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第四話 「最果ての敗残者 -Loser in The End-」 03

06◆ 暗躍         シーンプレイヤー:一ノ瀬豊前


GM: では次のシーンですが……。順番的には豊前の番かな?

豊前: 俺は“イクリプス”メンバーをあの研究所に向かうよう仕向けます(ダイスを振る)。ということで、ここは生徒会室。俺は、生徒会メンバーが来る前にここに来て、生徒会長の椅子に座って、扉に背を向けています。

冬也: どっかで見たぞ、この光景(笑)。


 しばらくすると、生徒会室に虎杖と蓬沢が入ってきた。


豊前: (くるりと椅子を回して)よう。

GM: 蓬沢は貴方を見ると、いかにも驚いた風なリアクションをしますね。

八雲: (蓬沢になって)おぉー! なんだよ、お前こんなところに出入りするようになったのかー?(一同笑)

豊前: そんなことよりも、だ。今、お前らの総大将はこんなトコに居るぜ? って言いながら、研究されてる最中の神前の写真を見せます。

GM: 蓬沢は「ふぅん……。」と呟きますね。虎杖はその写真をじっと見つめています。

豊前: で。お前らはこんなトコで燻ってていいのか? ――――ま、俺らは俺らで勝手にやらせてもらうがな。

八雲: ……ねえ。今の“イクリプス”の隊長って誰なの?

GM: 神前が更迭されたので、不在ですね。

豊前: で、牡丹ちゃんが副会長だったか。

冬也: そうそう。で、この二人のうちどっちかがジャームなんだよね。前回の戦闘でEロイス使った奴がいた。

GM: お! よく覚えてましたねー。その通りです。

豊前: あー、そうだったっけか。

GM: というところで、蓬沢が言います。「(へらへらしながら)いやー、そんなこと言われてもねー。……逆に聞くけど、どうして欲しいのさ?」

豊前: 別に。お前達はFHなんだろ? やりたいようにやればいい。単に、俺達がこれからここに強襲をかけようとしているって情報を流しに来ただけだ。

GM: 蓬沢は「ふぅん? まあ、ありがとうとでも言っておけばいいのかな?」と言い、虎杖は写真を見た後、何も言わずに生徒会室を出て行きますね。

豊前: なるほどなるほど。じゃ、動いた虎杖のほうにロイスを結んで、俺も生徒会室を出て行こう。


07◆ “オーバーライド”         シーンプレイヤー:嬉野冬也


GM: ではここで、先に伊勢のほうに行っちゃいましょうか。

冬也: はーい!(ダイスを振る)9! じゃあさっきの情報を持って伊勢さんのところにいきます。

GM: では、目の前に伊勢四郎が居ますね。

豊前: (伊勢になって)えぇ~? ボクに会う為に9も侵蝕率上げたのぉ~?

冬也: ええ。貴方に会うのは大変ですからね。で、本題なんですが……。

豊前: (伊勢で)えぇ~? 早いよぉ。シーン数3個くらい使っていきなよぉ~。

冬也: そんな時間はないんです!(笑)

GM: ということで、今まで調べた情報を元に、伊勢に調べてもらうことが出来ます。【精神】は8で、<知識:エンブリオ>を10レベル持っているものとして……誰が振る?

豊前: じゃ俺が振るー!(←伊勢のプレイヤー)

冬也: ということで、是非知恵を貸していただきたいんです。

豊前: (伊勢で)んん~。まあ、頑張るけどさぁ~。……レネゲイドビーイングとか関係あるのぉ?

冬也: (即答)関係してます、大丈夫ですよ。(←伊勢をやる気にさせる為の適当な発言)

豊前: (伊勢で)ふぅん?(ダイスを振る)じゃあ達成値は29だよぉ。

冬也: 相変わらず、わけわかんない達成値ですね……(笑)。

GM: では、暗号化されたファイルなどからの推測で、以下の情報が分かります。

 ・かつて研究されていた“エンブリオ”の目的は、胎児の時点からレネゲイドとの親和性を高めるよう調整し、チルドレンの補充用途及び要人の代替装置を作ろうというものだった。

 ・三年前の顛末において、同プロジェクトは一時凍結されたはずだったが、研究文書が何者かによってUGNから持ち出され、FHにもたらされた。

 ・その研究は、閂朱音という女性により更なる変貌を遂げ、FH内で推進が承認されている。

 ・閂朱音はかつて、プロジェクト推進者である八重樫明仁と同じ、UGNのエージェントだった。

 ・“レースノウァエ”と名乗った閂は、旧UGN観鏡支部地下にあった研究施設を使用し、研究としての成果を出そうとしている。


GM: ってとこまでが、“エンブリオ”のおさらいですね。で、ここからは“エンブリオ・オーバーライド”の骨子です。

 ・コピー元となる人物の意識を転写するためのベクターウイルス(遺伝子情報を上書きするためのウイルス)の作成を、レネゲイドウイルスにおいて実現させた。

 ・そのベクターウイルスをコピー先に対して罹患させると、ベクターウイルスがコピー先人物の意識を侵食し、コピー元の意識を植え付け、上書きする。


豊前: ほー……。

GM: 元々“エンブリオ”が、コピー先を育成して、そいつに乗り換えましょうって計画だったんだけど、当然コピー先が上手く成長してくれないと困るし、冬也とか夏樹みたいに自我を持っちゃって上手くいかないパターンもあったので、そういうものを排除しちゃおうというのが、“オーバーライド”です。

冬也: ……なるほど。

GM: では、つづきー。

 ・現在の研究段階では、コピー先にそれなりの親和性・適性が必要であり、全ての人物に対しての適用は出来ていない。

 ・仮に、適性のない人物にこれを適用した場合、コピー先人物の自我が大きく損壊される。


一同: …………。

GM: ま、この計画で出来ることとしては、凄い実力のあるオーヴァードと、弱いけどFHに従順な人が居たとして、弱い人の意識を強いオーヴァードに植え付けると、非常に強くて従順なFHエージェントが出来上がったぜ、イエイ! と。

冬也: ん? その場合、弱い人の肉体はどうなるの?

GM: えー……実はですね、このプロジェクトに1つ、大きな問題が生じていまして、コピー元とコピー先に全く同じ意識のものが存在した場合、自我を保つことが出来ないんです。

八雲: ほう。

GM: 早い話、存在のパラドックスですね。ここに自分が居て、そこにも自分が居て、っていうときに、自分を自分と認識出来なくなる――――ゲシュタルト崩壊を起こすわけです。

冬也: つまり、コピー元の人格が、コピー先とコピー元に、二人居る感じになっちゃうってこと?

GM: ですね。で、その二人が出会っちゃうと、自我崩壊を起こしてしまうと。

八雲: ってことは、今の冬也とコピー元の夏樹が出会っちゃったらヤバいことになるってことだよね?

GM: 確かに、着眼点は合ってますね。ヒントは、オープニングです。

冬也: あったね、夏樹の意識が一瞬なくなったってことが。

八雲: これは、夏樹を助ける為には、情報がもっと欲しいねえ……。

豊前: (伊勢で)ああ。こないだ見た君の状態は、こーゆーコトだったんだねぇ(にやにや)。

GM: ゲームのルール的に言うと、同じシーンに同じ意識のものが同時に存在した場合、危険です。

八雲: オーヴァードでいうと、ジャーム化するってことだよね、きっと。

GM: そうなるんでしょうね。

冬也: んー……まあ、ここで考えてもどうにかなる問題じゃなさそうだし、この情報は頭に入れつつ、今は戻ろう。

GM: 一応理屈の通る形での解決法はあるので、探してみてください。

豊前: ベクターウイルスを入手出来れば、どうにか出来そうだよね。

八雲: あるいは、一旦意識を別のところに移すとかね。伊勢さんのところに入り浸ろうか。(一同笑)

豊前: (伊勢で)参ったねぇ。面白そうだねぇ~。

冬也: お、興味持ってくれた!

GM: というところで、一度シーンを切りましょう。


08◆ 潜入          シーンプレイヤー:八雲明星


GM: では、明星のシーンに行きますか。

八雲: はーい! 潜入します(ダイスを振る)!!

豊前: 俺も《ハンドリング》で登場(ダイスを振る)!

冬也: 俺も登場します(ダイスを振る)。

GM: では、全員登場ということで。

八雲: 私はキャ○ツアイの格好で来ています。

冬也: なんでそんな目立つ格好を……(笑)。

豊前: ゴメン、俺も白で来ちゃった。(←オコジョ)

GM: ルートはどっちにしますか? ちなみに難易度は結構高くしてありますよ?

冬也: とはいえ、全員で振るほうは絶対成功できないので、潜入で一人が振る、でしょうね。

八雲: でもそれだと、ロイス切る羽目になるよ?

豊前: 大丈夫だ。お前達の分も、俺がロイスを切る。

冬也: ああ、特権階級だもんね。

八雲: GM! 例えばさ、イージーエフェクトの《鍵いらずの歩み》とかって使えないかな?

GM: それは判定内容によって考慮しますよ。

八雲: おっけー。

GM: そして、判断材料としてもう少し情報を。先程フラグを踏んだので、君達の宣言で、蓮根と虎杖が陽動をしてくれます。

豊前: よし(にやり)。

GM: ですが、まあ多勢に無勢なので時間がもたないっていうのと、君らが判定に失敗すると、この子達の安全は保障出来なくなります。

豊前: なんと!?

GM: ただし、潜入の難易度はこの陽動によって、結構下がります。

八雲: これは、やってもらおう。

豊前: 彼女達が自分の意志でそう動いてるんなら、それでオッケーだけど……。

GM: ああ、宣言ってのはあくまでルール的なもので、宣言があった場合、彼女達は自分達の意志で動いてる扱いになります。

豊前: おお! なら問題ない!

GM: では、陽動を宣言して、潜入するというルートでいいですか?

一同: はい!

八雲: じゃあ私は不定形のモノになって天井を這って行く。

冬也: 恐いよー……(笑)。

GM: では潜入ルートのルールを説明します。

 ・判定は全部で三回。

 ・三回それぞれに難易度が定められており、誰か一人でもその難易度に達すれば成功とする。

 ・失敗した場合、過度の緊張からPC全員の侵蝕率が1d10点上昇し、蓮根と虎杖にダメージが行く。


豊前: これさー、狭い所を不定形の八雲がするって抜けていって、向こう側から格子とか外してもらえばいいんじゃねーの?

冬也: ああ、それは楽だね(笑)。

GM: ではまず、潜入に使えそうなダクトを発見するために<知覚>で判定をします! 難易度は12です。

豊前: 俺が一番高いから、俺がやろう。2d+3!

GM: ある意味これが一番辛い判定なんじゃないかと思う(笑)。

豊前: <知覚>なら《ハンドリング》が役に立つ!(ダイスを振る)……足りないので、《妖精の手》!(ダイスを振る)おっけ、22!!


 豊前は、その鋭敏な感覚で、使い古されていて水も残っていない、人一人が通れる程度の大きさのダクトを発見した。


八雲: ちなみにこの達成値じゃ人が通れないくらいのダクトは見つからない?

GM: それ、見つかったとして、どうするの?(笑)

八雲: 入るんだよ? 目的は神前を連れ出すことなわけだし、人が通れない所から行ったほうが、より安全だと思うんだよね。ほら、豊前はオコジョで来てるわけだし、私はどこでも行けるからさ。

豊前: でもそれ、神前が通れないじゃん。

冬也: ていうか、俺はここで見張ってるの? その場合。

GM: それでもいいですけど、行った先で戦闘があったときは、知らんよ?

八雲: …………(不承不承)じゃあ、皆で行こうか。(一同笑)


 豊前の見つけたダクトから内部に潜入した三人だったが、施設側もダクトからの侵入については警戒しているようで、ダクト内には赤外線センサーが張り巡らされ、警備用ドロイドが巡回していた。


GM: 張り巡らされた警備機構を無効化するために、<知識:機械工学>が必要です。目標値は14!

八雲: むぅ。私一人なら何の問題もないのに……。

豊前: ホントだよね(笑)って、これも俺が一番高いのか!(ダイスを振る)……《妖精の手》!!(ダイスを振る)おー! 29!!

GM: では、端末の向こうから、警備機構を無力化して、先に進むことが出来ました!

豊前: おーし、無力化しといたぜー。……そろそろお前らも頑張ってくれよー。

冬也&八雲: そんなこと言われても(笑)。


 しばらく行くと、目の前の空間がぼんやりと明るくなってきた。

どうやらダクトを抜け、施設内に入れるようだ。ただ、そこには鉄格子がはまっており、それを外さなければ侵入は難しそうだった。


八雲: もう、何から何まで一人で来れば良かった!!(一同笑)

豊前: でも、一人で入ったところで、その先どーすんだって話だから(笑)。

GM: ということで、【肉体】で判定してください! 目標値は16!

八雲: じゃあ、私が行く!(ダイスを振る)クリティカルして、16!!


 八雲は不定形になってダクトの外に回り込み、ダクトの外側からその鉄格子をあっさりと外した。


GM: 中に入ると、君達の潜入に気付いていないのか、思いのほか静かです。


 その時、背後に気配を感じて、冬也は振り返った。

するとそこには、春日部の姿があった。


冬也: えええ!? 何で……?

八雲: それは、後ろをついてきてたってこと?

GM: いえ、気がついたら居ました。突如現れたと思ってもらっていいかもしれないですね。

豊前: なるほどね。そういう能力があるかもしれないってことか……。


09◆ 急転         シーンプレイヤー:嬉野冬也


GM: ではここで、シーンプレイヤーが冬也に変わります。ただ、状況的に全員登場ですね。

豊前: 俺、《ハンドリング》で登場だよね? コレ……。

冬也: まあ、だろうね(笑)。で、春日部は?

GM: バツが悪そうな顔で、君のほうを見てるね。「……よう。」

冬也: あー……っと、ここに居るってことは、FHなのか?

GM: 「? 何のこと?」

八雲: 貴方は5分前、何をしていましたか?

豊前: まあ皆、落ち着け! 春日部君、こんな姿をしているが、僕は一ノ瀬豊前だ。

GM: 「しょ、小動物が喋ってる!」

豊前: これも超パワーの一つなんだが、まず確認しておこう。ここは話していた悪いことをしている連中の秘密基地なんだ。君はどうやってここに入ってきたか覚えているか?

GM: 「目の前に出来た輪っかを通り抜けたら、ここに居たんだ。」

豊前: なるほど。ドラえもんで言うところの通り抜けフー○だな。

八雲&冬也: いや、どこでも○アだろう。

豊前: でも、形状的にはさあ……!(一同笑)ま、いいや。もう一個確認しておきたいのは、君はここで何かされた? 大丈夫?

GM: 「??」特に何かされた様子は無いですね。

豊前: OK、わかった。じゃあ(春日部に)君はもしかしたら、新たな能力に目覚めたのかもしれない。このまま此処に居ると危険かも知れないんだが、我々は今、囚われている男を一人助けなきゃいけないんだ。ちょっと此処で待っていてくれるか? その男を助けたら、一緒に脱出しよう。

GM: では、春日部はここに残していくということでいいですか?

八雲: 一緒に連れて行ったほうがいいと思うよ。……但し、すごい警戒しとくけど。

豊前: ん……じゃ、連れて行こうか。(春日部に)ここに居るのは危険だから、一緒に行こう。

GM: ちなみに春日部はエキストラではありません。ただ、【HP】とかは高くないので、攻撃の対象になったりすると、危険ですねー。

豊前: 大丈夫です。その時は嬉野冬也が守ります。

冬也: ただ、そうすると八雲さんを庇えなくなるけど(笑)。

八雲: (うるうるした目で冬也を見て)じゃ、じゃあ……私じゃなくてこの人を守ってあげて……。(一同笑)

冬也: ご、ごめんね?(小さい声で)八雲さんのことも、なるべく守るから……。

八雲: (食いついて)え? なるべく!?

豊前: いいよ! じゃあガード値も高いし、俺がお前のことは守ってやるから!

八雲: え? アンタは要らないんだけど。(一同爆笑)じゃあ、わかった! こうしましょう! 春日部さんを、豊前が守る。

豊前: ああ、わかったよ。じゃ、そうしよう。

八雲: で、嬉野さまは……私のこと、守ってくださいます……?

冬也: わかった。八雲さんのことは俺が守るよ。

八雲&GM: おおおおおおおおっっ!!

八雲: その言葉を聞いて、私の嬉野冬也へのロイスがSロイスになります!

冬也: ……やはりな(笑)。春日部も、かなり真剣に守らなきゃいけないと思うけど――――……。

八雲: と、真剣に話し始めた冬也の首根っこにぶら下がってます。

冬也: (笑)じゃ、俺はここで八雲明星にロイスを結ぼう。

GM: どうやら春日部は、冬也に色々なことを聞かされたので、そのことについて聞きたくて、冬也に会いたいと思ったら此処に来たようです。

冬也: おぉう……なるほどー。

GM: ということで、以降戦闘になると春日部がキャラクターとして存在するので気をつけて下さい。

豊前: ほーい。


10◆ 既視感        シーンプレイヤー:嬉野冬也


GM: では次のシーンです!

豊前: 《ハンドリング》で登場すればいいんだろう!?(笑)

八雲: また1か……。やっとダイスボーナスがついたけど――――やばいな、これは。

豊前: ジェネシフトしとけば?

八雲: それはすることになるだろうねー。


 中を進んでいくと、倉庫のような場所に出た。

ここを突っ切ると、最深部に着くようだ。


GM: ただ、その倉庫内の風景は、冬也には見覚えのあるものかもしれません。

冬也: ん?


 そこは、三年前に八重樫と対峙した研究室と、よく似ていた。

円筒状の大きな管、そしてその中の培養液には――――冬也、あるいは夏樹に良く似た顔のヒトの形をしたものが、無数に浮いていた。


冬也: ――――全部壊してぇ……。

豊前: いいんじゃないか? ただ、神前を救い出すのが先だ。

冬也: ん…………。

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