道徳の落下速度は加速度運動
占い師に占ってもらう!
この占い師の得意占いは、一般相対性理論を使った気分とカンで占う!
重力、光、時間、空間とかなんとかを計算してドラゴンで割り算する!
それに気分とカンの方程式を使うと、占いの答えがわかる!
現在特許出願中!
非常に高度な占い!
当たっているかどうかは、当たってみるまでわからない!
間違っている場合は、認めない!
「うーん。計算ができるまで10年くらいはかかるね」
占いは時間がかかる!
でも、今回はそうはいかない!
勇者は気が短い!
カップラーメンはお湯を注ぎながら食べてしまう!
「なら、お前の体だけ、十年今すぐ時を進めろ!さもなくば、倒す!」
概念すら曲げてしまうのが勇者!
そして脅す!
華麗なるコンボ!
「ひええええ!」
占い師は怯えて声を出した!
「かわいい声だね」
優しく声をかける勇者!
飴と鞭の使い分け!
引き出しの多さを見せ付けた!
「うるさい!子供が起きたらどうするんだ!」
しかしテラは怒った!
子供は近くにいないけれども!
テラはみんなに見えないものが見えている!
そう、思い込んでいる!
「テラ・・・おまえ!ドラゴンに似ているな・・・倒す!」
似ていたら倒す!
あと、顔が気に入らないから倒す!
あと、ストレス解消に倒す!
「待て!俺はドラゴンじゃない・・・いや?俺は・・・誰なんだ!今まで、自分はテラだと思っていた!自分自身がなぜ生きていて、今ここに存在しているか考えもしなかった!そして自分はドラゴンなんじゃないかなんて考えてもいなかった!自分がなぜ、テラであることにチョッピリも疑問がなかった!」
テラは自分が何者かわからなくなった!
もしかした、自分はテラだと思い込んでいただけで本当はドラゴンだったんじゃないか?
疑心暗鬼になる!
「いや、あなたはドラゴンじゃないですよ」
占い師が教えてくれた!
占い師が言うなら大丈夫!
安心!
「よかった!ドラゴンじゃなかった!」
「よかったな!テラ、人として生きて人として何かを成し遂げるんだ!」
勇者はテラを人間として認め、これからの人生に精進するように言葉を与える!
なかなかできることではない!
そんなこんなで十年たった!
ついにドラゴンの居場所を突き止める占いが終わった!
占い師によると、次にドラゴンが現れるところは南の都市オルファンらしい!
都市にドラゴンだなんて!
絶対にありえない!
でも、占いでそうなったのでしかたない!
信じるしかない!
今はそれしかない!
地獄に下りてきた蜘蛛の糸だ!
掴め!
南の都市オルファンはマジで都会なので二人とも行ったことがない!
田舎者がいくと、汚い言葉で罵られる!
都会の人は進んでるので、田舎者を見ると肩をパンチしてくる!
「オルファン行ったことないよ」
勇者も行ったことない!
地図では見たことあるけどね!
「オレもない」
テラも行ったことない!
バカ!
二人はそう思ったら、とたんに悲しくなってしまった!
住み慣れた田舎から、都会に行こうとする田舎者の不安はすごい!
押しつぶされそう!
胃潰瘍が何万個もできては消える!
「こんな服でオルファン行ったら恥ずかしいよ」
勇者はファッションに気を使う!
田舎と都会ではセンスが違う!
田舎では浮いてしまうファッションが、都会ではお洒落になる!
逆に気持ち悪いくらいの方が個性的と取られる!
なんかそれで自分をお洒落最先端と勘違いしている人も多い!
服も大事だが、一番大事なのは顔!
顔さえよければ何を着ても大丈夫!
だから、服なんかより顔に金を使え!
整形しろ!
もしくはマスクを被れ!
マスク剥ぎマッチ以外では絶対に脱ぐなよ!
「そう?レイスはまだいいじゃん。オレなんて、ほとんど裸だぜ」
テラはほとんど裸だ!
大胆と言う言葉を履き違えている!
いろいろ出ている!
内臓丸見え!
服を着こなす能力が欠如!
「オルファンの途中の町でショッピングしていこうぜ」
服を購入して、お洒落に変身なのだ!
変身するたびに戦闘力も上がるぜ!
虫けらども!
容赦せんぞ!
「そうしよう」
テラに少なくとも葉っぱくらいは与えないと、町に入ることすら難しい!
今の状態だと町につく前に、怒られてしまう!
道徳の欠片もない格好!