生贄
部屋のドアを開けた!
ゆっくりと着実に!
下手に開けると、ドアノブが引きちぎれる!
お前らの頭のようにな!
え?
ちぎれたことないの?
マジで?
初耳だわ、その情報!
レアだね!
部屋の中には本が一冊!
字が書いてあって、四角い!
悪魔の本とはこれのことだろうか?
そしてテラの姿は見えない!
すると本が開き、声が聞こえた!
「ふふふ、生贄を集めてきてくれたようだな!」
本がお喋りをした!
この本にはそんな仕掛けがほどこされているのか!
メカなのか!
生贄!?
それは、まさか勇者達のことなのか!
勇者達を指しているのか?
それとも一緒にいる、悪い霊のことなのか?
肩が重いのはこいつのせい!
「僕の家族は悪魔の本に捕まっているんだ・・・それで仕方なく」
この少年は悪魔か?
完全に法律を犯しているだろ!
裁判だよ!
もしくは相談のうえで示談だよ!
どうやら悪魔の本との約束で、生贄を集めてきたら捕まっている家族と交換してもらえるらしい!
そんなシステム!
人の命を何だと思っているんだ!
「よし!俺の剣で悪魔の本ごと斬ってやる!」
勇者の剣の腕なら本なんて切り刻める!
「僕の家族は本の中に、閉じ込められているんだよ!」
まさか!
これでは手出しができない!
本には手出しできないが少年にはできる!
まったく違う発想!
少年を斬ればいい!
ストレス解消!
「ところでテラは?」
コンセは悪魔の本をビリビリ引き裂いた!
悪気はない!
なんかノリでね!
すごいパワー!
「ぐぎゃー!」
悪魔の本にダメージ!
「本を破らないでくれ!俺もこの本に閉じ込められているんだ!」
テラも閉じ込められていた!
それは別にどうでもいい!
むしろ知らなくてもよかった!
知っても何も思わない!
「お前の仲間も閉じ込めた!本を破れば二度とこの世界には戻れないぞ!」
別にそれはいい!
「お前の目的はなんなんだ!生贄ってなんだ!」
勇者は本を剣で突き刺した!
「私は人間の魂を集め、それを力としてより強力な悪魔になるのだ!」
そもそもその理論がわからない!
魂と、強力な悪魔のつながりがわからない!
意味のわからない精神的なものなのだろうか?
こういう人が、騙されて変な物を買うんだよ!
「魂で強くなれるのか?」
勇者は強くなる必要がある!
強くなるためには、人間の魂もほしい!
「強くなる為には、薬とか筋肉トレーニングしかないのよ!」
コンセは知っていた!