第五話 「黒衣の葬送 -March of the black queen-」 02
● 三日目 日中
01◆ 内密 Master Scene
一夜明けて、大神が菅野に報告をしている。
「想像以上にUGN側の被害が大きいです。」
そう言うと大神は、一つの調査結果を菅野に手渡した。
その内容を見て、目を見開く菅野。
「ご命令どおり、八重樫氏の死因等について洗い直しましたが、一つ不審な点が出ています。ファイルに詳細をまとめました。――――しかしこれは……。」
言いかけた大神を、菅野が遮る。
「ご苦労さん。色々ありがとう。……一応念のため言っとくけど、この件は他言無用で頼むよ。」
「ですが…………。」
「――――頼むよ。」
重ねて頼む菅野に、大神が了承の意を示した。
GM: ということで、菅野は菅野で、何かやってるみたいですね。
豊前: 防衛戦に参加しないで、情報収集してやがったのか。あいつ……。
02◆ 解析 シーンプレイヤー:一ノ瀬豊前
GM: ではやりたいことがある方からいきましょうか。
豊前: はい! ここは、UGN支部の受付です。
冬也: ああ、白鳥さん!(笑)
豊前: 最近さー、女運というか男運もなんだけどさー、ないんだよー。と、白鳥さんの膝の上に乗っかりながら愚痴っています。
冬也: 「(白鳥になって)そうなんですねー。」
GM: と言いながら白鳥さんは業務を続けていると。
豊前: (手の平を上に向けながら軽く上下させつつ)たゆんたゆん。
GM: 今、何を持ち上げた!? その手は!!(笑)
冬也: 「(白鳥で、手を防ぎつつ)ヤメてください?」
豊前: ん、わかった。とりあえずここで調査させて? とノートパソコンを取り出す。
GM: 「……前にも聞きましたけど、何故私の膝の上なんです?」
豊前: ん? ほら、落ち着くじゃん?(ダイスを振る)ほら、登場侵蝕率も1だし!!(一同笑)
GM: で、何を調べるの?
豊前: 神前から受け取ったファイルの解析をします。あと、宣言どおり白鳥さんをSロイスにします! 使う技能は?
GM: <知識:機械操作>です。そんなに目標値は高くないですよ。
豊前: (ダイスを振る)おし、13!!
GM: 充分ですね。読まれることを恐れてか暗号化されていたファイルが、読めるようになりました。内容は以下の通りです。
・“オーバーライド”の完全な成功結果はまだ出ていない。
・“オーバーライド”の当面の目的は、『マスターデータ』と呼ばれるものの上書き成功事例の作成。
・元々の“プロジェクト・エンブリオ”によって作られたチルドレンである嬉野兄弟を使って、意識の転写事例を作成したかったのだと思われる。
・ただ、一番成功の可能性が高かった嬉野夏樹でも成功していない為、それは成功していない。
・嬉野夏樹のクローン体を作成し転写を繰り返したものの、それも上手くいっていないようだ。
・ただ、劣化複製がごまんと出来ているので、兵隊には事欠かない状態になっている。
・最有力候補での実験にも失敗したために、レネゲイドを上手く行使できる人間を材料にということで、神前尊が候補に上がったのだろう。
GM: という、神前の推測も混ざった情報が出てきますね。この情報を見る限りでは、“オーバーライド”という計画はまだ成功していないようだということですね。
八雲: (じゅるり)嬉野さまの劣化複製、いっぱい出てくるでしょうねー……。
冬也: そうだねー(苦笑)。
豊前: 冬也の中に居る夏樹ってのがどんなものなのかは、推測出来る?
GM: 何らかの理由で夏樹の意識体が冬也の中に突っ込まれてるってことは推測できるでしょうね。
豊前: それが『マスターデータ』かどうかは?
GM: 分からないんじゃないですかね。
豊前: ……なるほど、OK。そうか! と言って立ち上がる!! ぼよーん。
GM: ……なんていうか、君に対して好意的なロイスを結んでくれるキャラ、居ないと思う(笑)。
豊前: おっかしーなー……。尊敬されたいのになー。
03◆ 表裏 シーンプレイヤー:八雲明星
八雲: 次は私の番!(ダイスを振る)侵蝕率63%。
その日。蓮根牡丹が靴箱の扉を開けると、中には一通の手紙が入っていた。
かわいい封筒を開け、中の便箋を見る蓮根。
そこには、こう書かれてあった。
『今日の夕刻、河原で待つ。 はらぺこありじごく』
GM: 蓮根は、相手が君だと分かりつつ、律儀に来ますよ(笑)。
走り込みを行う野球部員や、犬の散歩をする女性。
そんな日常の風景を横目に、蓮根は開口一番、八雲に尋ねた。
GM: 「こんな所に呼び出して、何の用ですか?」
八雲: まず、始めに一つ重要な秘密を打ち明けるわ。私はね、友達が少ないの。だから悩みを打ち明ける相手が居ないから、誰か適任者をその都度探さないといけないのよ。
冬也: その都度って……(笑)。
八雲: 大神さんでも良かったんだけどね。なんかあの人はドライでちゃんと聞いてくれなさそうだから。
GM: そんなことないと思うけどね。
八雲: ま、そんなワケでね? 牡丹ちゃん。私は今、正直迷ってるの。私のダーリンのことなんだけど……。
GM: 「嬉野冬也のことですか?」
八雲: そうそう。でね、私はあの人のことが大好きで、最近はあの人も憎からず思ってくれてるみたいだっていうのを感じるの。でもさ、私らUGNじゃない? FHが襲ってきたら戦って、いつ大暴れする骨の塊になるかも分からないじゃない?(一同笑)
GM: 一応、八雲はそこに恐怖は感じてるんだ?
八雲: うん。でも、なったらなったでしょうがないかなとも思ってる。菅野辺りがきっと止めてくれるんだろうなって。――――ああ、だからね? 今回のことが終わったら私、嬉野さまから距離をおこうと思ってるの。
GM: 「それは何故ですか?」
八雲: ん、よく分かんないんだけど、例えばもし遠くに居て、それでも好きだったら、それは好きでいいんじゃないかって思うの。……よく分かんないかな?
GM: 理解できない、という表情をしますね。
八雲: あなたも好きな人が居るでしょう?
GM: ボッ、と赤くなります。
八雲: もしその人が明日いなくなったら、どう?
GM: 「(即答)耐えられません。」
八雲: ジャーム化しちゃう?
GM: 「かもしれませんね。」
八雲: 私もそうかなって思ったの。だからそこに、自分の中でちゃんと落としどころを作らなきゃいけないのかなー、なんて。
GM: なんか、八雲が大人なこと言ってる……。
八雲: うん。たまにはシリアスなことやっとかないと、ジャームじゃないかって思われてるっぽいし。
冬也: 思ってないよ、大丈夫だよ(笑)。
GM: 「(淡々と)――――自分には理解できません。仮に、自分にとって大切な者が居て、傍に居ることが出来るのであれば、何故離れなきゃいけないんですか?」
八雲: …………ちょっと、考えてみる。
GM: 「仮に自分であれば、その人からどう思われようとも、必要な限りずっと傍に居ます。」
八雲: そっかー……。牡丹ちゃんは強いね。私なんて、へなちょこだ。
GM: 珍しく人間的な表情を見せて、蓮根が言います。「いえ――――私はそれほど強くありません。強くないから、不安で、傍に居たいんだと思います。」
八雲: 例えば私とか貴方に、今とは別の、やりたいことだったり、やらなきゃいけないことが出来るとするじゃない? そうなったときに、それでもその人を捨てることが出来なかったら、それは重荷になっちゃうんじゃないかなあ?
GM: 「その人以上に優先順位の高いものが出来ることなど、あり得ません。」
八雲: そっか。それはきっと、そうなんだろうね。例えばの話だよ、例えばの。――――ゴメン、ちょっと自分の中で煮詰まっちゃったから、誰かに話したかっただけなの! あ、コレあげるね! と言って、超美味しいチョコレートを渡します。(ダイスを振る)具体的には達成値10くらいの。
GM: 「(受け取って)――――ありがとう。」
八雲: じゃ、二人で食べてねー♪
GM: ボッ、と赤くなります。
八雲: かわいい……(笑)ここで私は蓮根牡丹に□友情/隔意でロイスを結びます! そしてシーンから退場!!
GM: では、蓮根牡丹にロイスを結んだことで、シナリオに1回、任意の判定の達成値を+10出来るようになります。
豊前: おぉー! すげー!!
GM: いやー、いい伏線を回収してもらいました! 実は蓮根牡丹って、明星を見ながら作ったんだよ。
八雲: そうだったんだ?
GM: そう。極端な関係性って感じで。
八雲が去った河原で、蓮根は独りごちる。
「あの人以上に大事なものなんて、私に生まれる筈がない――――……。」
04◆ アプローチ シーンプレイヤー:嬉野冬也
冬也: ちょっと、今のうちに春日部に釘を刺しておきたいな……。
GM: お? 刺しときます? どんなシチュエーションがいいですか?
冬也: 春日部、学校来てるの!? あんな大怪我で?
GM: 来てますよ。まあ、普通に考えると怪しさ満点ですけどね。
八雲: クラスでの会話ってどうなってるの?
GM: それに関しては、普通に対応してますね。「怪我しちゃったー」って感じで。
冬也: んー……じゃあまた昼休みの屋上で。
GM: では、この間と同じように、昼食をとる君の背後でガサガサッと音がする。
冬也: だから何故後ろから……。
GM: 「いてて……。」と言いつつ座って、焼きそばパン食ってますね。
冬也: ――――なあ、春日部。
GM: 「(パンをくわえつつ)んあ?」
冬也: しばらく、休まないか?
GM: 「……何言ってんだ?」
冬也: 正直、今のお前は力を使いすぎだ。
GM: 「んー……まあ、そんなこと言われてもなー。なんていうか、加減がわかんねーっつーか?」
冬也: ならば尚のこと、コントロールの訓練を受けるべきだと思う。
GM: 「でもさー、今、UGNもそんな状況じゃないんだろ? 頑張るしかないじゃん?」
冬也: ……本心はそうじゃないだろ。
GM: 「…………。」まあ、想像はついてるみたいですが、こいつ自分から本心は言い出さないですよ。そっちが言わない限り。はぐらかしますよ。
冬也: ――――俺は、お前のことが心配なんだよ。
GM: 「心配は嬉しいけど、大丈夫だよ。」
八雲: これって、正面から言ったら全部弾き返されるパターンだよね。
GM: まあ、そうですねー。
冬也: んー……でも、俺からのアプローチだとなあ……。よし、ちょっと話題を変えよう! ――――お前にしたいことがあるように、俺にもしたいことがあるのかどうか考えてみたんだ。
GM: ほう? 考えてみた?
冬也: ん。今まで、やんなきゃいけないとかそんなんばっかりで、俺がどうしたいのかってのは考えたこと無かったんだ。
GM: 「…………。」
冬也: で、今後どうなるかはわかんないけど、今、俺はお前のことを守りたいと思った。……初めて出来た友達のお前を。
GM: 「友達、かあ。え? お前に友達って居なかったのか?」
冬也: 居なかったよ。
GM: 「それって、何で?」
冬也: んー……どう説明したら分かってもらえるかが難しいんだけど、生まれてから今まで、双子の弟以外に一緒に居る人って居なくってさ。訓練とか、戦ってばっかりだったから……。ああ、転校初日に言った経歴も、嘘な。
GM: 「……その、双子の弟ってのは、今どうしてるんだ?」
冬也: 今は行方不明なんだ。
GM: 「そうか……。じゃあ、もう同じようなもんなのかもしんないけど、お前の双子の弟が死んじまったとしたら、お前はどうなる?」
冬也: …………。
GM: 「それと同じだよ。(笑って)――――まあ、俺から何も言えなかったから、あっちも知るはずないんだけどな。」
冬也: 笑わずに聞いてる。
GM: 「あいつ自身は何も悪くないのに死んじまって――――それがこんな、理不尽な世界が原因で。(ぼそっと)俺は、それが許せねーんだ。」
冬也: そっか……。
GM: 「ぶっちゃけると、UGNもFHとかいうのもどうでもいい。ただ、仇が取りたいんだ。その為だったら、どんなことになっても良い――――……!」
冬也: うーん…………。
GM: 正直、いまのままだと、釘を刺すって感じにはならないですね。
八雲: 一応、2パターンくらい解決策あるんだけど、1つだけ試しに出てみようかな。
冬也: お、助かります。
八雲: では登場!(ダイスを振る)やあやあ諸君、元気かねー?
冬也: ど、どうしたの、急に?
八雲: シーンを明るくしに来ました(一同笑)。
GM: 「ああ、八雲さんでしたっけ?」と、冬也との話を切ろうとする感じで、八雲の方に向き直りますね。
八雲: ごめんね? 実は今の話、下水溝の中で聞かせてもらったの。
GM: 「げ、下水溝ですか!? 凄いんですねー……。」
八雲: それはさておき。いいじゃない! 仇、とりましょう!!
GM: そんな簡単に言われると、面食らいますね。
八雲: あなたの今のやり方だと、仇とる前に斃れちゃうね。と、ここでジャーム化したらどうなるかという話をします。
GM: 一応ジャームについての教育は受けてる前提で、春日部が反論しますね。「ジャームって、その人の欲望に従って動くんですよね?」
八雲: 必ずしもそうとは限らないと思うよ。
GM: 「でも、望みはあるんじゃないかな、なんて思っています。」
八雲: じゃ、具体的にどういうことが起こるかっていうと、まず私達の元に、観鏡市にジャーム出現っていう報告が来るじゃない?(一同笑)
GM: まあ、そうですね。
八雲: で、私のドリルが唸るわけよ。でも、そういうのって悲しいよ。嫌だよそんなの。ただ、仇をとるなって言ってるんじゃないの。仇をとるんだったらきっちりとろう! って話をしに来たのよ。
GM: 「きっちり……ですか。」
八雲: そう! 貴方は戦い方を知らなすぎる。
GM: 「それは、まあ……。」
八雲: この生まれながらの戦士、明星さんに任せなさい! チルドレンだしね!(一同笑)
GM: 「いやあ、先輩の手を煩わせるわけには……。」
八雲: じゃあとりあえず、上に話をして、明日の日中フェイズを訓練にあてるから!
GM: 「え? あ、は……はい…………。」面白いねー。それは、圧倒されますね。
八雲: 来なかったらどうなるか――――分かるよね?
GM: 「…………ハイ。」
八雲: オーヴァードっていうのは、心と体を鍛え上げないと生き残れないタフな世界なの! わかった?
GM: 「わかりました……。」
八雲: 良い返事ね! じゃあね!! あ、嬉野さま! 今日ご飯作りに行きますねー! と言って、退場します。(一同笑)
冬也: 俺、ここで八雲明星にロイスをとります! 冬也としては考えもしなかった方向からの説得だったので、□感服/劣等感で!
GM: なるほど。
八雲: あー、冬也っぽいね。
冬也: どういう意味だ(笑)。
● 三日目 深夜
GM: ここで、戦闘ポイントが1つ増えます! UGN観鏡支部チルドレン育成施設が攻撃を受けるので、ここの防衛が発生します。調査スキルは<情報:UGN>です。
豊前: んー、増えたか……。
GM: なお、追加情報なのですが、春日部はこの戦闘ポイントに参加します。
冬也: ここは絶対に調査に成功したいから、豊前にお願いしたい。
豊前: OK。じゃ、強化ビジネススーツと能力値強化【社会】で!(ダイスを振る)14……だから財産ポイント1点使って15!!
GM: ここではイベントが発生します。その際に戦闘系技能の達成値かダメージで目標値をクリアしてもらいます。
八雲: 達成値かダメージかは選べるの?
GM: 選べます。
冬也: じゃあ俺は、8.UGN支部②について調べる!(ダイスを振る)9……だから財産ポイント1点使って10!!
GM: 対応スキルは戦闘系技能なのですが、<白兵><射撃>のみです。
八雲: ではここは私が行って、育成施設の方は嬉野さま、お任せ出来ます?
冬也: 俺、達成値もダメージも全く出ないよ。
八雲: そういえば、そうだったね。じゃ、8.UGN支部②は後回しにして、育成施設に二人で行こうか。で、私は9.“ネヴァーモア”本部を調べる!<情報:FH>で(ダイスを振る)5!
GM: それはさすがに分からないです(笑)。
01◆ UGN支部防衛① シーンプレイヤー:一ノ瀬豊前
豊前: じゃあ《ハンドリング》で登場(ダイスを振る)!
深夜に一人、UGN支部に所属する、とある施設にやって来た豊前。
人が居る気配はするが、人影は見えない。
GM: ということで、<知覚>判定を行ってください! 成功すると、敵は即座にエキストラ化します!
豊前: くっくっく。俺の<知覚>は、ボーナスも足して現在8!(ダイスを振る)……10。
GM: ――――まあ、10ならクリアですね。
豊前: ああ、良かったぁ……。
豊前が操るオコジョを先頭に、オコジョの群れが物陰に潜んでいるFHエージェントを次々と見つけていく。
そして、その施設に居たFHエージェントは全員排除されたのだった。
02◆ チルドレン育成施設防衛 シーンプレイヤー:八雲明星
GM: では、育成施設のほう、いきましょうか!
八雲: はーい(ダイスを振る)。
冬也: 登場します(ダイスを振る)!
UGN各員の活躍により、強襲してきたFHエージェントは全滅した。
戦闘終了後の一瞬の弛緩――――。
その隙を突いて、一人の侵入者――――FHエージェントが現れ、チルドレン育成施設の一部を爆破。拳、あるいは拳から放たれる炎によって、UGNのエージェント達が倒されていく。
冬也: ……もしかして、本体じゃないか? アレ。
突如現れた侵入者に対して、春日部が空間を調整。他者が認識できない移動を繰り返して霍乱・不意打ちしようとしているところに、八雲と冬也は到着した。
春日部の能力は八雲や冬也にも認識できないほどで、相手を圧倒しているかに見えたが、その侵入者が何も無い空間を氷漬けにし、春日部を弾き出した。
豊前: ほー……。
冬也: すごいな……。
GM: で、侵入者が春日部にとどめをさそうとしているところに介入すると思ってください。ぶっちゃけて言うと、見た目は夏樹に似ていますね。
冬也: …………。
GM: 1ラウンドのみの戦闘だと思ってください。夏樹は行動済みとします。<白兵><射撃><RC>いずれかの技能で達成値50以上、あるいはダメージ40点以上を算出してください。
八雲: 要は、達成値50いかなかったら、ダメージを叩き出しゃいいんでしょ?
GM: その通りです。よくおわかりで(笑)。ちなみに、登場しているPC全員が判定に失敗した場合、春日部は死にます。
冬也: どっちかが成功すればいいってこと?
GM: ですです。
豊前: 良かった……嬉野冬也一人で行かなくて本当に良かった。
GM: ぶっちゃけ、嬉野君一人で来たら詰んでたはず。
冬也: そうだね。全然無理。
GM: それをちょっと目論んでたんだけどね。
冬也: 酷ぇ……(笑)。
八雲: じゃ、行くよ! マイナーで《骨の剣》、メジャーで《コンセントレイト:バロール》《魔王の理》《漆黒の拳》!!(ダイスを振る)達成値は37……だからダメージで40目指すしかないね。
冬也: 今、固定値いくつ?
八雲: だよね。それ見とかないと危ないよね(一同笑)。固定値が15。……これならいくでしょ!(ダイスを振る)出目が36だから、51点の装甲無視ダメージ!!
侵入者が春日部に止めをさそうとした刹那、真っ白な拳が天空から振り下ろされた。
その拳を相殺して、後ずさる侵入者。その足元には、大きなクレーターが穿たれていた。
GM: ということで、瀕死の重傷ではありますが、春日部は生きてますね。
八雲: ああ。明日の訓練は無理だな。
GM: 無理ですね(笑)。
冬也: よし、担いで撤退だ!
GM: ただ、ラウンド進行は続きます。クリンナップ!(にこりと笑って)冬也君にダイスを振らせてあげます。
冬也: !!(泣きそうな声で)振りたくないよぅ~……夏樹としての判定?
GM: ですね。【精神】の値は4、<意志>は6です。こっちもダイス振るよ! こっちが勝ったら、冬也の中の夏樹の意識が無くなります。そっちが勝ったらそれが防がれます。(ダイスを振る)こっちは17!
八雲: いざとなったら蓮根の効果を使おう。
冬也: そっか……それがあったね。まず、振ろう!(ダイスを振る)今、14……。
八雲: ここは蓮根の効果使おう!
冬也: いい? ありがと。じゃあ蓮根牡丹の効果で達成値+10! これで24!!
一瞬、冬也の中に居る夏樹の存在が奪われそうになったが、何とかそれを防ぐ。
冬也: なんか、リアクションしか出来ない今の状態ってのは、歯痒いな……。なあ夏樹、向こうを乗っ取ることとかって出来そうか?
GM: 「――――ん? なんだって? 悪ィ、聞いてなかった。」
冬也: ……襲撃者って、ここでは取り押さえられないですよね?
GM: それは無理でしょうね。そして、夏樹は黙して語らず、です。
冬也: ……何なんだろう? 夏樹への表の感情を、ネガティブの不安にしておきます。
GM: では、思った戦果を上げられなかったので、その侵入者は退場します。
冬也: …………。
GM: そして、チルドレン育成施設の対応をしたので、チルドレンの分隊襲撃というプラス修正が入ります! 戦闘ポイントの調査スキルに+2が入ります。
冬也: 毎回?
GM: そうです。因みに、前回言った“オーバーライド”の欠陥、覚えてますかね? 同じ意識・自我を持つ複製体同士が同一のシーンに登場した場合、そのクリンナップにどちらか片方あるいは両方が、戦闘不能あるいは死亡となる。です。
八雲: つまり複製体が登場してるときにラウンド進行しちゃいけないってことか。
冬也: でも今判定したとき、あっちも戦闘不能にならなかったよね?
GM: ならなかったですね。
冬也: ふむ…………?
● 四日目 日中
八雲: あー、大神さんを先に行っとくべきだったなー。絶対なんかプラスあるよね。……あと、他に誰か戦闘に役立ちそうな人、居る?
冬也: 菅野さん。
八雲: あれ? 豊前がもう結んでなかったっけ?
冬也: そうなんですけど、それによるプラス修正がまだ出てないんですよ。
八雲: あとは神前かな。
冬也: それも、豊前が最初に結んでますね。
豊前: 俺は“クロスブレード”にロイスを結んでも、何もプラス修正がないことが不満なんですよ。
GM: ああ、いや。あるんですよ。ただ、フラグを踏んでないんです。
冬也: ほう。
八雲: ねえ。冬也はさ、今の夏樹の状態を解決したいわけなの?
冬也: 勿論。
八雲: てことは、ゴールを設定しておけばいいんだよ。夏樹の体を見つけて、そこに夏樹の意識を戻すってこと? 例えば、夏樹の意識を持った夏樹の体が出てきたとき、冬也はどうするの?
冬也: …………。
豊前: 今問題なのは、夏樹の本体っぽいものが明からさまに夏樹とかけ離れていて、冬也の中の夏樹の意識を奪おうとしてるってことでしょ。
八雲: まあ、意識が夏樹じゃなければ問題ないんだけど、こないだとかさっき出てきた夏樹(以下夏樹´)と相対するときに、夏樹in冬也をどうするかってのは、考えといたほうがいいだろうね。
GM: このシリーズのサブタイトルはオントロジ(存在意義)なので、そこらへんも考えてきてくださいねー。
冬也: んー……すごい不思議なのがさ、“オーバーライド”が夏樹に対して行われたとして、上書きされて消えてる筈の夏樹の意識がなんで消えてないのか……。
GM: まあ、その辺の話には一切触れてませんからねー。分からないでしょうねー。ま、考える為の情報は与えますので。
01◆ 確証 Master Scene
支部長室に居る菅野の端末が、着信を告げる。
通信主は西森。固い声で、調べ上げた事実を伝える。
『八重樫君は、完全に消えなかったプロジェクト・“エンブリオ”について、組織的な関与を洗い直していたみたい。』
西森は報告を続ける。
“エンブリオ”の研究技術がFHに提供され、とあるセルで研究継続が行われており、その資金がUGNから提供されたことと、FHに研究母体が移ったのは、“エンブリオ”事件の結果によってUGN内での隠蔽が難しくなった為だということが判明したこと。
FHで研究を担当したセルが“ネヴァーモア”であることや、そのセルリーダーが閂朱音であること。
「――――まあ、どういう経緯があって、あの子がそんなことになってるのかは、さっぱりだけど。」
西森は少し、声を落として続ける。
「……ちょっと、あの子の気持ちは、分からなくもないけどね。」
その報告を受けると、菅野は西森に礼を言った。
「ありがとう、西森。恩に着る。――――これ以上はやめてくれ。お前が危険だ。」
「何言ってんの。こんなの問題にならないわよ。」
軽口を叩く西森に、菅野は頼むよ、と重ねる。
「これ以上、同僚を失いたくないんだよ……。」
西森との通信が終わった後、今度は別の場所に連絡を取る菅野。
十数回コールが鳴り、諦めて切ろうかとしたところで相手が出た。
その相手に対して一言二言話した後、菅野は支部長室を後にした――――。
GM: ということで、このシーン以後、菅野は表面上、君らの前には出てきません。
八雲: これ、春日部の能力を使えば、ここに出られるのかな?
GM: まあ、僕が説明したルール上は可能でしょうね。
八雲: ちょっと一言くらい喋っておきたいかなー。でも、キャラとしての動機がなー……。
GM: そうかもしれませんねー。
八雲: あ! じゃあ春日部のお見舞いに行ったら、彼の能力が暴走したことにしていいですか?(一同笑)
GM: いいですよ。
八雲: じゃあ登場します!(ダイスを振る)侵蝕率は90%まで上昇!!
GM: では、コートを着て、支部の建物の外に出ようとする菅野。
八雲: わあぁぁぁぁっ!? ドンッ!!(←虚空から落ちてきたらしい)あ、あいつつつ……。
GM: 「じょ、嬢ちゃん? 今どっから降ってきた?」
八雲: 実は、春日部君っていうイリーガルが居まして……。
GM: 「ああ、彼のことは知ってるけども……入院中じゃなかったかい?」
八雲: ――――何ていうか、寝ていても 団扇の動く 親心……ってことよ。
GM: 「?」
八雲: 無意識に力を使っちゃったみたいで、ここに飛ばされたみたい。やれやれだね。――――あれ? コート着て、何処行くの?
GM: いや、ちょっと出先に。
八雲: ふぅん……? そんなに眉間に皺寄せて。ちょっと出先にって顔じゃないよ? と、菅野の眉間の皺を伸ばす。(一同笑)
GM: 「…………。」
八雲: 別に止めないけど、それをしてどうしたいの?
GM: 「…………。」結構核心すぎる質問なので、答えに窮してる感じですね。
八雲: …………(じっと菅野を見る)。
GM: 「――――嬢ちゃん。すまないが今此処でおっさんに会ったことは、秘密にしておいてくれないかなあ?」
八雲: どうして行くのかを教えてくれたら、黙っててあげる。
GM: ! どうして、か……。「遺志を確認しに行くため、かな。」
八雲: つまり、それをしたいってことね?
GM: 「これは俺の意志でもある……。」
八雲: ――じゃあ、気をつけて。
GM: 「すまんね、嬢ちゃん。」と言うと立ち去りますね。
八雲: ガシャコン、ガシャコン、ガシャコン……。(←菅野の足音)(一同笑)
GM: 隠密出来ねーな、菅野……。
豊前: 仕方ない。機械化兵だから(笑)。
GM: ということで、八雲明星は菅野が5日目の日中にとろうとしていた行動を調べることが出来ます。
八雲: 情報共有すれば、誰が調べてもOK?
GM: まあ、話すのはOKですが、調べて情報を得るのは、明星が一番先にということにします。で、その情報をどうするかは明星に委ねたい。
八雲: おっけー。……でも成功する気がしないんだよねー。
GM: これはボーナスステージだと思ってください。八雲が非常に的確な行動をとったので。
02◆ 深層にて シーンプレイヤー:八雲明星
八雲: 登場(ダイスを振る)! 95%!!
菅野が去った支部。
八雲はまず、体中についた埃を払ってから、菅野を尾行し始めた。
GM: ついていくと、菅野は旧UGN観鏡市支部に入っていきますね。
八雲: 私も入り込みます。
GM: 菅野は気付きませんね。……しかしまさか、本当にここに来るとは。
最終的に菅野が辿り着いたのは、地下にある薄暗い研究施設だった。
GM: 前回のキャンペーンの最終話で、戦闘が行われた所ですね。
その部屋に辿り着いた菅野は、「何処に居るんだ」と声を上げる。
すると、部屋の奥から、夏樹の姿をした人物が現れた。
距離があるためか会話の全ては聞こえないが、夏樹の姿をした人物は、問答無用で襲い掛かってくるようなことはなく、理性的な表情で菅野と話をしているようだ。
八雲: わざわざこの場所でっていうのも、意味があるんだろうね。
冬也: うん……。
夏樹の姿をした人物に、問いかける菅野。
「今の状態っていうのは、お前さんの遺志に沿っているのか――――?」
そんな菅野に、その人物は問いで返す。
「それについて、今僕が何か言うことに、意味があるのかい?」
豊前: へー。中に入ってんの、八重樫なんだ。
冬也: ね。なんでかしらん……?
目の前の人物と話す菅野の話し方は、旧知の仲の人物とのそれであるように、八雲には思えた。
GM: ここで菅野は、八重樫がこの状態をどう思っているのかという答えを得ます。
八雲: どう思ってるの?
GM: 言いません。ここでは、ね。
八雲: …………。でも、今まで我々が戦ってきた夏樹´が、八重樫だってことはここで分かりました、と。つまり、八重樫ってどちらか一強になってる状態を良しとしてるってことだったよね?
GM: “エンブリオ”事件当時はね。
八雲: つまり、その考えに沿って今も動いていて、その邪魔をしてくる我々を排除しようとしていたっていうのは、もの凄く筋が通ってるよね。
冬也: …………。
八重樫の意識が入った夏樹´と、ひとしきり話し終わった後。
「――――俺は、どうしたらいいんだ……?」
菅野はただ、立ち尽くすのだった。
八雲: ここは、お節介焼きの明星さんなので、登場しようかな。
GM: 出てくんの!? まあ、いいですよ。
八雲: ――――ずるり。来ちゃった(てへぺろ)☆
GM: 「じょ、嬢ちゃん……!?」
八雲: 大丈夫。止めないって約束したから。
豊前: 着いてこない、とは言ってないな。確かに(笑)。
八雲: 何をそんなに悩んでるの? 支部長。
GM: じゃあ、菅野はどさりと腰を落として、頭をかいてるね。「どうしたらいいんだか……。」
八雲: 私、分からないことがあるんだけど――――何ていうか、物事って必ずしも解決しなくていいんじゃないかなって思うの。
GM: 「…………。」
八雲: カオスな状態を人は凄く嫌うじゃない? だから、何か不安定な状態があるとそれを安定した状態に持って行こうと、みんな凄く頑張るんだよね。でも、その形が人それぞれ違うから、どうしてもぶつかったり、すれ違ったりするんだよね。ね? 支部長。
GM: いつになく真面目に聞いてますね。正直今、菅野は迷ってます。
八雲: 私は思うんだけど、他の人の気持ちって変えられないから、こういうときって何とか出来るのは自分の気持ちだけじゃないかなー?
GM: 「わかっちゃいる。――――わかっちゃいるんだけどねえ……。」
八雲: 支部長は今、どういう気持ちなの?
GM: 「まず正直な話、あいつのやりたかったことがあるんなら、それを叶えてやろうと考えていたんだが……。」
八雲: でもそれは、あの人の希望だよね? 支部長の希望じゃないと思うんだけど?
GM: 「(苦笑して)というか、それを聞こうとしたら、教えてくれなかったよ……。」つまり、彼がこの状態を是とするか否とするかについては、教えてくれなかった。「知るか!」って言われたと。
八雲: もっとシンプルに考えると、要は支部長はあの人のことが好きだから、あの人の為になってあげたいんだよね?
GM: 「まあ、そうなのかもしれないね。」
八雲: そうすると、あの人の思い通りに行くことがあの人の為なのか、そうじゃないあの人の為があるのかっていうのは、考えてみたことある?
GM: それは、黙るね。はっとした表情になる。
八雲: そんなことを考えてみたら、唯一残った生身部分の眉間の皺も、少しは薄くなるんじゃないかな? 楽に行こう、楽に! テイクイットイージーよ、支部長~! と、私はシーンを去ります。
GM: 菅野は「うーん……。」と、悩んでますね。
八雲: ここで、菅野にロイスを結んでおきまーす。□庇護/不安で!
GM: 庇護、なの?(笑)
◆ ◆ ◆
GM: ではここで、一度情報を整理しましょうか。……本当はこれ、今回のクライマックス後に分かる話だったんですが、夏樹´の中には八重樫が居ます。
豊前: うん。
冬也: そいつが、チルドレン施設で春日部に止めをさそうとしていた夏樹´ってこと?
GM: そうです。春日部を弾き出したときに、氷漬けにしたって言ったでしょ?
冬也: うん……。
GM: 同じサラマンダーでも、夏樹は炎での攻撃を演出してましたよね? で、八重樫のコードネームは……。
冬也: ……“コールドモノクル”支部長。
GM: でしたよね。ってのが一点目。ただ、何故それが夏樹の体に? っていうのは分からないんですけどね。
八雲: これは、嬉野君が開けたかったねー。
冬也: いや、俺が開けてもどうにもならなかったと思うよ? 寧ろ八雲さんで良かったと思ってるよ、俺は。
GM: 俺としても、この情報は第三者が得ていた方が面白いと思ってたので、いい感じじゃないかな。
03◆ 解答 シーンプレイヤー:一ノ瀬豊前
豊前: 俺は、冬也に会いに行く(ダイスを振る)!
冬也: マジで? いいよ(ダイスを振る)。
豊前: くそー……向こうで話がすごい進んでるのに、俺はまだここに立ち返ってる……。
冬也: で、何処に出てきたらいい?
豊前: UGN支部の受付で遊んでいたら(一同笑)冬也が通りかかったんで、あ! あいつに話すことがあったんだ。ゴメンね、白鳥さん。またねー! って言って、冬也に話しかける。ちょっといいか?
冬也: なんだ? 急ぎの用か?
豊前: そうだな。結構な急ぎの用だ。
冬也: 俺は、昨晩の夏樹のことがあるので、苛々(いらいら)――というか、焦ってるような感じです。
豊前: そっちは何か、用事があるのか?
冬也: いや、実は伊勢さんの所にもう一度行こうと思ってて。
豊前: なるほど。――――実は、その件でもあるんだ。
冬也: ?
豊前: ということで、神前からもらった情報を全て、冬也に渡す。
冬也: 『マスターデータ』のこととか、か。OK。
豊前: あー……で、だ。そのー……うちの支部長はあんなんだからよ。お前に対して、はぐらかしたりして結局大事なこと何一つ言ってねー気がすんだけど。
冬也: うん。
豊前: ま、正直な話、俺らにはお前が必要だし、お前の力にもなってやりてえと思ってる。だから――――なんだ。あんな大人ばっかじゃねぇってことは、覚えといてくれ。
GM: 可哀想に、菅野……メッタメタに言われてる(笑)。
豊前: しょーがねーだろ! 全部はぐらかしてんだから!!
冬也: まあ、俺の知ってる菅野さんは、ああいう人だから、あの反応に関しては、そうなるかなとは思ってたよ。
豊前: なんか、ごめんな。
冬也: ――――正直、色んなことが一気に起きすぎてて、何から考えたらいいのか分かんないよ。
豊前: そういうときは、ごちゃごちゃ考えてねーで、まず行動できるところから行動したらいいんじゃないか?
冬也: ……(嘆息して)最近、よく言われるな。考え過ぎだ、って。
豊前: (笑って)ま、その伊勢さんとやらの所に行くんだろ? 頑張れなー。
冬也: んー……。なあ、豊前。
豊前: お? 何だ?
冬也: ちょっと、腑に落ちないことがあるんだ……。と、俺が疑問に思ってることを豊前にぶつけてみよう。
豊前: ほう?
冬也: “オーバーライド”の概要は分かった。で、例えばそれによって夏樹の意識が俺に転写されたとしよう。――――なら、今俺が消えてないのは、何でだと思う?
豊前: それについてはGM、俺の中で何かのアイデアはある?
GM: んー、まあ類推出来ていいのかな。単純な話で言うと、上書きされなかったというだけです。本当にそれだけ。
冬也: 偶然?
GM: さあ? 一応僕の中では答えはあるんですけどね。
冬也: (素になって)……あ、そうか! ロイスだ!!
八雲: ん?
冬也: コピー元に対してロイスを結んでいるコピー先に転写されると、上書きされないんじゃないかな?
豊前: ほう。
冬也: だから八重樫が夏樹に転写されたことで、夏樹の体には八重樫と夏樹が居る状態。で、冬也に夏樹が転写されたことで、冬也の体には冬也と夏樹が居る状態。――――で、その二人が出会うと、どっちかの夏樹が消えちゃう、と。事実、冬也はこのキャンペーン中、第一話からずっと夏樹にロイス結んでるんですよ!
八雲: おー!!
GM: …………(タオルで口元を隠す)。
豊前: 正解だったっぽいね(笑)。
GM: いやいや、俺は表情筋を隠しただけですよ?
豊前: それじゃあ、正解って言ってるのと同じだよ!!(一同爆笑)
GM: ま、いい感じの予想じゃないですかね。
豊前: 話していくうちに、そんな感じでまとまった俺たち。――――要はやっぱり、思いの強さってことか。
冬也: 解決策は分からないままだけどな。……ああそうだ、お前にとっては朗報かもしれないな。
豊前: ん?
冬也: 俺は今、春日部を守りたいと思ってる。――――あいつは、俺に初めて出来た友達なんだ。
豊前: そうか――――それは良かった。……心の中では、へっへっへ、トモダチ作戦大成功! って思ってる(一同笑)。
冬也: 見事に釣られてるな、俺。
豊前: まあじゃあ、俺はちょっと夏樹についてでも考えてみるよ。ということで、嬉野夏樹にロイスを結びます!(ダイスを振る)尊敬/■疎外感で!
冬也: なんか違くない?(笑)
04◆ 突然 シーンプレイヤー:嬉野冬也
GM: さて。ここで、一つイベントが起こるんですよ、冬也くん。
冬也: はい(ダイスを振る)10……。嫌な予感がする。
GM: 場所は、また八重樫の墓の前ですね。“レースノウァエ”が居ます。
冬也: うん。俺も丁度会いたいと思ってたんだ。
豊前と話すことで掴んだ、真相の片鱗らしきもの。
新たに得た情報と、その推測を八重樫の墓の前に立ちながら整理している冬也の元に、“レースノウァエ”がやってきた。
彼女は、髪をかき上げながら冬也に問う。
GM: 「――――答えは出たかしら?」
冬也: “レースノウァエ”のほうに向き直る。
GM: 「少なくとも、八重樫の遺志を継ぐというのであれば、私達が戦う理由はないと思うのだけれど?」
冬也: ――――三年前、八重樫は俺に、戦う理由を見つけて欲しがっていました。
GM: 「…………。」
冬也: 俺は、八重樫の遺志を継ぐということは、俺がちゃんと目的を持って生きることだと思うんです。
豊前: おぉ……。
冬也: 今、俺は大切な友達を守りたいと思ってて、そいつがUGNにいるので、俺はUGNとして戦います。
GM: 「それが、八重樫の遺志に反しているとしても――――?」
冬也: 八重樫の遺志って、たった一つじゃないと思うんです。どちらか一強の状態にしたいと思ったのも、俺に何かを掴んで欲しいと思ったのも、八重樫の意志だと思います。――――俺は、師匠としての八重樫の意志に従います。
GM: 「……わかりました。それが、あなたの今の思いなのね?」
冬也: はい。
GM: 「では、私も手心を加えるわけにはいきません。」ここで、Eロイス《悪意の囁き》を使用します! このシーンに他の人が出ることは出来ません! その上で、夏樹´が出てきます。
冬也: うおおっ!? ここでっ!?
GM: ですが、ここでは<意志>対決は発生しません。
冬也: え……?
GM: 君の中に居る夏樹が一言、「悪い!」と、君に別れの言葉を言って、直後に夏樹の意識は認識出来なくなります。居なくなったと思ってください。
冬也: う、わぁ……。
GM: 「これで、こちらの目的は一つ達成しました。――――あとは、好きになさい。」と、君に興味をなくしたように、“レースノウァエ”と夏樹´は立ち去ります。
冬也: じゃあ、まだ俺は八重樫のことは知らないので、夏樹ッ!! と叫ぶ。
GM: そう呼ばれると、夏樹´は振り向きますね。
冬也: 問答無用で攻撃してきたときの夏樹´とは違う表情?
GM: 違う表情ですね。
冬也: ――――それが、お前のしたいことか? と、夏樹´に聞く。
GM: そうすると、いつぞやの戦闘で無慈悲な力を示したときのように、にやっと笑う。……それは、八重樫が見せているのか、違うのか? ってとこですね。
冬也: じゃあ、それを呆然と見送る。
GM: ということで、ここで夏樹のロイスをタイタスにしてください。
冬也: マジっすかー……。
GM: ただ、あくまで喪失感からタイタス化したと思ってください。この話が終わった時点でそのタイタスをどうするかは、お任せします。
冬也: うわー……これは…………っ(←凹んでる)。
● 四日目 深夜
八雲: これさ、もう深夜パスでいいんじゃない? 別に全部開けることない気がする。
豊前: じゃあ、9.“ネヴァーモア”本部だけ調べちゃおう。(ダイスを振る)残りの財産ポイント全部使って26!
GM: はい、ここは複数の技能の組み合わせになります。判定は一回じゃないです。ボーナスは+4です。
豊前: ん。で、何の技能で判定?
GM: <知覚><知識:機械操作>と、戦闘系の技能ですね。
豊前: 俺、またオコジョで出ることになるんじゃないの? クライマックス(笑)。
GM: <知覚>上がるもんねー。
八雲: 正直、もう1シーン欲しいんだよね。まだ私の中にSロイスが芽生えてないから。
GM: こちらからのイベントシーンはもう、ほぼないので、あとはPC間でやりたいシーンをやってもらってクライマックスと考えてますよー。
八雲: じゃ、そうする?
冬也: うん。いいんじゃないかな。
八雲: よし、じゃあ今日は寝る! ずっと深夜に活動してたからね!!
● 五日目 日中
01◆ 購入 シーンプレイヤー:一ノ瀬豊前
豊前: 俺は購入シーンをやる(ダイスを振る)! 俺の知り合いの調達屋・ジャクソンさんにクリスタルシールドを持ってきてもらう! ミーミルの覚え書きで調達屋にして、強化ビジネススーツと能力値強化【社会】を使用!!(ダイスを振る)おっけ、41で買った!
冬也: すげーな(笑)。
豊前: そして、ついでにお前にロイスをとっておこう。
GM: 誰なんだよ、そいつ!
豊前: 俺のアメリカに居たときの友人だ(笑)。
02◆ 別離 シーンプレイヤー:八雲明星
八雲: 因みに嬉野くんは何かやりたいシーンある? なければ今度は私が会いに行くんだけど。
冬也: ないよー。
八雲: では、嬉野さまに会いに行く(ダイスを振る)! 99%か……。
冬也: (ダイスを振る)で、どんなシーン?
“レースノウァエ”との邂逅の後、喪失感に苛まれながら自室の扉の鍵を開けると、部屋の中には明かりが点いていた。
冬也: ……(呟く)また、八雲さんか。(一同笑)
八雲: 私は、寸胴鍋やらお玉やらを荷造りしているところなんです。
冬也: 荷造り!? ――――どうしたの? 八雲さん。
八雲: (荷造りをしながら)私、この戦闘が終わったら、この町を離れようと思うんです。
冬也: ……査察部としての、仕事で?
八雲: 今回のことが終わったら、またしばらくは待機になるんだけど……。
冬也: ――――だけど?
八雲: ……これだけ色々なことが起こると、自分の気持ちに自信が持てなくなるものなんですね。
GM: (小声で)え!?(←びっくり)
八雲: 恥ずかしいけど、この際だから言っちゃいますね。私、嬉野さまのこと好きなんです。
冬也: (即答)赤くなります。(一同笑)
八雲: でも、やっぱりどうしても私が一方的に押し付けてるように思えちゃって――――。だから例えば、遠く離れてもこの気持ちが変わらなければ、本物だって思えるだろうと思って。
冬也: …………。
八雲: あと、私結構ちっちゃい頃からあちこちの支部を転々と盥回しにされて、ずっといらない子扱いされてたの。だから、どうも一つの場所に落ち着くっていうのが馴染めなくて……。そんな感じです。短い間でしたけど、お世話になりました。
豊前: 何となく、今回のSロイス化条件が見えてきた(笑)。
冬也: いや、俺もそれは何となく分かったんだけど……冬也としては、この直前に夏樹が居なくなってるのもあって、喪失ということにナイーブになってるんですよ。
八雲: そ……そのタイミングを狙わなかったと言えば嘘になる。(一同爆笑)
冬也: ただ、ここで手を伸ばすか否かってのは…………。
GM: 難しいところですねぇ。……でも、今までに無いアプローチですよね。こんなしおらしい明星、今までなかったよ?
八雲: そろそろ私は、荷造りを終えて、風呂敷を背負います(笑)。
冬也: んー……今のタイミングだと、俺は手を伸ばせない気がする。
大きな荷物を背負って部屋を出て行こうとする八雲に対して、俯いたまま冬也は言う。
「――――…………ごめんね。」
それを聞き、心から傷ついた表情になる八雲。
一粒涙を零すと、冬也に背中を向けたまま、ぽつりと呟いた。
「私もいつか、誰かに必要とされる人間に――――なれればいいな。」
冬也と八雲。
二人の心は離れたまま、終に決戦の時が訪れる――――。




