GM: まあ、そうですね。

八雲: あと、あえて挙げるなら、白鳥さん。

豊前: (へにょんとした顔になり)白鳥さんかぁ~……。

冬也: 豊前がアホ面になってる(笑)。

豊前: (真面目な顔になり)ということは、次にするべきはこれだ――――。


 豊前は人員補強の為に、ある程度使える裏の人間を集めるよう、配下に命じる。


豊前: いけるな? お前ら。一応筋通すために、履歴書は全部あっち(菅野を親指で指して)に出しとけ。あと、募集項目に「巨乳の方歓迎」って足しとけよ。(一同笑)

GM: では、最後に聞いておきたいんですが、性格の素の部分は、完璧超人な感じ?

豊前: いえいえ、まだ15歳なりの未熟な部分はありますよー。なので、動揺するとチルドレン時代みたいに「はい!」とかって素直に返事したりする。

冬也: それって例えばどんなとき?

豊前: 黒魔術で作った牛丼が出てきたときとか。(一同笑)


02◆ 報告         シーンプレイヤー:八雲明星


GM: では次は八雲のシーン!

八雲: はーい!

GM: 今回の顛末を昴に報告するシーンです。

八雲: おっけー。


 その日の夜遅く。

八雲は査察部の執務室に来ていた。

執務室内で兄・昴は、忙しそうにディスプレイに向かって仕事をしながら、明星のほうを見やった。


八雲: すっごい幸せそうな顔して、にやにやしながら入ってきます。

GM: 「観鏡市への潜入捜査のほうは(明星の顔を見て)――――首尾よく行ったようだね。」

八雲: えへへへへぇ。兄さん、ちょっと大変なのよ。これは長引きそうよ。何ていうか、とにかく長引きそうなのよ。長引くしかないって感じ?

GM: 「それは報告として受け取るのか? 俺。」(一同笑)

八雲: じゃあ、一応顛末を、今回の研究結果は奪えませんでしたってことまで含めて報告する。

GM: 「やはりプロジェクト“エンブリオ”に関係する何かが燻っているのは間違いないようだ。継続的な報告を頼むよ。」

八雲: あと、一つ気になることがあって。あそこの支部長の菅野という男なんですが。

GM: 「ほう?」

八雲: 彼の動向はちょっと、気をつけたほうがいいかもしれない。

GM: 「…………。」

八雲: 何故かというと、彼は“エンブリオ”の関係者であると同時に八重樫に対する思いが強すぎます。もしかしたら、仕事を進めていく上でそれが障害になるかもしれない。

GM: そうですね。

八雲: 因みに、嬉野に対しても同じことを思ってるんですが、そんなことは一切言わない。(一同笑)

菅野: Sロイス補正かかってるよね(笑)。

八雲: ということで、今後もちょっと気をつける必要があると思うので、何かしらのフォローをお願いするかもしれないわ。

GM: 「わかった。とりあえず、逐一報告を上げてくれ。必要があれば、こちらから圧力をかけることもあるだろう。」

八雲: んもう、兄さんてば、相変わらず腹黒っ♪

GM: 「ふん……。」


03◆ 独白            シーンプレイヤー:菅野道明


GM: では次に菅野のシーンです!

菅野: ほい。

GM: とりあえず今回の戦闘が終わって、一息ついてるシーンです。

菅野: じゃあ、八重樫のトコに行って酒でも飲みますか……。


 菅野は、八重樫の墓の前で、一人酒を煽っていた。


菅野: いやー、あれだね。支部長っつーのは大変だね。

GM: そーだね。

菅野: 今回来た新人なんてアレだよ? いきなり私を殴ってきたからね! ……まあ、最終的にはそれがコンボに繋がったんだけどさ。

GM: 君が今感じている支部長としての重圧を、かつての八重樫は感じていたわけだよ。

菅野: いやあ、それをよそに私は、椅子に座って回ってたワケだ。――――懐かしい話だよ。


 菅野は、苦笑しながら独白を続ける。


菅野: そうそう、今日嬉野君に言われて思い出したよ。――――お前が、この観鏡市がどちらかの勢力一強に傾くのを望んでいたってこと。


 物言わぬ墓標に向かって菅野は言う。


菅野: 今、少なくとも観鏡市はFHの一強状態――――つまりお前さんの思い通りにはなっていたんだが……すまない。新支部を立ち上げてしまった。どちらに転ぶにしろ、全てが終わってない以上、このまま風呂敷を畳むわけにはいかないんだ。思うところはあるかもしれんが、見守っててくれ。


 そう言うと菅野は、一気に酒を煽るのだった……。


04◆ 転入           シーンプレイヤー:嬉野冬也


GM: では最後に冬也のシーン!

冬也: はい!

GM: 場所の希望とか、ありますか?

冬也: 転入先の学校に向かう途中とか、どうでしょう?

GM: いいですねー。では、朝。夏樹と頭の中で会話をしてます。

八雲: でもそれが思わず口に出ちゃう。

冬也: そうなんだよ。すげー怪しい人だよね、俺(笑)。


 学校の規定通りに学ランを着用し、学校指定の鞄を持って、新しく籍をおくことになった学校へと向かう冬也。

その冬也の頭の中を占めているのは、今回出会った“レースノウァエ”の側近のことだった。


冬也: なあ、夏樹。あのとき止めたのって、さ……。

GM: 「ん、ああ……。実は俺もよくわかってないんだ。ただ、何となく止めなきゃって思って……。」

冬也: ――――つまり、あれが夏樹の本体かもしれないってことかな?

GM: 「んー、正直俺にもよく分からないんだ。ただ直感的にそう思っただけで、正しいことをしたかどうかは、俺も自信ねえ。」

冬也: いや、直感に従うのは悪くないと思う。

GM: 「……とりあえず悩んでも仕方ないから、当面、この話は止めよう。」

冬也: ――――だな。

豊前: どうでもいいけど、夏樹夏樹言ってると、女のこと想像してるみたいだぞ、お前。


 突然かけられた声に驚いて隣をみると、冬也と同じ制服、同じ学生鞄を持った一ノ瀬豊前が、いつのまにか冬也と並んで歩いていた。


豊前: AV女優の名前か?

冬也: (半眼で)違う。

豊前: おっぱいは大きいのか?

冬也: おっぱいは小さいよ。(一同笑)ていうか、知ってる筈だろ! お前、俺のパーソナルデータ持ってんだから!!

豊前: あん?

冬也: 夏樹ってのは、俺の弟だよ。

豊前: ……そいつと今、喋ってたのか?

冬也: ――――ああ。ちょっと、事情があってな。

豊前: そうか。まあ、その事情とやらは分からんが、お前のシンドローム的にはテレパシーはあり得ないぞ。

冬也: 俺にも詳しいことは分からないんだよ。……で、なんでお前まで居るんだ?

豊前: お前一人で高校に行かせるわけがないだろう?

冬也: だからって、なんで高校一年生なんだよ……。

豊前: それは俺と八雲のパーソナルデータに合わせた結果だ。

冬也: 俺は18だぞ!?

豊前: 大丈夫だ。お前も16歳で充分通るさ。

冬也: (ジト眼で豊前を見る)

豊前: だってお前、6歳だろ? 知識も空っぽだし。

冬也: ぐ……っ(笑)。

八雲: 私はそんな二人を校門の影から見ています。ああ、嬉野さまが近づいてくる……♪

冬也: なんか、学校生活は地獄の予感しかしない(笑)

八雲: そこで、校門の影から颯爽と私が登場!

冬也: (びっくりしつつ)あ、お……おはよう。

八雲: 制服、似合いますね! 青春って感じ♪

冬也: ここは褒めるべきところなのか、と思った。……八雲さんも似合うよ。


 冬也がそう言った瞬間、八雲の両耳から蒸気が吹き出した。


八雲: (うつむきながら)私なんて、そんな! そんな……っ! 嬉野さま、これっっ!!


 俯いたまま顔を真っ赤にして八雲が差し出したのは、大きな重箱だった。


八雲: お弁当作ってきましたっっ!!

冬也: うわぁー……。

豊前: ……本当に、八雲のおっぱいがちっちゃくて良かった。(一同笑)

八雲: 私はそれを渡すと、支部のほうに消えていきます。

冬也&豊前: …………。

冬也: (裏返った声で)い、一緒にお昼食べようか! これ、分けてやるから……。

豊前: 俺もう買ってきちゃったからいいよ。

冬也: …………ち。


 そんな会話をしながら、冬也と豊前は学校の敷地内へと入っていくのだった。

これが彼らの日常となりうるのか――――?

それはまだ、これからの話だ……。


                          第二話につづく。

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