千年前
さて、集団競技です。
思い付きのものでスミマセン(;・ω・)
もはやリオのなかでイベントと化した休み時間。が、今回はいつもより集まった人数が少ない。
リオとしてはその理由は分かっていた。誰だって、できすぎるやつは苦手なのだ。
ちょっとできるからって調子に乗りすぎだ。
B組判定された時点でA組S組なんかに勝てるわけないだろ。
目立ちたがり。
彼らが自分に文句があるのはわかっている。しかし、それを別にリオは気にしていない。何故なら、あそこまで自身の才能をひけらかすような事を言ったのにも関わらず、こうして集まってきてくれる大勢の友人がいるのだから。
かつてリオにはいわゆる「親友」と呼べる存在がいた。
大富豪の息子である彼は成績優秀、スポーツ万能で、金持ちであることで周りを見下したり、
鼻にかけたりは絶対にせず、性格も良くて皆から好かれていた。
何でもできる彼は嫉妬されて嫌がらせを受けたことは多々あった。
そういう彼らにさえ、困っているとき、彼は笑顔を向けて救いの手を差し伸べた。
彼を嫉妬をする人、煙たがる人、目障りに思う人は後を絶たなかったが、
彼についていく人、尊敬する人、好きになる人はもっと多かった。
リオも彼を尊敬するうちの一人だったが、彼に「親友」と認められたのはリオ一人だった。
何でもできる彼には、一つ欠点があった。
彼は人よりも極端に魔力が少なかった。
魔力量が人よりも多いリオは、彼によく羨ましがられたが、
リオもまた、人に好かれる能力を持った彼が羨ましかった。
当時のリオは、奇妙な容姿と膨大な魔力のせいで怖がられて誰も近寄ってこなかった。
そんなリオに初めて声をかけたのが、彼だった。
負けず嫌いの二人はつりあうように自身を高めあい、「親友」であると共によき「ライバル」となった。
二人はその時代、王都の有名なギルドで最強のチームとしてその名をはせた。
………もう、千年も前の話だ。
「自分を嫌う人を気にしていても仕方がない、自分を好いてくれる人がいるのなら、まずその人を大事にしないと」
「『困ってる人には惜しみなく手を貸してあげるのが、僕のポリシーさ』てか?」
リオは彼のポリシーを気に入っていた。だから彼亡き今、リオは彼の意思をついで彼のようにあろうと思っている。流石に性格までを変えることはできなかったため、リオ自身の自慢癖は直らなかった。それでも、こんなにリオの周りには人がいる。つまりは、彼のポリシーは正しい、そういうことだ。
「おーいリオ!お前はどれがいい?一枚5ポッドだ。あ、でも翼が出てるのは7ポッドな!レアだから!」
フールのそんな声が聞こえて、「じゃあ7ポッドのくれ」と人垣の中から返事をした。
クロウの写真販売に興味をもって、「俺も」「私も」とリオの周りの分厚い人垣は随分と薄くなった。
「フールったら、だいぶ繁盛してるわね」
人垣がなくなったのを見計らって、リリアンがリオに近づいた。
「そういう君は売らないのか?」
リリアンはとんでもないと言ってカメラを大事そうに胸に抱えた。
「あたしは約束した人にしかあげないことにしたの。もしあげるのなら、昨夜クロウを見にいけなかった人にのみあげるべきだわ。じゃないと不公平だし、なによりもったいないわ。そういうわけだから、はい」
リリアンは制服の内側から数枚の現像した写真を取り出して、リオへ差し出した。
「あ、ありがとう、リリアン」
手渡された写真は、プロが撮ったかのような躍動感あふれるクロウが写っていた。思わず見とれると、
(クロウ様のお姿はそんなに軽々しく手に入れることができるものではなくってよ!)
フールに群がる人たちを見てリリアンがなにやら呟いた。これはどうやら相当なクロウファンだなとリオは苦笑いを浮かべた。
+ + + + +
その後、集団競技はクラス対抗全員参加の「魔球転がし」と「魔犬リレー」が決定。パートナー別競技は「玉入れ競争」となった。
運動会は1ヵ月後。これからの運動会までの1ヶ月間、授業はすべて運動会のために使うというから、やはりこの学園の運動会に対する気持ちは半端じゃないと思い知った新入生だった。
「唯一A組とS組に俺らでも対抗できそうなのって、集団競技くらいだよな」
「あ~、あんま魔力使わないもんな」
「どっちかって言ったら、体力…というか運動能力勝負かしら?」
学園側も、流石に故意にS組とB組を戦わせるようなことはさせないようにするが、それでもどうしてもそうせざるを得ない場合もないとは言い切れない。実際に、去年そういう組み合わせがあったそうだ。もちろんB組の惨敗だったそうだ。
今年はそうなりませんように! B組は満場一致?でそう願った。
運動会まで、あと3週間。
読んでくださり、ありがとうございます!
運動会ではあまりに力の差が出ないように、S組の生徒には魔力のストッパーがかけられます。それでも、A組のトップクラスの魔力を軽く全員出せるような集団になるため、勝てる見込みがないわけです。
各競技の詳しい説明は本編でいたします。




