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第343話 視察団担当。


 防衛省での会議はそんなところで終わり、俺はポーションとフィギュアを下の特設テントに卸して、華ちゃんを連れていったんアスカ3号が留守番するマンションの玄関に跳んだ。3人までなら玄関に直接跳んでいけるが、4人はちょっときつそうなので、4人以上だと玄関前に跳ばないといけない。


「アスカ3号、俺と華ちゃんだ」


 アスカ3号が居間の方から現れた。


「マスター。お帰りなさい。特に変わったことはありませんでした」


「了解。

 今日は固定電話とデータ回線の契約をするから、工事の人がきたら適当に対応してくれ」


 漠然とした指示だが、超高性能ゴーレムのアスカなら何とかなるだろう。


「了解しました」


 やっぱりな。



 居間に入ると、窓は閉まっていたが、外側のカーテンが開けられ、内側のレースのカーテンだけかかっていた。部屋の中はかなり明るいうえに暖かい。


 俺は、スマホで電話会社のサイトを調べそこで申し込みの手続きをしておいた。光回線はうちのマンションに届いていたので、1週間後に簡単な工事をするそうだ。


「アスカ3号、電話の工事は1週間後になったから、対応頼むな」


「はい」


 これで良し。


 固定電話の電話機はどこのものを繋げてもいいということだったが、電話会社の電話機を使うことにした。ワイファイの親機もついでにつけてもらっている。これからはパソコンがあった方がいいからな。


 アスカ3号はパソコンを使えないだろうが、ひとことふたこと基礎を教えておけば調べながらでも何とかなる。ハズだ。何せアスカは超高性能ゴーレムだからな。


 ということで、俺はパソコンを購入することにした。


「華ちゃん、パソコン持ってた?」


「持っていました」


「パソコンを買おうと思うんだけど、どんなのがいいかな?」


「普通のパソコン?でいいんじゃないでしょうか」


「じゃあ、普通のパソコンを買うとしよう。何か不都合があって失敗したとしても、成功するまで買い続ければいいだけだものな」


 適当に家電量販店のサイトで、ある程度はスペックの高い方がいいと思い、こっちがいいか、やっぱりこっちにするか、とやっていたら、普通のパソコンをモニター、マウス、プリンター込みで30万ほどで買っていた。届くのは3日後だ。さすがの超高性能ゴーレムと言えども何も情報がなければセットアップとかできないと思ったので、入門書も何冊かポチっておいた。


「アスカ3号、3日後に荷物が届くから受け取っておいてくれ。その中にパソコンの使い方とか書いた本があるから中身をよく読んでマスターしておいてくれ」


「了解しました」


 ああいった物はネットにつながっていないとセットアップが完了しないはずだから、電話屋がきてからだな。まっ、気長に待とう。超高性能ゴーレムのアスカならその間に本を読んで簡単にセットアップしてくれるはずだ。大船に乗ったようなものだな。


 パソコンを使うならOAデスクもあった方がいいか? いや、普通の机の方がいいか。普通の机ならいつでも用意できるし。


 とりあえず、屋敷の俺の部屋に置いてある机と椅子と同じものをこっちの居間の隅に出しておいた。ここの居間の中は明るすぎるのでパソコンを使う時にはカーテンをちゃんと閉めないとモニターがよく見えないと思う。


 マンションでの用事が終わったので、


「アスカ3号、それじゃあ、あとは頼んだ」


「はいマスター。お任せください」


 俺は先に華ちゃんを屋敷に帰してから、コアルームに跳んだ。言語スキルは指定スキルでもお値打ちの1万DPなので、異世界言語のスキルブック5つを5万DPで作ることができた。


 先方の要望は4つだったが、一つは世良事務官用にサービスだ。世良事務官自身が視察団のメンバーになる可能性があるがその辺りは俺には関係ないからな。


 4億円は、今となっては大層な金額というほどではないが、これだけでも一生遊んで暮らせる。大金ではあるよな。


 


 コアルームから屋敷に戻ったらすぐに昼食だった。


「「いただきます」」


 昼食を食べながら、まずは、ニューワールド担当課の話をしておいた。


「日本政府の外務省の中にニューワールド担当課といって、この国担当の部署ができることになった。

 ニューワールド担当課の当面の仕事は、ニューワールド、オストラン王国の日本国内への公表とこちらから送り出す視察団の対応になる。

 それで、ニューワールド担当課では、こちら側にも担当者を決めてもらい、担当者同士で細かな打ち合わせをしたいと言っているんだ。

 ということなので、もしエヴァに余裕があるなら視察旅行の担当者にならないか? 視察旅行の視察先とスケジュールを決めることが主な仕事と思う。視察先はブラウさんの意向が大切だがスケジュールはエヴァが適当に決めてくれればいい」


「お父さん、時間は作るものですから、何とでもなります」


 エヴァ、すごいな。そこらの経営者なんかよりよほど覚悟を持っているようだ。


「わかった。じゃあ、エヴァに任せるからな」


「はい。

 それで、人数は何人くらいになりますか?」


「こっちから派遣する人数はエヴァを含めて10名くらいで考えている。人選は宰相のブラウさんに任せることになっている」


「分かりました」


「向こうの担当者と話をするのに、電話は必要だろうし、パソコンもあった方がいいと思って、向こうのマンションに電話とパソコンを入れることにしたんだ。

 使えるようになるのは一週間後だけどな」


 電話もパソコンも華ちゃんが国語の授業で教えていたので、エヴァを始めニューワールド組もみんな知っていた。


「週末にエヴァを連れて王宮にいってブラウさんにエヴァを正式に紹介するから。

 それから、週が明けたら日本に跳んで防衛省の会議にエヴァを連れていって、今度はそこでニューワールド担当課の人に紹介するからな」


「はい」


「ブラウさんに話を通すのは早い方がいいから、今日の午後から王宮にいってみるか。

 エヴァ、午後から時間はあるか?」


「もちろんです」


「じゃあそういうことで」




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