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第43話 ハンバーガー屋のアイスクリーム

いつもながら、誤字報告ありがとうございます。


 屋敷に戻ったらいい時間だったので、みんなを食堂に呼んで食事した。リサはベーコンの入った野菜スープを用意してくれていた。


 最初にハンバーガー屋で仕入れた商品を全部一度コピーして、いつでも作れるように準備した上で、一番大きなハンバーガーを人数分作ってみんなのテーブルに並べてやり、冷え冷えに冷やしたコーラの500ミリボトルも人数分、ポテトも人数分出しておいた。


 テーブルの上にはケチャップのチューブとケチャップ用の小皿も置いてあり、ポテトにケチャップを使うものは小皿にケチャップをとってポテトに付けて食べる。


「白身魚の入ったハンバーガーや、鶏肉のハンバーガーもいくらでもあるからな」


 正確にはいくらでもあるわけではなく、いくらでも作るだけなんだがな。


 白身魚も鶏肉もオリジナルをコピーしたものだから人造肉ということになるのかもしれないが、見た目どころか味の区別などつかないので本物ないし偽物ではないと言って差し支えないのではなかろうか。


「出しておくと冷めてしまうから、食べたくなったら遠慮せずに言ってくれよ。何度も言うが、いくらでもあるんだからな。飲み物もコーラだけじゃなくて果物のジュースもあるからな。ジュースはリンゴ、ミカン、モモ、ブドウがあるぞ」


 そうだ、ジュースはピッチャーに入れて、氷をアイスペールに入れておけば自分で勝手にコップに注いで氷を入れて飲むだろうから、遠慮がいらなくていいだろう。


 俺はビールジョッキのようなピッチャーを錬金工房で作って今日買ったジュースをその中に入れてテーブルの上に置き、適当に作ったアイスペールの中に冷蔵庫で作ったような氷を入れて、これもテーブルの上に出したやった。


「先にリサが用意してくれたスープを飲んだら、コップを持ってきて、好きなジュースを注いで飲んでくれ。氷を入れて飲むともっと冷たくなっておいしいぞ」


 華ちゃんが俺の方を見ている。呆れているのかもしれない。ここまでくるとなんでもアリだと自分でも思う。


 ゲップしながらコーラをボトルから飲んでいた子どもたちが、少し冷めて飲みやすくなったスープを急いで飲んで、コップを人数分テーブルに持ってきてくれた。やはり子どもはジュースが好きなようだ。オレンジジュースがまず先に売れて、その次がモモのジュースだった。


「ご主人さま、白身魚のハンバーガーをお願いします」


「了解。他に白身魚のハンバーガー欲しいヤツはいないか?」


 二人ばかり手を挙げたので、3つ出してやった。


「鶏肉のハンバーガーはどうだ?」


 華ちゃんを含め残りの3人が手を挙げた。


 鶏肉のハンバーガーを3つ取り出し。


「いくらでもあるんだが、今日はアイスクリームもあるからな。

 ハンバーガー屋のアイスだから今一かもしれないが、それなりだと思うぞ。

 バニラとチョコとストロベリーだ。今食べると食べられなくなるから後でな」


「ご主人さま、アイスクリームって何ですか?」


 この世界にアイスクリームがあるかどうかはわからないが、子どもたちはまだ食べたことはないのだろう。


「食べてみればすぐわかるが、冷たくて甘いお菓子だ。口に入れるとすぐ溶けるけどな」


「いいなー。ハンバーガーもおいしいし、わたしホントに幸せ」


「「わたしも!」」「ご主人さま、私もです」「岩永さん、わたしも」


 幸せなら手をたたこうではないが、不思議なことに、そう言ってもらえると手をたたきたくなるように嬉しいものだ。


 俺が買った奴隷たちの気立てがたまたま良かったのか、それともあの奴隷商館の奴隷たちはみんな気立てが良かったのかはわからないが、この5人を買ってよかったとつくづく思った。同郷のよしみで助けてやった華ちゃんについては、家庭の事情が複雑そうだが、ちゃんとした教育を受けたまともな女子だと思う。かく言う俺は今どきの女子高生に接点など何もないのでただの感想だ。


 子どもたちと女子二人なので、すぐにみんなお腹がいっぱいになったようだ。


「アイスクリームは3種類しかないから、この中から選んでくれ」


 俺はカップに入った3種類のアイスクリームをテーブルの真ん中に置いた。



「白っぽいのがバニラアイス。バニラの説明は難しいから割愛だ。一言で言うと食べてみればわかるだな。赤いのがストロベリー、茶色がチョコだ。チョコも食べてみればわかるとしか言えないけどな」


 そう言えば子どもたち用にお菓子を買っていたのだが出すのを忘れてた。健康的かと言われればそうでもないので、そのうち何かの機会があれば出せばいい。急ぐ必要はないだろう。


「アイスクリームを食べる時は、スプーンですくって食べろよ」

 

 立ち上がってカップの中身を覗いていた子どもたちだがすぐに人数分のスプーンを持ってきた。実に気が利く。


「本当はいくらでも出せるんだが、お腹が冷えて下痢してもマズいから一人一個ずつな。

 それじゃあ、バニラが欲しい人?」


 華ちゃんとリサが手を挙げた。


「それじゃあ、華ちゃんはそのバニラをとってくれ、リサはこっちだ」


 そう言ってバニラアイスをリサに作ってやって渡した。


「ストロベリーアイスクリーム?」


 イオナとキリアが手を挙げた。


「チョコアイス?」


 残りの二人が手を挙げた。


 ストロベリーアイスとチョコアイスを一つずつ追加して子どもたちに渡した。


 スプーンですくって一口食べた子どもたちが目を見開いて、


「なにこれ! おいしーー!」「甘酸っぱーい!」「あまーい!」などなど。子どもたちの反応が一々面白い。


「今日はそれだけで我慢しておけ」


「「はい!」」


「明日は夕食の後に出すからその時は何を食べたいか考えておけよ」


「「はい」」「「やったー!」」


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― 新着の感想 ―
[一言] 機械製品はスクラップ材料を用意したけど植物性や動物性を原料とする食品や衣料は特に負担なくコピーできるとなるとほぼ異世界と言っても生活水準落とす必要もなく無敵ですね。 まして現代と行き来できる…
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