第六話 「手をとり合って -Let us cling together-」 01
Pre Play
変熊(以下 GM): えっとねー……Dios、ごめん!!(一同笑)
Mind: ああ……ついに死んだか。
GM: いや、そこまではいかないけど……扱いについては本編を見てくれ(笑)。
朝比奈: にしても、もう最終回かぁ……。寂しいにゃあ。
GM: まあ、長かったからねえ。さ! 頑張って有終の美を飾りましょう、皆さん!
Mind: おー!
【今回予告】
後日、“コールドモノクル”八重樫明仁よりUGN本部へ要求が連絡される。
内容は「中枢評議会の解体と、権限委譲」。
本部はこれをただの悪意の冗談として受け取ったが、一緒に添えられた映像に態度を一変、対策を講じる検討を始める。
ただ、単眼の狂気はその上を行く――――。
雪の降る聖夜に、その存在意義をかけ、答えを出せるか。
DX3 オントロジ 第六話 『Let us cling together 手をとり合って』
ダブルクロス――――それは裏切りを意味する言葉。
GM: では、ハンドアウト読み上げつつ、成長報告いきましょう!
【嬉野冬也用ハンドアウト】
シナリオロイス:八重樫明仁 遺志/猜疑心、不信感、不安
観鏡市支部を襲った危機は脱した。FHセル・ネヴァーモアは“レースノウァエ”閂朱音の死亡と共に自然消滅し、一旦、事態の収束をみたかに見えた。
しかし、先だって現れた夏樹、そして八重樫明仁。八重樫は去り際に、UGN潰しを宣告した。自分の周りの事態だけが進んでいく。
決断に残された時間は、少ない。
かずさ(以下 冬也): これ、過去の八重樫か、こないだ出てきた奴か、どっちにとるんですか?
GM: まあ、前回現れた八重樫、ということになるんでしょうね。
冬也: 了解です。成長ですが、《閃熱の防壁》を1レベル、《氷の城砦》を2レベル上げて、<知識:エンブリオ>を3レベル、【精神】を1上げました。
GM: 固くなったなー。ロイスは?
冬也: まず、春日部に□幸福感/不安で。で、もう一つは夏樹に信頼/■憤懣でとりました!
【八雲明星用ハンドアウト】
シナリオロイス:嬉野冬也 任意/脅威、不安、隔意
観鏡市支部を襲った危機は脱した。FHセル・ネヴァーモアは“レースノウァエ”閂朱音の死亡と共に自然消滅し、一旦、事態の収束をみたかに見えた。
支部の建て直しも一段落したとき、八雲昴より連絡が入る。内容は「観鏡市支部の査察終了」というものだった。FHセル・ネヴァーモアも自然消滅し、同支部自体のUGNへの影響が下がったことによるものであるらしい。
八重樫明仁氏を含めた嬉野冬也・夏樹兄弟の件は片付いていない。
残された時間で自分がやるべきことは何だろうか?
朝比奈(以下 八雲): 成長は、【肉体】を1点上昇させて、《魔王の理》を5レベルまで上げて、<情報:UGN>を1レベル上げて終わり!
GM: はい。ロイスは?
八雲: 霧谷雄吾に尊敬/■厭気で、八雲昴に有為/■厭気でとってます。……嬉野君への感情は、どうしようね?
GM: なんか、一言で言い表すの難しいんだよねー。君らの関係。
Mind: ですよねー。
八雲: □執着/不安にしておきます!
【一ノ瀬豊前用ハンドアウト】
シナリオロイス:菅野道明 同情、感服、有為/隔意、猜疑心、厭気
観鏡市支部を襲った危機は脱した。FHセル・ネヴァーモアは“レースノウァエ”閂朱音の死亡と共に自然消滅し、一旦、事態の収束をみたかに見えた。
観鏡市支部も様々なダメージを負ったが、自分や他のUGNメンバーの働きによって、とりあえず復旧の目処がたった。
そんな中、何か悩んでいる風にも見えるが、菅野支部長の挙動が安定しない。
支部建て直しの過渡期でもある今、自分がやるべきことは何だろうか?
Mind(以下 豊前): 成長は、《力場の形成》を3レベルとりました! で、<意志>が2レベルになって、<情報:ウェブ>が1レベル上がりました。
GM: 地味にウザいな(笑)。
豊前: 初期ロイスは白鳥美琴に□慕情/劣情で、大瀬琴音に□慕情/劣情で持っています。
GM: どうなの? それ。(一同笑)
豊前: 菅野のおっさんには、同情/■厭気です。最近、FHに対して思うところがあるんです。
GM: ほう?
豊前: FHはもっとあくどいことをしろ、と! なんでUGNを潰すのがメインの行動になってるんだ、と思ってます。
GM: どんな不満だ(笑)。えー、ではここでPC間ロイスを結んでください。冬也→八雲→豊前→冬也で。
八雲: 私は豊前には□信頼/不安でとってます。久しぶりに豊前に結んだ。
豊前: なん、だと!?(笑)俺は嬉野冬也に□尽力/不安で。
冬也: 八雲さんに……ね。これが、困るんだよねー。どういう感情なのか……。
豊前: じゃ、振って決めれば?
冬也: ふむ……。(ダイスを振る)連帯感、か? 何か違うなー。□好奇心/不安にしときます!
GM: なお、今回もロイスに関してギミックがありますので、お願いしますねー。
一同: はーい。
GM: では、シナリオを開始しまーす!
Opening Phase
01◆ 業務命令 シーンプレイヤー:八雲明星
“レースノウァエ”との戦いから一ヶ月。
師走の風が吹く頃、その知らせは唐突にもたらされた。
GM: ではまず、八雲のシーンから!
八雲: はーい、登場!(ダイスを振る)……9。
GM: はい、八雲昴とのシーンですね。目の前にあるモニターの中では、いつもどおりの神経質そうな表情で、昴が座っています。
明星との通信が繋がると、昴は単刀直入に切り出した。
「さて明星。本当なら年度変わりで執行する予定だったのだが、そろそろ査察を終了しよう。」
八雲: ――――え? またなんでそんなに終了が早まっちゃったの?
GM: 「君らの働きもあり、FHセル・ネヴァーモアは事実上壊滅。観鏡市に於いてのFHの脅威は大いに減ったと考えるべきだろう?」
八雲: そうね。
GM: 「更に言うと、下手な気を起こすものがUGN内に居ない限り、観鏡市の抱えていた負の遺産は顕在化しないだろう。」
八雲: なるほど。一人だけ心当たりがあるけど、まあそれはいいわ。
GM: 「正直、菅野支部長がそんなことを考えるような輩だとは思えないしね。」
八雲: 本来はね。
GM: 「なので一度、査察業務を完了させようと思う。完全終了というわけではないが、少なくとも今までのようにべったりとついている必要はないだろう。」
八雲: ……まあ、確かに。私もね、同じところにずっと住んでるのが意外と居心地が悪かったりするのよ。
豊前: それは牛を殺したりしてるからじゃないのか……?(一同笑)
GM: 居辛くなってるってやつか(笑)。
八雲: じゃ、とりあえずお引っ越しの準備を事務方に伝えておいて。すぐにでも観鏡市を離れられるようにしておくよ。
GM: すると昴は驚いたような顔をして言うね。「――――正直、僕は君が反対すると思っていたよ。」
八雲: なんで?
GM: 「査察業務を任命したときに言っていたように、大層ご執心な青年が居ると聞いていたからね。」
八雲: すると私は突然不定形生物になって、窓から出て行こうと……(一同笑)。
GM: それは何? 動揺してるの?
八雲: まあ、ちゃんと答えようか。んー……そうなんだけどね。なんかもう、よく分かんないのよ。――――ねえ、兄様。
GM: え!? 「(驚いたように)は、はい。」(一同笑)
八雲: あなたは人を好きになったことがある?
GM: ……遠い目をします。
八雲: ――――つまり、会社から帰ってきて、すぐにパソコンを点けるような生活をしている、と。
GM: 泣いていい?(一同笑)
八雲: (遠い目をして)人を好きになるってすごく素敵なことだよね。ただそれが、段々と自分を雁字搦めにしていくように思ったの。
GM: 「まさか明星からそんな大人な発言が出るとは思わなかったよ。」
八雲: ……私をなんだと思ってたの?(笑)
GM: 「僕としては、ここに居たいと我侭を言って、ずるずると観鏡市に留まるんじゃないかと思っていたんだ。」
八雲: まあ、そう言ったものの、ロイスは執着なんですよ。
GM: なんだか難しいロールプレイを自分に求めるね、君は(笑)。じゃあ、昴が続ける。「査察業務は徐々に縮小していくんだが、その間一つだけ頼みがある。」
八雲: うん。
GM: 「八重樫明仁氏が生きていたという報告は受けている。もしそれが事実だとすれば、ひょっとしたら何かしらの動きがあるかもしれない。その際に注意すべきなのは、嬉野冬也君と菅野支部長の二人だろう。」
八雲: そうね。
GM: 「仮に八重樫氏が何かしらのアクションをとってくるとしたら、嬉野冬也君に対してだろう。なので、それに対して逐一報告をして欲しい。」
八雲: …………はーい。じゃ、話は終わりね? 私は帰って荷造りをするから。と部屋を出て行く。
GM: ではそれを、モニターの向こうの昴が見送るというところで、シーンを切りましょう。
02◆ 悩める者 シーンプレイヤー:一ノ瀬豊前
GM: では次に、豊前のシーン!
豊前: お、はーい(ダイスを振る)!
GM: “レースノウァエ”との戦いから、一ヶ月が経ちました。
豊前: はー。ヒマだー……。
GM: そうですね。正直、あれ以来大きな事件も起きていません。
豊前: もう俺がここに居る意味もねーんじゃねえかな。補充人員も居るし。
GM: このところ、観鏡市支部の建て直しで忙しかったくらいで、FHからの攻撃とかっていうのは小康状態です。建て直しのほうも段々と出来てきていますね。
豊前: じゃ、そろそろ俺の仕事も終わりだな。
GM: そんな中、新たな予算の決済が必要となって、菅野を探す必要が出てきたんですが、最近の菅野は考え事をしているのか何なのか、いつも以上に精彩を欠くことが多い、と。
豊前: (呆れたように)――――ったく。
八雲: 最近の菅野支部長は、消えた昼行灯のようだ。(一同笑)
GM: それもう行灯としての意味すらない……(笑)。でも、そんな感じですね。返事も生返事だったり。
豊前: しょーがねーなー、あのおっさんは。ということで、生身で会いに行くよ。おーい。
最近の行動パターンから、菅野の居る場所を支部の屋上だと推測し、豊前は声を掛けに行く。
豊前: おい、おっさん。と、屋上に続く扉を開ける。
扉を開けた豊前の目に入ったのは、煙草をくゆらせながらぼんやりと空を眺めている菅野の姿だった。
豊前: 煙草なんか吸ってっからぼんやりすんだよ。おい、どうした?
GM: すると菅野が君のほうを見て、言います。「ああ、一ノ瀬君か……。」
豊前: ああ、一ノ瀬君か、じゃねーよ。俺が来たってことは、お前を探してたってこった。
GM: 「あぁ、悪い。すぐに戻るよ……。」
豊前: じゃ、しばらく見てます。…………(菅野に向かって顎をしゃくり)早く戻れよ。
GM: 「いやぁ、おっさんちょっと考え事してて……。」
豊前: ああ? 何だよ、考え事って。
GM: 「……一ヶ月前の騒動で俺の元同僚が出てきたワケなんだが、ヤツはヤツなりの目的があって動いてることがわかったっしょ?」
豊前: おう。そうだな。
GM: 「奴さんが何をしたかったのかってことで、出来ることならそれをしてやりたかったんだが……。」
豊前: お前がそいつの為に何かやってやりたかったってのは分かってるけどよ。お前がやりたかったことってのは結局、そいつのやりたかったことをやるってだけなんだろ?
GM: 「それが分かんないんだよねー……。」
豊前: 一回白紙に戻して、別のやりたいこと見つけりゃいいんだよ。
GM: 菅野は、吸いかけの煙草を携帯灰皿に入れつつ、「なかなか考えがまとまらんくってな……。こんなこと、お前さんみたいな若いのに愚痴っちゃならんのだろうけど。」
豊前: 大丈夫だよ。俺は外部要員だし。ここの若い連中とは違ぇよ。
GM: 「時々、一ノ瀬君みたいな竹を割ったような考え方が羨ましくなるよ。」
豊前: ――――そういや、おっさんはなんでUGNに入ったんだ?
GM: 「おっさん、の――――?」
豊前: まあ正直、組織にずーっと居て、そこのしがらみが出来て、その人間関係で動きたいってのは分かるけどよ。そもそもそこがはっきりしてねーから、悩んでんじゃねーか?
GM: それを言われると、菅野ははっとした表情になりますね。「入った理由――――か。」
豊前: ま、いいや。とりあえず早く戻って来いよ、おっさん。お前の判子待ち書類がいっぱいあんだよ。俺が判子押してもいーんだけどよ。
GM: 「(明るい調子で)ああ、早く行くわ。大神さんに怒られるし……。」と言うと、小走りに去っていきます。
豊前: よし。…………ったく、アイツにも理由が必要か。
03◆ 日常の風景 シーンプレイヤー:嬉野冬也
GM: では次に、冬也君のシーン!
冬也: はーい。
FHセル・ネヴァーモアとの総力戦から一ヶ月弱が経った。
その後、大きな事件はないものの、再会を予言して去っていった八重樫からの音沙汰もなく、心のどこかに引っかかりを感じたまま、冬也は日常を過ごしていた。
冬也: 八重樫――――ってか、夏樹のことは探してると思います、ずっと。
GM: ただ、上手く隠れているのか何なのか、見つかりませんね。
冬也: しかし一ヶ月も平和だとか、すっごい落ち着かなさそう。
八雲: 分かる、分かる(笑)。
周囲の日常は淡々と進み、季節は冬になっていた。
あと数日で終業式――――そして、クリスマスが控えている。
教室に居るクラスメイト達は、何処か浮き足立った様子だ。
冬也: クリスマス……かぁ(←他人事)。
GM: 時間はホームルームが終わった後くらいですね。春日部が、メモを持ってクラスメイト一人一人に、ヒアリングをしています。
冬也: ?? 何してんだろ?
GM: 春日部は君の方を見ると、「冬也も当然、来てくれるよな?」と、食い気味に聞いてきます。
冬也: え? な、何が?
GM: 「(がっくりと頭を垂れて)みんな結構噂してんのに、わかってねーのかよぉ……。」
春日部の話によると、クリスマスの夜、小さなレストランを借り切ってのパーティを企画しているらしい。
GM: 「ほんと、マジ来て欲しいんだよ! 頼む!!」
冬也に向かって両手を合わせて頼む春日部。
実はクラスの女子の中に、冬也のことを気にしている子が居るらしく、企画者の春日部としては、冬也に来てもらわないと困る――――という理論らしいが。
冬也: クリスマスって、そういうことをするもんなんだなーと思いつつ、別に予定もないし、いいよ。って言う。
GM: 「じゃ、出席でいーな!」とメモをする春日部。
冬也: なんか、忙しそうだな……。
GM: 「まずクラスメイトだろ? で、来る奴らと仲良い奴も呼ぶからさー。とりあえず人数まとめてんだよ。」
冬也: 結構人数来るんだな。
GM: 「神前も、もちろん来いよー? あの彼女も同伴でいーぞ。」
春日部のその言葉にガタガタッ!! と立ち上がるクラスの女子多数。
そして、立ち上がりこそしないものの神前のほうをガン見する女子多数。
冬也: !?(←びっくり)
豊前: 「(女子になって小声で)ちょっと、春日部君。彼女ってどーゆーこと!?」
GM: というところで神前が「え? 彼女って、誰のこと?」と言う。
神前の言葉に、立ち上がっていた女子達がガタガタと座り直す。
八雲: なんでこんなコミカルなシーンに……。
GM: 日常のシーンを演出してるだけです(笑)。
冬也: いやー、面白いね。日常ってこんなに尊いものなんだなと思いつつ、見てる。
豊前: お! 尊いものだと思ってるんだ。
冬也: うん。ロイスを幸福感で結んでるし。
GM: ということで、目の前には日常の風景が広がっているわけですが――――。
そんな中、冬也はふと一月前の八重樫の言葉を思い出す。
「何の用もなにも、こうやってまた生を受けたわけだから、元々やろうと思っていた目的を遂行しようと思ってるんだけれども。」
「とりあえず、平和的に計画の仕上げをする為に、僕にも準備が必要だから、一旦仕切り直したいと思うんだけど。」
その言葉に、すぐ傍にある日常の風景が、酷く脆いもののように感じられた――――。




